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2017年5月の10件の記事

2017年5月27日 (土)

尾高忠明/読響(2017/05/27)

2017年5月27日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:尾高忠明
読売日本交響楽団

(第96回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ハープ版)
ファリャ:「はかなき人生」~スペイン舞曲第1番
(アンコール)
ブラームス:交響曲第1番

冒頭の「トリプティーク」もブラームスも、贅肉のない筋肉質のサウンドでした。

「トリプティーク」では切れ痔も感じましたが、ブラームスでは、非の打ち所がない反面、もう少しサプライズがあっても…と思って聴いていました。
(尾高さんのエルガーやウォルトンの演奏では、それがあるのです。)
しかし、最後の最後に、往年の巨匠風のスケール感と畳み掛けが出現!
失礼いたしました。

ハープ盤のアランフェス協奏曲は、作曲者自身の編曲とのことです。
少なくともオーケストラが演奏するような空間においては、ギターのハンディから解放されたような印象があります。
(ギター奏者の皆様には申し訳ありません。でも、ギターだとPAを使いますよね。)
ただ、何事にも副作用はあるようで、原曲の持つ素朴感は少し失われたような気も。

メロディは聴き慣れた曲ですが、表情はかなり違います。
ショスタコーヴィチ編曲のシューマンのチェロ協奏曲のような、そこまで行かなくても、マーラー編曲のシューマンの交響曲のような(←なぜかシューマンばかり…)。
もちろん、“化粧が施された”感は、オケではなく、ソロ楽器の方ですが…。
パワーアップしたけど“微妙に違う感”があって、ちょっと面白い体験でした。

ソリスト・アンコールは、本編よりもさらに制約から解放されたような、自在なる快演でした。

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2017年5月26日 (金)

インキネン/日フィル「ラインの黄金」(2017/05/26)

2017年5月26日(金)19:00
東京文化会館

指揮:ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団

(第690回東京定期演奏会)

ワーグナー:ラインの黄金(演奏会形式)

日フィルの歴史に残る上演かもしれません。

開演前のロビーで、古参の定期会員と思われる方々が「2時間半、休憩無しって、異常だろっ」「あらすじ読んだけど、人間関係が複雑でわかんねぇよ」。(私も半分以上同意します。)
しかし、終わってみれば、会場は大喝采の大盛り上がり。
異様に長い2時間半を弛緩せずに音符で埋めたワーグナーは素晴らしい、それを、演奏も弛緩せずに上演した面々も素晴らしい…ということでしょう。

そう言う私も、開演前は「日フィルの持久力が持つかなぁ」と心配したことをここにお詫び申し上げます。
最後まで持ちました。
素晴らしい!
これはもう「シェフが定期演奏会で振るとこうなるなんだよ!どうだ!」というレベルです。
でめでたし、めでたし。
もちろん、歌手も、よくぞこの面々を呼んできた、予算はどうしたんですか?という事務局の腕の見せ所。
病気降板の代役のお二人も素晴らしい。
特に、ローゲの青山さん、声の表情、演技、顔の表情、全て素晴らしい。

ラインの乙女3人が「この方々ですか!」と強力すぎてぶっ飛びました。
冒頭で、三重唱で、いきなり一瞬、クライマックスが来てしまったような。

そんなに「リング」の鑑賞回数が多くない私にとって、ヴォータンというと初台でのラジライネンさんだったりするので、今日も違和感なく…。

オケの音は、スッキリ系でも重厚系でもない中庸かもしれません。
私の席が5階席だったせいかもしれませんが、以前、インキネンさんで聴いたシベリウスでの二律背反ならぬ“多律背反”の印象はあまりなく、割と主旋律を際立たせている聴感でしたが、オケの音に表情付けはかなり施されていて、これはこれで魅惑的なインキネン・サウンドです。
(まあ、ワーグナーで“多律背反”をやったら、聴いている方も混乱するかもしれませんが…。)

プロジェクションマッピングではない単なる照明(失礼!)でしたが、その色彩の変化の効果はかなり効果的でした。
衣装は演出が入っていたのかどうか私にはわかりませんでしたが、おそらく、演奏会形式レベルの(動き回るスペースの少なさに見合った)演技がつけられていたのでしょう。
ヴォータンは、片目は隠していても、槍は持たず…。

