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2017年5月26日 (金)

インキネン/日フィル「ラインの黄金」(2017/05/26)

2017年5月26日(金)19:00
東京文化会館

指揮:ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団

(第690回東京定期演奏会)

ワーグナー:ラインの黄金(演奏会形式)

日フィルの歴史に残る上演かもしれません。

開演前のロビーで、古参の定期会員と思われる方々が「2時間半、休憩無しって、異常だろっ」「あらすじ読んだけど、人間関係が複雑でわかんねぇよ」。(私も半分以上同意します。)
しかし、終わってみれば、会場は大喝采の大盛り上がり。
異様に長い2時間半を弛緩せずに音符で埋めたワーグナーは素晴らしい、それを、演奏も弛緩せずに上演した面々も素晴らしい…ということでしょう。

そう言う私も、開演前は「日フィルの持久力が持つかなぁ」と心配したことをここにお詫び申し上げます。
最後まで持ちました。
素晴らしい!
これはもう「シェフが定期演奏会で振るとこうなるなんだよ!どうだ!」というレベルです。
でめでたし、めでたし。
もちろん、歌手も、よくぞこの面々を呼んできた、予算はどうしたんですか?という事務局の腕の見せ所。
病気降板の代役のお二人も素晴らしい。
特に、ローゲの青山さん、声の表情、演技、顔の表情、全て素晴らしい。

ラインの乙女3人が「この方々ですか!」と強力すぎてぶっ飛びました。
冒頭で、三重唱で、いきなり一瞬、クライマックスが来てしまったような。

そんなに「リング」の鑑賞回数が多くない私にとって、ヴォータンというと初台でのラジライネンさんだったりするので、今日も違和感なく…。

オケの音は、スッキリ系でも重厚系でもない中庸かもしれません。
私の席が5階席だったせいかもしれませんが、以前、インキネンさんで聴いたシベリウスでの二律背反ならぬ“多律背反”の印象はあまりなく、割と主旋律を際立たせている聴感でしたが、オケの音に表情付けはかなり施されていて、これはこれで魅惑的なインキネン・サウンドです。
(まあ、ワーグナーで“多律背反”をやったら、聴いている方も混乱するかもしれませんが…。)

プロジェクションマッピングではない単なる照明(失礼!)でしたが、その色彩の変化の効果はかなり効果的でした。
衣装は演出が入っていたのかどうか私にはわかりませんでしたが、おそらく、演奏会形式レベルの(動き回るスペースの少なさに見合った)演技がつけられていたのでしょう。
ヴォータンは、片目は隠していても、槍は持たず…。

ともあれ、よくぞ定期演奏会(←これは重要です、オケの力の入り具合が違います)でこれをやってくれました。
P席会員券の安い値段で聴いて申し訳なくなる上演でした。

キャスト
ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
フリッカ:リリ・パーシキヴィ
ローゲ:ウィル・ハルトマン→西村悟
アルベリヒ:ワーウィック・ファイフェ
フライア:安藤赴美子
ドンナー:畠山 茂
フロー:片寄純也
エルダ:池田香織
ヴォークリンデ:林 正子
ヴェルクンデ:平井香織
フロスヒルデ:清水華澄
ミーメ:高橋 淳→与儀巧
ファーゾルト:斉木健詞
ファフナー:山下浩司

演出:佐藤美晴
照明:望月太介(A.S.G)
衣装スタイリング:臼井梨恵

20170526

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