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2016年6月25日 (土)

川瀬賢太郎/名古屋フィル+神奈川フィル(2016/06/25)

2016年6月25日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:川瀬賢太郎
名古屋フィルハーモニー交響楽団
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(特別演奏会 名古屋フィル+神奈川フィル
 スペシャル・ジョイント・コンサート)
ピアノ:菊池洋子

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」~終曲
(アンコール)

英国のEU離脱で、世界中、為替、為替と騒いでおりますが、横浜では、川瀬さんが素晴らしい。
川瀨さんのソロカーテンコールまで!

この演奏会、楽しみにしていましたが、いくつかの不安がありました。
(1)常設オケでない2団体合同演奏で、緊密なアンサンブルが作れるか?
(2)130人の巨大編成で、機動的な演奏が出来るか?
 鈍重な演奏になってしまうのではないか?
(3)巨大編成で大音量を出して、ホール空間が飽和する音になってしまわないか?
その不安は、まったく杞憂に終わりました!!

まずはモーツァルトのピアノ協奏曲。
ピアノとオケの相乗効果が素晴らしい!
オケが絶妙に旋律を奏でると、それを引き継いだピアノが自在に飛翔し、歌う。
ともに切れ味を内包しながらも豊穣で香しい音。
後半が大曲なので、協奏曲でのオケは“伴奏”になるかと心配しましたが(失礼!)それも杞憂になりました。
おそらく川瀬さんの年代のマエストロにとって、20世紀のモダンの時代もピリオド一辺倒の時代も既に「歴史」で、全てを消化(昇華)した上で、21世紀のモーツァルトを自ら作る時代なのでしょう。
演奏中の菊池さん、何度も、嬉しそうな目線でオケの方を見ていました。

興奮ではなく、至福のひとときを堪能した後の、なんとも幸せな空気が漂うロビー。
休憩後はいよいよ大編成でのショスタコーヴィチです。

大編成なのに身重な印象は皆無。
音に川瀨さん特有の切れ味があり、大音量でも音は飽和しません。
あんなにティンパニを強打させているのに!

ショスタコーヴィチの交響曲に私が抱くイメージの、ぞっとするような冷たさ、怖さはあまり感じません。
もちろん作品が内包していますから、そういう側面が根絶しているわけではありません。
楽天的でもなく、終楽章などは、ひねくれた高揚の側面はちゃんと音に表れています。
でも、やっぱり、のめりこまない、純器楽に近い印象。
「かつてソ連という国があった」ということが、既に過去の「歴史」になった時代のマエストロの快演。
何かを描写した曲ではなく、諸々のことを大作曲家が昇華して「交響曲」にまとめたのだということを示してくれた、素晴らしい、新しい演奏だと思いました。

大作の後に、まさかのアンコール、それも「白鳥の湖」。
始まった瞬間、ちょっと驚きましたが、「ショスタコーヴィチの後に演奏するならこうなりますよ」というような凄まじい音の剛流。
ショスタコーヴィチの前にはチャイコフスキーが居たということ、共通項すら感じる演奏。
この選曲にも脱帽せざるを得ません。

合同演奏にお祭り気分は無し。
いや、真剣勝負、大まじめのお祭りだったかもしれません。

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