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2017年5月20日 (土)

ノット/東響(2017/05/21)

2017年05月20日(土)18:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第650回定期演奏会)
ピアノ:小曽根真

モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番
E.レクオーナ:スペイン組曲「アンダルシア」~第4曲「ヒタネリアス」
(アンコール)
ブルックナー:交響曲第5番

桜木町から川崎まで直通で約15分。
余裕の移動です。

音楽堂の残響少なめで分解能が高いホールからミューザに来ると、分解のが高いはずのミューザの音がマイルドに聞こえますが、それはさておき…。

…いや、そのせいかもしれませんが、1曲目のモーツァルトは、ノット監督は、えぐったり、しゃくったり、色々やってますけど(目には見えます)最終的な聴感としてはマイルドな美しい調和に聴こえました。
音楽堂→ミューザのハシゴのせいか、私の席の音響のせいか…。
しかし、それはそれは美しかったです。
表面的でもなく、浅くもなく…。
小曽根さんは、さほど変わったことはやっていないように聞こえましたが、もしかしたらオケと同じで、いろいろやっていても、最終的には調和の中に…かもしれません。

休憩時間には、ステージ上でマイクの入念なセッティング。
その上、場内アナウンスで「フライングブラボー、フライング拍手に十分ご注意下さい」。
客席に若干の失笑と、やや強めの緊張感が漂ったような気が??
それもそのはず、多くの人は、8番のときのフライング・ブラボーを覚えていることでしょう。

その非常に静かな(音を立てたら会場中から怒られます)集中力の充満するミューザの空間。
2000人近い人がいるとは思えない静寂の中、鳴り響いた音は…。

静と動。
第2楽章までの枯淡の境地(言い過ぎ?)から、第3楽章でスイッチが入り、気迫がほとばしる。
それでも、終始、格調高い音色が持続したのは驚嘆。
この日鳴った音を何と形容すれば良いのやら。
ヨーロッパの教会のオルガンの響き…などという単純なものではありません。
全くうるさくないブルックナー。
ごく一部を除いて、咆哮する印象は皆無。
上質の手触りと言うか、徹底的に磨いた上につや消し加工を施したと言うか。東響からこういう音って、昔から出ていましたっけ?
ヨーロッパの音の香りをノット監督が運んできたような…。
この形容しがたい美音が鳴っただけでも、めでたし、めでたし。

木管や金管のソロの音の出が時々ずれたり、もしも昨年定年で退団された奥田さんだったら、ティンパニの音は違っただろうなーという思いも少々あったりもしましたが、基本的に私は全面的に肯定する演奏でした。

幸い、フライングブラボーはなくて、残響が消え、ノット監督が手のひらを返して、「はい、拍手していいですよ」みたいな仕草をしたとたん、大拍手と大歓声。
ノット監督のソロカーテンコールあり。
客席の集中力も含めて、後味も良い演奏会でした。

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コメント

急用で空席を作ってしまいました。ノットさんのブルックナーは真正面から対峙していて良いですよね。聴けずに残念です。
その前日、ロジェベン=読響の5番は、驚くべき代物でした。第1・2楽章は恐ろしく遅く、弱音部はショスタコのような緊張感を強いられ、カタルシスなんて皆無(それはそれで新鮮)。最後のコラールは金管の咆哮、ティンパニーの炸裂と、シャルク版の威力爆発で、思わず苦笑いを禁じ得ず。クナのCDで何度も聞いていたとはいえ、ただただびっくりです。

投稿: 黒猫 | 2017年5月24日 (水) 21時35分

黒猫様

私は逆に、風邪の病後の自粛で、前日の読響に空席を作ってしまいました。
無理すれば行けないことはなかったので、後で伺って、非常に残念に思いました。
まあ、静かなところで咳でもしたら…と思えば、仕方ありません。
演奏会は一期一会ですね。
この日の東響も、もしかしたら翌日の演奏は変わるかも?と思う箇所もありましたが、そちらは体験できませんでした。

投稿: 稲毛j海岸 | 2017年5月24日 (水) 21時50分

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