« ヒラリー・ハーン(Vn)(2016/06/07) | トップページ | 川瀬賢太郎/名古屋フィル+神奈川フィル(2016/06/25) »

2016年6月 8日 (水)

大野和士/都響(2016/06/08)

2016年6月8日(水)19:00
東京文化会館

指揮:大野和士
東京都交響楽団

(第809回定期演奏会Aシリーズ)
テノール:イアン・ボストリッジ

ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」~「4つの海の間奏曲」
ブリテン:イリュミナシオン
ドビュッシー:「夜想曲」~「雲」「祭」
スクリャービン:法悦の詩
(交響曲第4番)

うーん、良かったし、聴いていたときは楽しめたけど、終演後は、少しもやもやした気分になる演奏会でした。

4つの海の間奏曲は、金管の音などに「明日はもう少し良くなるかも」の印象もありましたが、弦楽器の表情付は濃いめ。
弦がビシバシ自己主張して迫ってくる。
…で、それが刈り込んだ編成のイリュミナシオンで良い方に出た印象。

ボストリッジ様、声の百面相!
雄弁多弁なんてものじゃなく、多重人格のよう。
まさに、その瞬間、その瞬間、声の役になりきって歌う、叫ぶ(発声は叫んでませんけど)。
背中合わせの指揮の大野さんと、おそらく背中で真剣勝負。
ポストリッジさんも、大野さんも、曲間で汗を拭いていました。
真剣勝負と言っても、対抗するのではなく、寄り添い、支え、ポストリッジ様を引き立てながら自分の引き立つ都響。
ポストリッジ様のバックとしては上々の域ですが、歌手が凄すぎ!
これは仕方ないですね。

休憩後の後半は、油絵で塗りたくった感もある厚めの音?
それ自体は悪くはありませんが、法悦の詩の寄せては返し、収まったら、またむくむくと湧き起こり…の連続性が途切れる体感の箇所が多々ある。
最後のクライマックスはさすがですが、神秘的な印象は後退。

大野さんが要求する音って、オケがしっかりしていないと粗野な方向へ行ってしまう時もあるような気がしますが、そこはさすがに都響。
最後の最強奏もさすが。
ただ、インバルさん全盛期の、あの「あうんの呼吸」が少し懐かしくなる感もあり。

あまり比較は良くありませんが、前週のA定期を振った方が、かつて音楽監督、現在は桂冠指揮者の別オケで振った法悦の詩は素晴らしいかったです。
この日の演奏とは方向性が全く違いますけど。
そして、前週のA定期は、私は出張で行けなかったのでした。
悔しい…。

とりあえずこの日は、ポストリッジ様が聴けたのでめでたし、めでたし。
その昔、知人に「期待の若手歌手」と教えてもらって、シューベルトの歌曲のCDを買ってみたけど、軽く感じて駄目で、ずーっと敬遠していて、今年になってハーディングサム/NJPで聴いてぶっ飛びました。
やっぱり名前だけじゃないのね、と。
今になって思えば、あの頃にポストリッジ様を推薦してくれた知人は先見の明があったというか、めちゃくちゃ進化する歌手の名前を、たまたま当てたというか…(教えてもらっていたのに無視していてすみません)。

201606081

201606082

|

« ヒラリー・ハーン(Vn)(2016/06/07) | トップページ | 川瀬賢太郎/名古屋フィル+神奈川フィル(2016/06/25) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/63750437

この記事へのトラックバック一覧です: 大野和士/都響(2016/06/08):

« ヒラリー・ハーン(Vn)(2016/06/07) | トップページ | 川瀬賢太郎/名古屋フィル+神奈川フィル(2016/06/25) »