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2017年4月22日 (土)

沼尻竜典/東響(2017/04/22)

2017年4月22日(土)18:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:沼尻竜典
東京交響楽団

(第649回定期演奏会)
チェロ:堤剛
合唱:東響コーラス
合唱指揮:大谷研二

グバイドゥーリナ:アッシジの聖フランチェスコによる「太陽の讃歌」~チェロ、室内合唱団と打楽器のための(日本初演)
ホルスト:組曲「惑星」

有名曲なので「あ、惑星ね」と気にもとめていませんでしたが、前半を聴いた後で後半を聴くと、あ、これは神秘性のプログラムだったんだ!と気がつきました。
太陽と惑星…でもありますが…。

前半のグバイドゥーリナの作品は、打楽器奏者が5人(だったかな?)だけ。
コーラスがその後方に楕円形の半円に並び、あとは指揮者とチェロ独奏だけ。
オーケストラの定期演奏会とは思えない編成ですが、曲が始まると、すぐにそんなことは感じなくなりました。
合唱が織りなすハーモニーは神秘的。
「神秘的」という言葉以外の言葉が思い浮かばず申しわけありませんが、とにかく神秘的。

堤さんの入魂の独奏は、突出せず、調和の中にありながら、常に曲の核となる中心にあります。
チェロ独奏は、途中、チェロを置いて、打楽器を叩いたり、こすったり、こすって音を出しながら合唱の前を歩く。
合唱の前でこする音を出すと、それに呼応して合唱のトーンが変わる。
プログラム冊子によれば、このチェロ奏者のパフォーマンスは、すべて楽譜に指示されているとのこと。
わが国のチェロの大御所の堤さんが、こんなパフォーマンスをやる光景は(事前には笑っちゃうかも…と思いましたが、笑っちゃうどころか)、真剣勝負に、もう、固唾をのんで見守り、受け止めさせていただきました。

この曲、Naxos Music Libraryに音源がありました。
沼尻さん、ロストロポーヴィチさんと録音しているのですね。
その音源で予習したのですが、スピーカでストリーム音源を聴くと「なにこれ?ヒーリング音楽?これが延々と続くのか?」と思いました。
実演は大違い。
打楽器奏者が、ガラスのグラス?をこすってあんな音を出してるなんて…。

いやー、得がたい体験をさせていただきました。

そして、ロストロポーヴィチさんがいたおかげでチェロのための作品が増えたという事実は知ってはいたが、今日もこの曲で、それを実感しました。

後半は大編成のオケが揃い、新シーズンの幕開け。

最初の「火星」は、ところどころ、かみ合わないところが散見されたような気がしました。
2曲目以降はさほどでもありませんでしたが、それでも、あうんの呼吸とまで至らず、ところどころオケの一部が遅れたりということはあったようです。
でも、それは細部のこと、些細なこと。
沼尻さんが東響から引き出した音は、これまでに他のオケで聴いた沼尻さんの印象+ふだん聴いている東響の音が相乗効果で、これまでの東響定期ではあまり聴いたことがないような均質的、かつ豪快、かつ艶やかな音…となりました。
東響定期で沼尻さんを聴くのは、私は初めてだと思いますが、以前にも(名曲全集とかで)客演されたことはありましたっけ?
確かに沼尻さんはこういう音響を作り出す方ですよね~と思いながら、また呼んでいただきたいな~と思いました。

「惑星」での合唱は、私の席(2階席舞台右側)からは全く見えませんでしたが、舞台右横の扉の外で歌われたのかな?

音による神秘体験に浄化されたような演奏会でした。

蛇足ですが、プログラム冊子を見て、東響コーラス、前半と後半ではメンバーが分かれているのか、当たり前だよね…と思いましたが、よく見たら両方にお名前が載っている方もいらっしゃる。
前半のあれ(あの凄い曲)を歌った後に後半も歌うとは、さすがは超働き者オケの東響の附属コーラスですね。

20170422

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