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2017年2月の8件の記事

2017年2月25日 (土)

ヴィット/新日フィル(2017/02/25)

2017年2月25日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:アントニ・ヴィット
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第569回定期演奏会 トパーズ<トリフォニー・シリーズ>)
ピアノ:クシシュトフ・ヤブウォンスキ

モニューシュコ:歌劇「パリア」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
ショパン:ワルツ第2番作品34-1(アンコール)
ショパン:ノクターン第20番(遺作)(アンコール)
シマノフスキ:交響曲第2番

ヴィットさん、名指揮者だと伺っておりましたが、私は拝聴するのはこの日が初めて。
なるほど、これは素晴らしい手腕の持ち主です。

演奏会冒頭、指揮者の登場の足音が聞こえると、オケの皆さんが楽器を構える。
そして指揮台に上がったヴィットさん、客席に答礼せずに、いきなり指揮棒を振り下ろす。
その瞬間に鳴った音楽は、いきなり、とてつもないスケール感。
しかし「剛」だけでなく、中間部の「柔」も魅惑的にオケを歌わせて素晴らしい。
「剛」の部分も、かなり強く、かなり激しいですが、爆演にあらず。

最初の曲でいきなりノックアウト…ではなく、続きも凄い。

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、こんなに立派なこの曲のオケ・パートは聴いたことがない!!よくこれで「ピアノ付き交響曲」にならないものだ…と感心していたら、アンコールのピアノ・ソロになって、ああ、やはりピアニストも器が大きい!と。
ヤブウォンスキさんのピアノ、素晴らしいです。
上っ面のテクニックなどではなく、音に宿る雰囲気が深い、深い。
ただ、協奏曲は、対等勝負とは言え、オケ・パートがこんなに立派に、こんなに堂々と鳴るのに驚嘆していたため、どうしても耳がオケに行ってしまって…。
競争曲ではない、共奏曲。
オケに限れば強奏曲の側面も。
おそらくこれに匹敵するこの曲の演奏は、当分聴けないと思いました。

休憩後のシマノフスキの交響曲第2番の印象は、19世紀の終わりと20世紀の始まり、爛熟の極致、あとは崩壊するのみ。
ああ、なるほど、この後に(←実際は前後関係は違う(同時代かな)と思いますけど)シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン、あるいはストラヴィンスキーが来るんだな…と思ったり…。
新日本フィルをこの爛熟の音色に染め上げ、めったに演奏されない(すなわち、演奏経験は多くないと拝察する)曲を雄弁に語らせたヴィットさんは凄い。
熱演なのですけれど、無理して頑張っているのではなくて、気迫の指揮がデフォルトのような…。

ぜひまた定期演奏会に呼んでいただきたい指揮者です。

開演前のロビーコンサート

ヴァイオリン:西江辰郎
ハープ:池城菜香

アストル・ピアソラ:「タンゴの歴史」より
1900 売春宿
1930 カフェ
1960 ナイトクラブ

西江さん、演奏が進むにつれて、かんり気合いが乗ってきました。
ハープは、寄付で購入した楽器とのこと。
打楽器のように楽器(ハープ)を叩く場面もちりばめられた曲。
美しく、楽しかったです。

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2017年2月19日 (日)

東京二期会「トスカ」(2017/02/19)

2017年2月19日(日)14:00
東京文化会館

東京二期会オペラ劇場
プッチーニ:トスカ

(ローマ歌劇場との提携公演)

カヴァラドッシは「第3幕にパワーを取っておいたのかな?」とも思いましたが(あのアリアがあるから仕方ないですかね?)終わりよければ全て良しで、めでたし、めでたし。
銃殺の後、終結までの、ピットの都響の鳴らす音が、ぞくぞくするほど劇的!
ここに至るまでいろいろありましたが、最後が良かったので全て許す!(偉そうにすみません)と言いたくなるほど、最後は大喜びで拍手をしてしまいました。

第1幕は、まず、ピットの都響の抜群の安定感に感心しました。
おそらく指揮に着実に反応しているのでしょう。
ただ、「安定し過ぎ」「もっと劇的にがなりたてても」とも思いました。
歌手はトスカが「劇的」を体現する好演ですが、カヴァラドッシが、頑張ってはいるものの「トスカの方が微妙に一枚上手」に聴こえてしまう場面も。
スカルピアも、凄みや恐さをあまり感じないような…。
むしろ最後の合唱の方が、これから起こることの予感、雰囲気を醸し出していたような…。
正直、第1幕は「あれ?こんなもん?」という思いもありました。

