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2016年11月12日 (土)

日生劇場「後宮からの逃走」(2016/11/12)

2016年11月12日(土)14:00
日生劇場

NISSAY OPERA 2016
モーツァルト:後宮からの逃走
(ドイツ語歌唱・日本語台詞・日本語字幕付)

演出は奇抜系ではありませんが、椅子などの小道具を頻繁に入れ替え、動きのある演出は好感です。
背景などは“塗り絵”のレベルですが、その前面での動きと転換の面白さで不満を感じさせません。
小道具勝負ですが、動きが多いので、飽きさせずに視覚効果を繰り出して面白い。
いまはやりの?序曲でのパントマイムも奇抜系ではなく、物語の導入としての効果のあるオーソドックスなもの。

ドイツ語歌唱、台詞は日本語というのは、私は個人的に最後まで慣れませんでした。
日本語でしゃべっていて、すぐ直後の歌でドイツ語が出てくると、一瞬、あれ?…と。
でも、まあ、こういうやり方もありだと思います。
台詞もドイツ語で字幕を追うよりは、視覚的負担は確かに少ないです。
それに、日本語の台詞にしたから、歌わない太守セリム役に宍戸開さんという布陣もできたわけですね。

音楽は川瀬さんらしいスピード感と切れ味のある音楽に好感。
超絶技巧の歌唱が許すならもっと速くしたかったのでは?という感もある箇所もあったような気がしますが、楽しい快感の音楽であることは事実。
川瀬さんの切れ味が冴える指揮棒に、オケの反応も鮮やか。

歌唱は、第2幕以降は、第1幕よりも硬さが取れたのか好演。
ただし小さい会場という好条件もあるのかもしれません。
小さめの会場に合わせて?無理せず(それでも結構目一杯の感もありますが)叫ばず、重唱も整って、川瀬さんの流れに乗っていました。
…と偉そうに辛口のことを書いておりますが(すみません)、それよりも何よりも、この演出の動きを体当たりでこなして笑いを誘った歌手の皆さん、楽しかったです、ありがとうございます。
会場の客席も、第2幕以降は固さが取れ、素直に笑うようになっておりました。

エンディングで、歌わない太守セリムを、視覚的にも究極の善玉(に変換した者)として最後に際立たせて終幕の演出。
奇抜でない方向で、ここまで視覚的な楽しさ満載で、私はかなり好意的に観ました。

日生劇場は私は久しぶりですが、オリジナル演出は結構面白いことが多いような気がします。
もちろん、この劇場の小さめの空間と、東京文化会館や新国立劇場を単純に比較は出来ませんが、この劇場のサイズも考慮してしつらえた演出だろうと思われる演出です。
仮にその演出を他の劇場に持っていっても同様の効果を生むかどうか不明…という文字通り「日生劇場オリジナル」のところがなおさら好ましいです。

【キャスト】
太守セリム:宍戸開
コンスタンツェ:佐藤優子
ブロンデ:湯浅ももこ
ベルモンテ:金山京介
ペドリッロ:村上公太
オスミン:加藤宏隆

【スタッフ】
指揮:川瀬賢太郎
演出:田尾下 哲
管弦楽:読売日本交響楽団
美術:幹子・S・マックアダムス
照明:沢田祐二
衣裳:前田文子
ドラマトゥルク:庭山由佳
演出助手:田丸一宏
舞台監督:山田ゆか(The Stuff)
合唱指揮:田中信昭
副指揮:大川修司、鈴木恵里奈、水戸博之
コレペティトゥア:平塚洋子、矢崎貴子
合唱:C.ヴィレッジシンガーズ

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