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2016年10月10日 (月)

カンブルラン/読響(2016/10/10)

2016年10月10日(月・祝)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日本交響楽団

(第91回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
ピアノ:マルティン・シュタットフェルト

ラモー:「カストールとポリュックス」組曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
ショパン:練習曲作品25-1「エオリアン・ハープ」
(アンコール)
シューベルト:交響曲第8番「グレイト」

これまでに体験したことの無いカンブルラン様の新しい側面を見たような興奮です。

ラモーの「カストールとポリュックス」組曲は、序曲を某ストリーミング・サービスで予習した時、なにもこんな曲を今さら…(失礼!)と思ったのは大間違い。
カンブルラン様が顔を真っ赤にして振ると、こんなにも生き生き、楽しい曲だったか!と自分の不明を恥じました。
同時に、音楽の創造と再創造において、いかに指揮者の及ぼす力が大きいのかを、眼前の出来事で体感しました。
(おそらくこの演奏を聴いて、あ、ラモーって良いね!と思って録音(CD)を探して聴いたとしても、この演奏から受けた至福の体感は再現しないでしょう。)

続くモーツァルトの協奏曲第15番。
第17番とか第23番とかに比べてややマイナー(失礼!)な曲…と思っていた曲が、カンブルラン様が振ると、ラモーとは少し違った趣きながら、これまた至福の時空が出現。
ピアノはさほど、奇をてらったところない模様。
シュタットフェルトさんは、私はたぶん初めて聴いたと思いますが、ネット上には、ネガティヴな感想のブログがアップされていたりして「どんな演奏をするんだろう?」と興味を持って臨みました。
カンブルラン様の流れに逆らわず、割とオーソドックスに美しく鳴らしていたように感じました。
ただ、アンコールのソロは、なんか、もやもやっとしているうちに終わってしまった印象。
私の席が後方席だったこともあると思いますが、協奏曲だって同じ席で聴いていたのだから…???
ソロのアンコールよりも、協奏曲の方好感でした。

さて、ぶったまげた(品のない言葉で失礼)のはシューベルトのグレイト。
前日までの演奏のネット上のクチコミで速いと聞いてはいましたが、本当に速い。
(あのスダーン/東響だって、8番はこんなに早くなかったはず、記憶が確かなら。)
しかし、このめちゃくちゃ速い流れが、全く作為的に感じられません。
こういう風に演奏するのが必然…とすら思えてきます。
あ、マエストロ、譜面のページをばさっとめくって戻した、繰り返しだ、やった、儲かった(品が無くて失礼!)、しかしそれは、単なる同じことの繰り返しではなくて、畳み掛けるようにヒートアップする繰り返し、ボレロの予兆?
これ、5回くらい繰り返したら、本当にボレロのようになっちゃうかも…という2回繰り返しでした。

シューベルトの交響曲が1→2→3→4→5→6→7→8番と続いてきたのだから、8番だってこういう演奏になるよ、という初期の交響曲の名残りを内包した第1楽章。
しかしその8番も、1→2→3→4楽章と進むにつれて、素朴な側面が“スーパー交響曲”に変貌していくドラマ。
シューベルトって、8番の中でも進化が…。
第4楽章などは、雛(ひな)が巨大な鳥へと成長、変容し、まさに大空に飛び立つような…。

もちろん、演奏会として、ラモー → モーツァルト → シューベルトという流れにおけるシューベルトの演奏スタイルでもあったと思いますが、最終楽章の立派過ぎるくらいの音響を聴くと、上述のようなシューベルトのドラマを感じてしまいました。

カンブルラン様って私は「気迫の演奏」のイメージがあって、こういうワクワク感はちょっと意外。
こういう演奏をするなら3日ともチケット買えば良かった…と思っても後の祭り、祭りは終わってしまいました。
最終日だけでも参加出来て幸せと言うべきでしょうが…。

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