それが、第2幕からエンジンが暖まってきた印象。
トスカの劇的な歌唱は相変わらず素晴らしい。
きれいにまとめようとせず、時には絶叫調になるのも恐れず?
ピットの都響も、第1幕に比べて咆哮する場面が増えて好印象。
もちろん、マエストロが導いた高揚でしょうけど…。

トスカが優位(と言うより、最上位)の印象が強くて、カヴァラドッシもスカルピアも、相当に頑張っているとは思いましたが、相対的に割りを食っている印象を抱いたのは贅沢過ぎるでしょうか?
オペラだって、劇ですから、オペラ歌手は役者の側面も必要だと思うんですよね。
その“役者の側面”を、声で表現していたのがトスカ役の大村さんだったと思います。

第3幕でのカヴァラドッシのアリアは気合い十分。
こちらはトスカの大村さんとは少し違って、きれいにまとめた感もありましたが、迫力に欠けるわけでも感情がこもっていなかったわけでもありません。
この方向の歌唱としては、私は文句なし。
このアリアが終わって吹っ切れたのか、その後のトスカとの掛け合いは対等の印象。
一気呵成にエンディングまで突っ走りました。

演出は、まあオーソドックス路線で、絶賛もネガティヴ反応もできませんが、あえて良いところを言えば、提携先のローマ歌劇場の構造も影響しているかもしれませんが、高層階のサイドの席で観ても、そこそこ「観れた」ことでしょうか。
(レンタルプロダクションなどで、「東京文化会館に合っていない」と感じることは結構あるのです。)
あと、最後の最後のトスカの歌唱を、高くない位置で歌わせたのは好感。
よくある“奥まった場所の高い所”で歌うと、音響的にかなりのハンディなのです。
私のような安い席(高層階のサイド)に座ると、非常に声の伝わってくる量が、かなり弱くなります。
この日の歌唱では、そこそこ音がとどいてきた。
(それでも、奥まった位置で歌唱なので、それなりに…。)

舞台装置は…??
第2幕で「壁に描いたような平板な…」と思っていた窓が開いて、あ、本物だったんだ、絵じゃないんだ、動くんだ…と思ったりして。
暴言すみません。

都響、第1幕は安定走行の感もありましたけど、第2幕以降は、これぞドラマティック!のボリュームアップ、スピードアップで素晴らしかったと思います。
ただ、個人的な好みとしては、都響にはR.シュトラウスのオペラ(特に、ばらの騎士)があっているようにも思うのです。
定期演奏会でR.シュトラウスの曲を聴くたびにそう思いますし、この日にプッチーニのオペラを聴いても、そう思いました。

そうそう、マエストロ・ルスティオーニをあまりほめていませんが、この上演を尻上がりの高揚に導いたのは、当然、マエストロです。

定番中の定番演目なので、ついつい期待値が高くなってしまい、斜に構えて鑑賞してすみませんでした。
最後は大喜びで拍手をしましたので、お許し下さい。
実は私は、大昔にレーザーディスク(←歳がばれますが)で観たドミンゴ様のカヴァラドッシ(シノーポリ指揮のメトロポリタン歌劇場のライヴ)の呪縛からいまだに逃れられてはいないのです…。

スタッフ
指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
演出:アレッサンドロ・タレヴィ
舞台美術:アドルフ・ホーエンシュタイン
照明:ヴィニチオ・ケリ
合唱指揮:佐藤宏
舞台監督:佐藤公紀
公演監督:大野徹也

キャスト
配役 2月15日(水)/18日(土) 2月16日(木)/19日(日)
トスカ:大村博美
カヴァラドッシ:城宏憲
スカルピア:今井俊輔
アンジェロッティ:山口邦明
堂守:峰茂樹
スポレッタ:高梨英次郎
シャルローネ:高橋祐樹
看守:大井哲也

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団

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2017年2月18日 (土)

飯守泰次郎/神奈川フィル(2017/02/18)

2017年2月18日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:飯守泰次郎
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(定期演奏会みなとみらいシリーズ第327回)

ベートーヴェン:交響曲第8番
シューベルト:交響曲第8番「グレート」

この日の私は結構疲労がたまっている体調だったのですが、森林浴ならぬ“飯守浴”で、元気を回復した体感。

後半のシューベルトが、これでもか、これでもかと繰り出す飯守パンチ。
シューベルトはワーグナーじゃない。
ブルックナーでもない。
ああ、それなのに、それなのに、飯守さんの振るシューベルトは「飯守さんのシューベルト」になってしまうという…。
波状攻撃、連射、強打、快感、快感です。

