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2016年12月29日 (木)

秋山和慶/東響(2016/12/29)

2016年12月29日(木)14:00
サントリーホール

指揮・チェンバロ:秋山和慶
東京交響楽団

(「第九と四季」2016)
ヴァイオリン:青木尚佳
ソプラノ:大村博美
メゾ・ソプラノ:清水華澄
テノール:ロバート・ディーン・スミス
バス:妻屋秀和
合唱:東響コーラス

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」~春・冬
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」
蛍の光
(アンコール)

年末恒例の風物詩。
私が初めて聴いたのが1985年です。
あれから時は流れ…。

その年末の風物詩、“前座”の四季は、年によって違いますが、“若手ヴァイオリニストの登竜門”のような位置づけの年が多いです。
2010年は郷古廉さん、2012年は小林美樹さん、などなど。
そういう位置づけなので、最近は皆さん、気合いの入った演奏が多いです。
(かつては、“中堅”クラスで、え?」というような練習不足のような演奏をされた方もいらしたような??)

…と、ごちゃごちゃと余計なことを書いてしまいましたが、今年の青木尚佳さん、素晴らしいです。
純度が高くてややスリムな音を駆使し、なおかつ情熱的に攻める要素も併せ持つ。
高音が美しく、クリスタルの輝きのような…。
青木尚佳さん、すでに「自分の音」を確立されている方とお見受けいたしました。
ピリオドではない「四季」として、安定感だけでなくスピード感もあって心地良い。
秋山さんはチェンバロの前に座り、弾きながらの指揮なので、合図をする回数は少ないですが、秋山さんクラスだと、(高度なバトンテクニックを持っているにせよ、実は)座っているだけで違うはず。
ソリストに呼応する東響の弦のトップ奏者も美しいソロでした。

休憩後の第九は、もう何年も、何回も聴いているのに、毎年のように、あれ?秋山さん、これまでと違うアプローチをしている?と思います。
この日もそうでした。
以前に比べて遅めになり、たっぷりとタメを作る場面が増えたように感じるのは私の気のせいでしょうか?
巨匠風に近づいたようにも見えますし、少し枯れた(失礼!)ようにも見えます。
(全く枯れていなかったのは、演奏が進むにつれてわかりましたが。)

東響は、その一瞬のタメを作る場面で若干アンサンブルがためらいがちになった部分もありましたが、概ね、そのやや遅めになった(?)秋山さんの棒に追従し、味わい深い第九を奏でていました。
そして、いまや東響には、アマチュアとは思えないような強力な東響コーラスが附属しています。
透明感のあるハーモニーは(いつものことですが)素晴らしい。

音楽監督だった頃の秋山さんを知っている者としては、なんとなく安定感を感じたのは意外でしたが、秋山さんも年相応かもしれません。
音楽監督退任後、スダーン前監督が10年、さらにノット監督が2年目なのですから。
閑話休題。
その安定感が最後はうなりを上げて…。

秋山さんの第九が、以前よりもすこーし遅めになったように感じたのが、本当にそうなのか、近年のピリオド寄りの快速テンポに私の耳が慣らされたせいなのかは、定かではありません。

そして、例年通り、第九の後に蛍の光。
毎年体験していても目がウルウルする至福の瞬間です。
今年も清水華澄さんが、途中、P席の方を向いて歌って下さいました。
指揮者を見るためにP席に座っていますが、歌手の声にはハンディがある席。
まして、第九の女声、さらにはメゾ・ソプラノは、曲の中でも多少ハンディが…。
…なので、P席の方を向いて歌って下さった清水華澄さんの声、格段の違いの美声でした。
しかも、最初の頃は清水華澄さんだけだったのが、近年は他の歌手の方もP席の方に向いて下さるようになりました。
(妻屋秀和の声を間近で聴くと、こわいくらいに迫力。)

ライトダウンとペンライトの光が幻想的な空間となった年の瀬のサントリーホール。
この光景は、毎年見ていても、何度体験しても、目がうるうるしてしまいます。
これを体験せずに年は越せません。
めでたし、めでたし。

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