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2016年9月10日 (土)

東京二期会「トリスタンとイゾルデ」(2016/09/10)

2016年9月10日(土)14:00
東京文化会館

東京二期会オペラ劇場
ワーグナー:トリスタンとイゾルデ

素晴らしい!
指揮のロペス=コボスさんが主役、いやMVPでしょう。
ピットのオケが雄弁多弁にさざめき、うねり、ドラマを語る…いや、叫び、ささやく。
こんなに素晴らしい読響はいつ以来?(暴言失礼!)
繊細、劇的!刺激的!のピットの読響を導いたロペス=コボスの作り出す音は「この楽劇のドラマは、全てワーグナーが最初から譜面に書いておいたんだよ」と言わんばかりの音による効果、効果、効果。
伴奏ではなく主役と言っても良いくらい。

歌手ものせられて、登場してしばらくは抑え目に歌っていたのが劇的に変貌、いや変身。前奏曲ですでにオケがホール空間を支配し、幕が上がる前から異空間が出現。

最初はピット優位か?と思いましたが、イゾルデは最初の方から出ているので、中盤にはあっちの世界へ連れて行かれちゃったた歌唱。
対するトリスタンは途中から出てきて、イゾルデに比べてテンション低めでしたのが、終盤にはやはり、あっちの世界へ行きかけている歌唱へ。

第2幕でも、相変わらずピットのオケは雄弁、多弁、ドラマティック!
後半、密会がばれた後、舞台上が動から静へ動いた後は、全般的に若干おとなしめになった印象もありますが、それは致し方ない…と言うより、そういう設定ですね。
歌手陣に関しては、どちらかと言うとトリスタンよりもイゾルデ優位の感もあり??

「突き抜けるような福井敬さんの声で聴きたいところですが、私はそのキャストの日は都合がつかず…」などと思っていたら、第3幕の前に公演監督さんがマイクを持って登壇し「トリスタン役のブライアン・レジスター氏は本日体調不良ですが、最後まで歌います」とのこと。
体調不良と言ったって、第3幕は瀕死の設定ではないですか。
…と言っても、とても死の直前とは思えないような歌わせ方をする作品、お疲れ様でした。
まあ、そういうことで、トリスタンの出来については多少割り引いて見る必要がありそうです。

第3幕は、最後は終焉で終演。
「前奏曲と愛の死」などというキセルではなしに歌われたイゾルデの「愛の死」の歌唱も格別。
ロペス・コボスの煽りに乗って?劇的歌唱を繰り広げた後でもパワーが残っていました(そういう役をプロが演じたのだから当たり前とは言え…)。

演出は、…どうなんでしょう?
私にはよくわかりません。
プログラム冊子に書いてある演出家のコメントは、そう言われて注意して見ればそうかもしれないですが…??第2幕の色違いがそうなのでしょうか??
まあ、演技にも多少、「そう言われてみれば」というような場面がありましたが、際立っていたわけでもなく…。
まあ、高層階の席の遠距離から、オペラグラスも使わずに見て、語るべきではないかもしれませんが…。
よって、ネタバレするほどの観察眼と見識と話題は持ち合わせておりませんが、もしかして第2幕最後のトリスタンとイゾルデ2人の動きが、通常と違ったのかな??
それが、第3幕でのイゾルデの装いにつながっていたのでしょう。
個人的にはさほど面白いとも思わなかったですが(すみません)、最後のみんな死んでしまって横たわっている様は、高層階から見下ろすと結構視覚的に来るものがありました。
去年のカンブルラン/読響の「トリスタンとイゾルデ」は、私は行けなかったので(空席を作ってすみませんでした)、去年の演奏があったからこそ、今回の演奏があったのかどうかわかりませんが、ピットの読響、本当に良かったです。
重い音ではありませんが、その分、キレがありました。
私の席からは指揮姿は見えませんでしたが、今回の音のドラマを導いたロペス=コボスさん、本当に素晴らしい。

スタッフ
指揮:ヘスス・ロペス=コボス
演出:ヴィリー・デッカー
演出補:シュテファン・ハインリッヒス
舞台美術:ヴォルフガング・グスマン
照明:ハンス・トェルステデ
音楽アシスタント:角田鋼亮
合唱指揮:大島義彰
演出助手:家田 淳
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:大野徹也

キャスト
トリスタン:ブライアン・レジスター
マルケ王:清水那由太
イゾルデ:横山恵子
クルヴェナール:大沼徹
メロート:今尾滋
ブランゲーネ:加納悦子
牧童:大野光彦
舵取り:勝村大城
若い水夫の声:新海康仁
合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団

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蛇足ですが、東京文化会館の3階サイドのロビーのガラスに、本日、私が居た短い時間だけでも4人の方が、のぞこうとして頭をぶつけていました。
ゴツンッと鈍い大きな音がロビーに響く。
整髪剤の跡がガラスに…。
ちょっと危ないような気もします。

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