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2017年2月 4日 (土)

フェドセーエフ/N響(2017/02/04)

2017年2月4日(土)15:30
Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
NHK交響楽団

(オーチャード定期第92回)
男性合唱:東京混声合唱団
児童合唱:いわき市立高坂小学校合唱部・いわき市立平第三小学校合唱部

ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ編):交響詩「はげ山の一夜」
ハチャトゥリヤン:組曲「仮面舞踏会」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー:序曲「1812年」
チャイコフスキー:組曲第4番「モーツァルティアーナ」~第3曲「祈り」
(アンコール)


後半勝負、特に「1812年」が圧倒的完成度だった感もありますが、それは96点、98点、99点の域での話し。
さすがにN響はうまい。
NHKホールでの定期公演と同じ完成度に達していたかどうかはともかく…。

フェドセーエフさんは、最初に聴いた時(20世紀でした)が爆演調の荒っぽい演奏で嫌になり、長いこと敬遠していた指揮者です。
それが2011年に東フィル定期で聴いて、あまりの変わりように驚きました。
かつての爆演指揮者は、今や上品な紳士、この日もそうでした。
それでも、かつての片鱗をかすかに内包する演奏。
ふわっと香しい音の中に宿る強い意思。
強い音ながら、柔和な表情の外皮をまとう。
ただ、前半は興奮と言うよりは、味わい深さの体感でした。
「はげ山の一夜」と「仮面舞踏会」にも関わらず…。

休憩後の幻想序曲「ロメオとジュリエット」の音を聴いて、ああ、後半の方に(リハーサルの?)重点が…と感じました。
音の練り上がりが僅かに向上。
最初に書いたように、物理的には96点が98点になった程度の差です。
それでも、この僅かな差が、聴感上はそれなりに大きく感じられます。
演奏会の前座ではなく、後半に演奏されたこの曲、この演奏。
フェドセーエフさんだから当たり前ですが、得がたい体験の部類に入りそうな充実度でした。

そして極めつけは「1812年」、合唱付き。
まずは東混の無伴奏で始まりますが、さしがはプロ、フェドセーエフさんの棒に見事に反応。
オケが出てくると、音の洗練度がこれまでにも増して磨き上げられ、パワーを上げても音が伸びる。
児童合唱も清らかで透明感のある声で完成度高し。
ちょっと目がウルウルしたくらいです。

オーチャードホールの音響のせいか、最後の方で、オケと合唱がフルに鳴ると、ちょっと音が混濁し、後方に配置された合唱の声が届いてこないもどかしさを感じた場面もありましたが、これはどう考えても、ホールの音響(と私の席の位置)のせいでしょう。

この演奏が聴けたことは幸せ。
格調高く、スケールの大きい「1812年」でした。

アンコールは、「聴いたことあるような気がするけど、曲名は思い出せない」状態で、美しさに身を委ねました。
何も、この演奏の後にアンコールをやらなくても…と一瞬思いましたが、聴けば聴いたで、その美しさにまた目がウルウルして終演。

爆演指揮者だった20世紀のフェドセーエフさんは、もう居ません。
居るのは格調高い演奏をする指揮者に変身した21世紀のフェドセーエフさん。
アンチ・フェドセーエフだった20世紀の私も、21世紀は支持者に変わりました。

ロビーコンサート

トリオ・サンクァンシュ
 Ob:池田昭子
 Cl:松本健司
 Fg:菅原恵子

プーランク:愛の小径
サティ:ジュ・トゥ・ヴ
オーリック:三重奏曲よ~第3楽章

さすがN響メンバー、上手い!と思いましたが、単にテクニックだけのことではありません。
輪郭のくっきり感と、音色のやわらかさの絶妙のバランスが心地良い開演前のひととき。ただし、ロビーはかなりの人で雑踏のよう。
ただ、壁面や天井の形状の面で、音響的には良い場所だったように思います。

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