この日の飯守さん、指揮をしながら声を出し、うなり声を上げ、気合い十分。
ここまでやられたら、長大な曲なのに全く飽きません。
次は何が出てくるか?とワクワク。
繰り返しに入るたびに「やった!儲かった!」と嬉しくなります(品が無くてすみません)。
永遠に終わらないでほしいくらいですので、3回も4回も繰り返していただいても構わなかったほど。
その長大さは、天国的と言うよりは、「雷鳴と電光」の連続のような、田園交響曲の第4楽章ばっかりのような。

かように強打の連射が強く印象に残るものの、旋律の美しさも比類がありません。
ただ単に美しいだけでなく、音に力がある美しさ、気合いの入った美しさ。
木管首席、中でもオーボエとクラリネットのソロは陶酔の境地と言いたいほど。
弦楽器群に旋律が移ってもまたまた比類のない美しさ。

最後はティンパニを、ここまで叩かせていいんですかい?というくらいに強打して終結。
唖然とした瞬間に終わってしまいました。
(私、半分ついて行けなかったかも。)

この最後のティンパニ強打は前半のベートーヴェンでも同様。
最後の最後は畳み掛けるぶっ叩きで爽快。
しかし、それ以外の箇所は、意外とスッキリ爽快系の音で縦の線も揃っていて(失礼!)、飯守さんの重低音を予想していた私はちょっとびっくり。
後半を聴いた後で思い起こすと、後半にパワーを取っておいたのかな?という感もありますが、それは相対比較でのこと。
前座などではない、十分に立派な演奏でした。

それにしても、神奈川フィルの皆さん、飯守さんの棒に慣れているとは言えないのに、振り回すような指揮にもびくともせずに追従します。
お見事!と言って良い熱演でした。

ロビーコンサート
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」~第2楽章。

第1ヴァイオリン:﨑谷直人、合田知子、澁谷貴子、森園ゆり
第2ヴァイオリン:久米浩介、大町滋、山下佳子
ヴィオラ:高野香子、劉京陽
チェロ:門脇大樹、迫本章子

弦楽合奏での演奏。
緩徐楽章とは言え、機動力が後退した感はあります。
その分、音の厚みが増す印象(当たり前ですが…)。
「機動力と厚みを両立するには指揮者が必要なのかな??」と思ったり…。

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2017年2月12日 (日)

パーヴォ・ヤルヴィ/N響(2017/02/12)

2017年2月12日(日)15:00
NHKホール

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
NHK交響楽団

(第1856回定期公演Aプログラム)
アコーディオン:クセニア・シドロヴァ

ペルト:シルエット ― ギュスターヴ・エッフェルへのオマージュ(2009)
トゥール:アコーディオンと管弦楽のための「プロフェシー」(2007)
エルネスト…レクオーナ:マラゲーニャ(アンコール)
シベリウス:交響曲第2番

凄いもん、聴きました。
シベリウスです。
このコンビの本当の力を、もしかしたら私は理解せずに今まで聴いていたのか。
個々の音、あるいはパーツの音楽的自己主張はめちゃくちゃ強い。
それらがひとつの方向を向いて結集する様は凄まじい。
個々の音それぞれが、はっとするような表情、それも強い意志を込めた表情を光らせていますが、例えば木管ソロのその素晴らしい音の背後でさざめく弦楽器群すら、伴奏などではない対等の気合いで寄り添う。

もう、胸がいっぱい。
いや、唖然として口を開けそうになりました。

前半も素晴らしい。

ペルトは、例によってヒーリング音楽のような…と思ったらそれは最初だけで、鋭利な切れ味の音をを織りなす場面も出てきてちょっと意外。
このシャープな音像と溶け合った音像が交錯しました。

トゥールの作品は、これがアコーディオンの音ですか!という驚き。
あれ?まるで雅楽のような(笙のような)音が?と感じた出だし。
しかしそんな単純なものではありませんでした。
めくるめく…と言いたいくらいの多彩な音色を駆使。
スピーカを置いて増幅していましたが、少なくとも1階席で聴いた印象では不自然な音像はなく、楽器から響いてくるように聞こえました。
こちらも快感。

