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2016年10月19日 (水)

カンブルラン/読響(2016/10/19)

2016年10月19日(水)19:00
サントリーホール

指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日本交響楽団

(第563回定期演奏会)
ヴァイオリン:五嶋みどり

シューベルト(ウェーベルン編):6つのドイツ舞曲D 820
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲
J.M.シュタウト:ヴァイオリン協奏曲「オスカー」
(日本初演)
デュティユー:交響曲第2番「ル・ドゥーブル」

お腹いっぱいです。
短いシューベルトはともかく、どの曲も(あるいは演奏が)個性強くて…。

まずはシューベルト。
文字通り「お化粧をしたシューベルト」。
グレイトで聴いたカンブルラン様のシューベルトとは少し印象が違いますが、このウキウキするような楽しさを引き出しているのは当然カンブルラン様です。

続くコルンゴルトの協奏曲。
この曲、私は割と“のっぺりした”印象を持っていたのですが、こんなに彫りが深い曲でしたっけ?
正直、目から鱗に近い驚きがありました。
ペンキを塗っただけの曲だと思っていたのが、実はペン画で、細線、中太の線を数多く織り重ねて作られている曲だと、この日、初めて知りました。
その「彫りの深さ」は、独奏もオケも両方です。
そして、みどりさんのヴァイオリンの音は深い。
きんきら、ピカピカではなく、つや消し加工を施した美音で、ダシが効いた音でした。

休憩後もみどりさんの独奏。
J.M.シュタウトの協奏曲は、コルンゴルトからさらに繊細な細筆の世界。
オケは弦楽器と打楽器だけの編成で、P席から見ているとその打楽器の演奏(奏法など)がめちゃくちゃ面白かったので、みどりさんの印象が少し弱くなってしまったが…。
この曲はコルンゴルトと違って、内に凝縮していくような印象。
最後はトライアングルの音をカンブルラン様の「終わり」の合図で打楽器奏者が手で消して終了。
「理解した」などとは口が裂けても言えませんが、かなりの好感、かなり印象に残った曲と演奏でした。

で、まだ続くのです。

まずはデュティユーのための配置転換。
かなり長い時間がかかりました。
その配置転換すら(偶然性の)音楽のよう。
そして出現したレイアウトは奇抜。
しかもかなり複雑な構造の曲なのに…。
出てくる音は複雑性(複雑系)が調和した耳当たりの良さ。
まさに交響曲。
協奏交響曲のように見えるけど鳴っている音は交響曲。

この耳辺りの良さなら、22世紀と言わず、著作権が切れたら(←品の無い言い方で失礼)オケのレパートリーとして定着するかも???

で、この作曲家、こんな作風でしたっけ?

配置は、プログラム冊子に書いてある通りの変な配置なのですが、いざ眼前にすると倒錯感、異空間(大げさ)。
上手のヴィオラ群の前にティンパニ、その前にオーボエ、クラリネットやら弦楽器トップの方々などがソロとして指揮者を半円形に取り囲み、…。
チェンバロまで置かれていて、その前に座ったのはなんと鈴木憂人さん。

これまでに聴いた(進んでではなく)デュティユーの曲は、初演の曲も含めてあまり面白いと思わなかったので、この日も実は、あまり気が進まず、休憩中に帰ろうかとすら思っていましたが、私のデュティユーの印象が180度変わるほどの耳当たりの良さで、めでたし、めでたし。

盛りだくさんだったので最後は多少聴き疲れを覚えるほどでしたが、おそらく次回の経験は無いプログラムだったと思います。

20161019

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