ともあれ、よくぞ定期演奏会(←これは重要です、オケの力の入り具合が違います)でこれをやってくれました。
P席会員券の安い値段で聴いて申し訳なくなる上演でした。

キャスト
ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
フリッカ:リリ・パーシキヴィ
ローゲ:ウィル・ハルトマン→西村悟
アルベリヒ:ワーウィック・ファイフェ
フライア:安藤赴美子
ドンナー:畠山 茂
フロー:片寄純也
エルダ:池田香織
ヴォークリンデ:林 正子
ヴェルクンデ:平井香織
フロスヒルデ:清水華澄
ミーメ:高橋 淳→与儀巧
ファーゾルト:斉木健詞
ファフナー:山下浩司

演出:佐藤美晴
照明:望月太介(A.S.G)
衣装スタイリング:臼井梨恵

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2017年5月20日 (土)

ノット/東響(2017/05/21)

2017年05月20日(土)18:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第650回定期演奏会)
ピアノ:小曽根真

モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番
E.レクオーナ:スペイン組曲「アンダルシア」~第4曲「ヒタネリアス」
(アンコール)
ブルックナー:交響曲第5番

桜木町から川崎まで直通で約15分。
余裕の移動です。

音楽堂の残響少なめで分解能が高いホールからミューザに来ると、分解のが高いはずのミューザの音がマイルドに聞こえますが、それはさておき…。

…いや、そのせいかもしれませんが、1曲目のモーツァルトは、ノット監督は、えぐったり、しゃくったり、色々やってますけど(目には見えます)最終的な聴感としてはマイルドな美しい調和に聴こえました。
音楽堂→ミューザのハシゴのせいか、私の席の音響のせいか…。
しかし、それはそれは美しかったです。
表面的でもなく、浅くもなく…。
小曽根さんは、さほど変わったことはやっていないように聞こえましたが、もしかしたらオケと同じで、いろいろやっていても、最終的には調和の中に…かもしれません。

休憩時間には、ステージ上でマイクの入念なセッティング。
その上、場内アナウンスで「フライングブラボー、フライング拍手に十分ご注意下さい」。
客席に若干の失笑と、やや強めの緊張感が漂ったような気が??
それもそのはず、多くの人は、8番のときのフライング・ブラボーを覚えていることでしょう。

その非常に静かな(音を立てたら会場中から怒られます)集中力の充満するミューザの空間。
2000人近い人がいるとは思えない静寂の中、鳴り響いた音は…。

静と動。
第2楽章までの枯淡の境地(言い過ぎ?)から、第3楽章でスイッチが入り、気迫がほとばしる。
それでも、終始、格調高い音色が持続したのは驚嘆。
この日鳴った音を何と形容すれば良いのやら。
ヨーロッパの教会のオルガンの響き…などという単純なものではありません。
全くうるさくないブルックナー。
ごく一部を除いて、咆哮する印象は皆無。
上質の手触りと言うか、徹底的に磨いた上につや消し加工を施したと言うか。東響からこういう音って、昔から出ていましたっけ?
ヨーロッパの音の香りをノット監督が運んできたような…。
この形容しがたい美音が鳴っただけでも、めでたし、めでたし。

木管や金管のソロの音の出が時々ずれたり、もしも昨年定年で退団された奥田さんだったら、ティンパニの音は違っただろうなーという思いも少々あったりもしましたが、基本的に私は全面的に肯定する演奏でした。

幸い、フライングブラボーはなくて、残響が消え、ノット監督が手のひらを返して、「はい、拍手していいですよ」みたいな仕草をしたとたん、大拍手と大歓声。
ノット監督のソロカーテンコールあり。
客席の集中力も含めて、後味も良い演奏会でした。

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神奈川フィル(2017/05/20)

2017年5月20日(土)15:00
神奈川県立音楽堂

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:﨑谷直人

(定期演奏会音楽堂シリーズ第11回)

モーツァルト:ディヴェルティメントK.138
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番

(ヴァイオリン独奏:﨑谷直人)
ハイドン:弦楽四重奏曲第1番「狩り」
(ヴァイオリン:﨑谷直人、直江智紗子、ヴィオラ:大島亮、チェロ:門脇大樹)
ハイドン:交響曲第55番「校長先生」
バッハ:マタイ受難曲~コラール
(アンコール)

実質的に、﨑谷コンマスの指揮と言って良いのでしょう。
非常にバラエティに富み、次々と予想を裏切られ、聴き応えのある演奏会となりました。

まず、1曲目のディヴェルティメントでは、ああ、確かにしっかりとしたアンサンブルだけど、何か踏み込みが足りない、やっぱり指揮者無しの限界なのかなぁ…と思いました。
ところが…。