シベリウス終演後の会場は沸きに沸きました。
いつものことですが、カーテンコールでN響メンバー(一部、ただし複数)が「へ?そんなに良かったですかい?」あるいは「あんたら、わかって拍手してるんかい?」というような表情をしなければなお良いのですが…(すみません)。

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2017年2月11日 (土)

下野竜也/群響(2017/02/11)

2017年02月11日(土)18:45
群馬音楽センター

指揮:下野竜也
群馬交響楽団

(第525回定期演奏会)
ピアノ:清水和音

ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」
ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第6番

まず、決してポピュラーとは言えない序曲と協奏曲の前半で、会場が沸きに沸きました。「珍しい曲をとりあえず音にしてみました」などという通り一遍の演奏ではなく、定期クォリティの渾身の力演。
下野さんも群響も和音さんも素晴らしい。
下野さんとオケは、炸裂する場面が凄いだけではなく、魅惑的な歌い回しもうまいのなんの。
清水和音さんも、完全に手の内に入った曲を弾きながら、オケの音の鳴る様子を楽しんでいたかもしれません。

そして後半は、「下野竜也、ドヴォルザーク、交響曲第6番」と並べて書いただけで、下野さんの名刺代わりの曲、下野さんの勝負曲、ワクワク。

「下野さんの勝負曲だから素晴らしいのは当然だよ」などという斜に構えた聴き方などできない素晴らしさ。
どこがどうと形容できないほど多彩な音色やアクセントを駆使し、散りばめ、「どうです皆さん、素晴らしい曲でしょう」と言わんばかり。
いや、それを言葉で言わずに音で示して“見せた”のは素晴らし過ぎる。

どこを切り取っても、惰性で流した箇所など一切ありません。
鋭いアクセントを加えたかと思えば、即座にふわっとした絶妙の芳香に切り替わり…と変幻自在。
民俗的な側面よりは、色彩感すら感じる普遍的(?)に昇華した演奏。
体験出来て幸せ…と言いたいくらい。

私ガ群馬音楽センターで群響を聴くのは確か、たったの5回目ですが、そのうち4回はほぼ同じ位置で聴いたので申し上げますと、このホールの超デッドな音響が、こんなに気にならなかったのは初めてです。
下野さん、もしかして、この超デッドなホールで、どう鳴らせば(弾けば、吹けば)オケの音の一つ一つが客席で際立つかを、計算して指示したのでは?とすら思ったくらい、綺麗に聴こえた群響の音でした。
下野さんが本当にそうしたのかどうかは、門外漢には真相不明ですが…。

ドヴォルザークの交響曲第6番が下野さんの勝負曲とは言え、私が下野さんのこの曲を生で聴くのは、おそらく下野さんの東響定期にデビューした頃(2002年に続いて、2003年に振ったとき)以来だったかもしれません。
読響での全曲のときは聴けなかったですし、N響はFM生中継で聴いたのみ。
ちなみに東響定期は駆け出しの頃の下野さんで、今では考えられないくらい、空回り多発でした。
あれから14年。
下野さんが積み重ねた日々の重みを感じた幸せな演奏会でした。

終演後、高崎駅の新幹線ホームで、酒など飲んでいないのに、ほろ酔い気分でした。

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小林研一郎/読響(2017/02/11)

2017年2月11日(土・祝)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:小林研一郎
読売日本交響楽団

(第93回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
チェロ:宮田大

ドビュッシー:小組曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~前奏曲
(アンコール)
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

コバケンは私は「是々非々」の聴き手で、打率があり、ホームランもあれば三振もダブルプレーもある印象(上から目線ですみません)。
それでも、当たった時の満足度は非常に高い。
この日は、第一打席が凡退、第二打席がシングルヒット(ただしタイムリーヒット)、第三打席が3塁打くらいだったような(上から目線ですみません)。

1曲目の小組曲は、弦が極上の柔らかい音を鳴らしているのに、それに絡む管楽器の音がいまひとつ洗練されていない印象。
もちろん、天下の在京オケの主催公演ですから「欲を言えば」のレベルではあるにせよ、本当はさらに洗練させることが出来るのでは?という思いは払拭できませんでした。

続く協奏曲では、宮田さんの独奏の音でオケが目を覚ましたような…。
宮田さん、座って音を出しただけでみなぎるエネルギーを感じます。
もちろん、鍛錬の賜物なのでしょうが、年齢的にも、気力と体力の両方でいま一番良い年代かも…と思わせるくらい、オーラすら感じる独奏でした。
オケの音の溶け合いは1曲目に比べて格段に向上したように感じました。
やれば出来るじゃん…って、天下の読響に対してすみません。

宮田さんのアンコールも気合いの載った、なめらかでパワフルな秀演。
ソリストの周囲が異空間になったような、あるいはスポットライトがあたっているような印象すらありました。

休憩後の交響曲は言わずもがな。
良いときのコバケンの成分含有率90%といったところ(ほめているつもり)。
みなとみらいのオルガンの音の美しさは随一で、パワフルに鳴らしても音が濁らないだけでなく、しっとりと鳴らすところ(第1楽章など)の美しさは筆舌に尽くしがたし。
(この曲をみなとみらいで聴くと、毎回、同じような感想になりますが…。)
読響も気合いの入ったパワフルな音、そして艶やかで美しい音で、炸裂し、歌い、…。

…と言うわけで、最後は非常に後味の良い演奏会となりました。

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2017年2月 5日 (日)

藤原歌劇団「カルメン」(2017/02/05)

2017年2月5日(日)14:00
東京文化会館

藤原歌劇団
ビゼー:カルメン

始まる前は、山田和樹さんが初のオペラの指揮、日フィルがヒットに入るのも久しぶり…と、かなりの不安要素がありましたが、その心配は吹き飛びました。
さすがはヤマカズ。
小澤さんがもう(長い)オペラ(全曲)を振るのは絶望的な今、もしかしたら、将来、小澤さんみたいな方向の音作りのオペラを振ってくれるかもしれないマエストロ・ヤマカズに期待大!!!

日フィルも3日目だし、舞台も3日目、この組で2日目だから…ということもあったのかもしれませんが、なかなか聴きごたえ…だけでなく、動作などの見応えもあって、第1幕から好印象。
マエストロ・ヤマカズも、熟達のオペラ指揮者とは雰囲気が違いますが、フランス系っぽい音色が冴える。
オーケストラも、独唱も、合唱も対等に扱い、総合的な音響を構築。

主役歌手陣はもちろん良いですが、バックの合唱が、歌はもちろん、激しい動きをこなして好感。
昨今の「合唱は演技もこなさないといけないから昔と違って大変」を体現するような舞台。
正攻法の演出ですが、動作が細部まで作り込まれています。
合唱のメンバーが入り乱れて舞台狭しと動き回る。
オーソドックスな演出も、これだけ動きのある舞台だと全く飽きません。
喧嘩のシーンなども、見事です。
最後の、赤と白と黒の色彩感も印象的。
私の席は上層階のサイドだったので赤い月はほとんど見えませんでしたが、それでも十分に楽しめました。

ピットの日フィルも、「超」のつく好演。
日フィル定期の1日目(金曜日)で「素晴らしいけど、明日はさらに良くなりそう」と感じることが結構ありますが、今日は3日目なのでそういう印象は皆無。
…と、ほめてるんだか、けなしてるんだか、よくわかりませんが、一応、絶賛しているつもりです。

(ただ、あまり気にしたこともなかったですが、開演前の場内アナウンスの時にピットのオケが音を出すのをやめて待つのって、新国立だけでしたっけ?
この日の日フィルは、場内アナウンス中もめいっぱい音を出していましたし、その後なかなかチューニングを始めないなと思っていたら、まだ全員揃っていなかったり…。
まあ、それはともかく…。)

終幕は、ホセが強烈なエネルギーの放射で圧倒的でしたが、ちょっと余力を残して歌っていたかのようなカルメンが、最後に負けじと張り合った感もあり、聴きごたえ十分。
マエストロ・ヤマカズの、ピットと歌手と合唱を総合的にまとめあげた手腕も素晴らしい。

私の席は奥まった場所だったので、休憩時間も早々に席に着いたので幕間のロビーの様子は見ていませんが、さぞかしハイテンションだったのでは?と想像しました。
休憩終了後の客席は、オケがチューニングを開始しても、話し声がホール中にわんわん響いていたほどです。
終演後のロビーもハイテンションでした。

それにしても、カルメンは予習せずに気軽に行けて、周知の旋律が満載だから、敷居が低くて嬉しいですね。
その分、感想が辛口になりがちですけど、この日の感想は辛口ではありませんでした。

総監督:折江忠道
指揮:山田和樹
演出:岩田達宗

カルメン:ミリヤーナ ニコリッチ
ドン・ホセ:笛田博昭
エスカミーリョ:須藤慎吾
ミカエラ:小林沙羅
ズニガ:伊藤貴之
モラレス:押川浩士
フラスキータ:平野雅世
メルセデス:米谷朋子
ダンカイロ:安東玄人
レメンダード:狩野武

合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:東京少年少女合唱隊
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

合唱指揮:須藤桂司
美術:増田寿子
衣裳:半田悦子
照明:大島祐夫
舞台監督:菅原多敢弘
副指揮:安部克彦、水戸博之、丸山貴大
演出助手:喜田健司
児童合唱指揮:長谷川久恵

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2017年2月 4日 (土)

フェドセーエフ/N響(2017/02/04)

2017年2月4日(土)15:30
Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
NHK交響楽団

(オーチャード定期第92回)
男性合唱:東京混声合唱団
児童合唱:いわき市立高坂小学校合唱部・いわき市立平第三小学校合唱部

ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ編):交響詩「はげ山の一夜」
ハチャトゥリヤン:組曲「仮面舞踏会」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー:序曲「1812年」
チャイコフスキー:組曲第4番「モーツァルティアーナ」~第3曲「祈り」
(アンコール)


後半勝負、特に「1812年」が圧倒的完成度だった感もありますが、それは96点、98点、99点の域での話し。
さすがにN響はうまい。
NHKホールでの定期公演と同じ完成度に達していたかどうかはともかく…。

フェドセーエフさんは、最初に聴いた時(20世紀でした)が爆演調の荒っぽい演奏で嫌になり、長いこと敬遠していた指揮者です。
それが2011年に東フィル定期で聴いて、あまりの変わりように驚きました。
かつての爆演指揮者は、今や上品な紳士、この日もそうでした。
それでも、かつての片鱗をかすかに内包する演奏。
ふわっと香しい音の中に宿る強い意思。
強い音ながら、柔和な表情の外皮をまとう。
ただ、前半は興奮と言うよりは、味わい深さの体感でした。
「はげ山の一夜」と「仮面舞踏会」にも関わらず…。

休憩後の幻想序曲「ロメオとジュリエット」の音を聴いて、ああ、後半の方に(リハーサルの?)重点が…と感じました。
音の練り上がりが僅かに向上。
最初に書いたように、物理的には96点が98点になった程度の差です。
それでも、この僅かな差が、聴感上はそれなりに大きく感じられます。
演奏会の前座ではなく、後半に演奏されたこの曲、この演奏。
フェドセーエフさんだから当たり前ですが、得がたい体験の部類に入りそうな充実度でした。

そして極めつけは「1812年」、合唱付き。
まずは東混の無伴奏で始まりますが、さしがはプロ、フェドセーエフさんの棒に見事に反応。
オケが出てくると、音の洗練度がこれまでにも増して磨き上げられ、パワーを上げても音が伸びる。
児童合唱も清らかで透明感のある声で完成度高し。
ちょっと目がウルウルしたくらいです。

オーチャードホールの音響のせいか、最後の方で、オケと合唱がフルに鳴ると、ちょっと音が混濁し、後方に配置された合唱の声が届いてこないもどかしさを感じた場面もありましたが、これはどう考えても、ホールの音響(と私の席の位置)のせいでしょう。

この演奏が聴けたことは幸せ。
格調高く、スケールの大きい「1812年」でした。

アンコールは、「聴いたことあるような気がするけど、曲名は思い出せない」状態で、美しさに身を委ねました。
何も、この演奏の後にアンコールをやらなくても…と一瞬思いましたが、聴けば聴いたで、その美しさにまた目がウルウルして終演。

爆演指揮者だった20世紀のフェドセーエフさんは、もう居ません。
居るのは格調高い演奏をする指揮者に変身した21世紀のフェドセーエフさん。
アンチ・フェドセーエフだった20世紀の私も、21世紀は支持者に変わりました。

ロビーコンサート

トリオ・サンクァンシュ
 Ob:池田昭子
 Cl:松本健司
 Fg:菅原恵子

プーランク:愛の小径
サティ:ジュ・トゥ・ヴ
オーリック:三重奏曲よ~第3楽章

さすがN響メンバー、上手い!と思いましたが、単にテクニックだけのことではありません。
輪郭のくっきり感と、音色のやわらかさの絶妙のバランスが心地良い開演前のひととき。ただし、ロビーはかなりの人で雑踏のよう。
ただ、壁面や天井の形状の面で、音響的には良い場所だったように思います。

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