続く協奏曲では、﨑谷コンマスは、部分的にオケと一緒に弾くときもありますが、大半の時間はソリスト。
一曲目でああなのだから、リードする﨑谷コンマスがいないと、どうなる?
ところが、なんと、バックのオケの演奏は、1曲目と比べものにならないほどアグレッシブ。
あれれ?指揮者無しの限界はどこへ行った?
やっぱり、オケって、「みんなで仲良く」よりも、仮想・対立軸(通常は指揮者、あるいは指揮者とソリスト。今回はソリストとなった﨑谷コンマス)があった方が、一致団結して力が出るのかなぁ…と思いました。
…となると、最後のハイドンの交響曲が心配に…。
ところが…。

その前に…。

協奏曲での﨑谷コンマス、素晴らしい。
﨑谷コンマスの音ってこういう音だったのかと目から鱗、半ば驚嘆です。
おそらくピリオド奏法ではないと思いますが、ピュアトーンと言いたいくらいの透明感と、その美しさを維持したスピード感の追い込み。

ただ、この音、「ミニ・神奈川フィル」の音ではないんですよね。
この音に近い音がオケ全体から鳴らないのは、神奈川フィルの課題かも…と思いました。
しかし…。

休憩後の最初は弦楽四重奏。
コンマスと首席の計4人で演奏された弦楽四重奏曲が、これまた透明感とシャープな音像とスタイリッシュな音作りで、かなりのハイレベルの演奏。
狭き門のオケ首席の優秀さは知ってはいましたが、耳で思い知らされました。
で、また同じことを書きますが、この音も、「ミニ・神奈川フィル」ではないんです。
この弦楽四重奏を大きくしたような音がオケ全体で鳴らないのは、やっぱり、神奈川フィルの課題かも…と(また)思いました。
ところが…。

最後のハイドンの交響曲、対立軸がなくても、1曲目のディヴェルティメントとは雲泥の差のアグレッシブ。
さらには、少なくともこの演奏会の、この交響曲に限っては、あの独奏、あの四重奏が、「ミニ・神奈川フィル」と言えるくらい、オケ全体から透明感とスピード感のある音像が出現しました。

…となると、今ひとつの時の神奈川フィル(最近、減っていますが)は、指揮者が悪いのか????

いろいろなことを考えさせられた演奏会でしたが、得がたい体験をさせていただいたことを嬉しく思いました。

アンコールの演奏の前に
「好評なら続編も。」
「いずれはモーツァルトやベートーヴェンの交響曲も。」
と﨑谷コンマスがお話しされたことに期待したいと思います。
(でも、川瀨さんの指揮でも聴きたいんですけどね。)

蛇足:
ゴールデンウィーク明けに風邪をひきました。
病院で薬をもらってからは、熱は1日で下がりましたが、その病後の自粛(咳が出るので、自粛でざるを得ませんでした)は、1週間強。
この日が自粛明け初日です。
自粛期間は、ちょっと精神的疲弊感を感じていて、さらに咳って意外と体力を消耗するので、この日も出かけるときは身体がだるかったのですが、いつものことながら生の音の浄化作用と覚醒作用は効果絶大。ホールを出るときはすっかり元気になりました。

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2017年5月 6日 (土)

オリンパスホール八王子「アイーダ」(2017/05/06)

2017年5月6日(土)15:00
オリンパスホール八王子

八王子市市制100周年記念事業
ヴェルディ:アイーダ
全4幕・原語(伊語)上演・字幕あり・セミ・ステージ形式

事前に想定していたレベルをはるかに凌駕する素晴らしい上演でした。
この成功に導いたのが川瀨さんであることは間違いありませんが、ラダメス、アムネリス、アイーダの主役3人が、3人とも素晴らしかったことが好演を白熱の高揚に導く。
初日が最終日なので全力投球できた側面もあるかもしれませんが、この方々の熱唱は、もう、目がウルウルするくらい、素晴らしいものでした。

第1幕では、ラダメスが登場して間もなく歌う超有名アリア。
こういうのって、新国立で外国時歌手が歌っても、あらら大変そうですねということもあるのですが(カルメンとか)、この日のラダメスは無問題。
それどころか、このハイテンションで、第4幕の最後まで行っちゃいました。

アムネリスもアイーダも、第幕から第4幕まで万全の迫力。
ただし、ラダメスも含めて、幕が進むに連れて感情移入がさらに凄みを増していったのは、おそらく川瀨さんにのせられたものと拝察しました。
川瀬さんはいつもの通り、身体能力を誇示するような、跳躍するような指揮。

第2幕では「川瀬スイッチ」が完全にONになり、強烈な巻き上げ。
何度も同じことを書きますが、アムネリス、ラダメス、アイーダの3人が素晴らしいので盛り上がること、盛り上がること。
三角形の頂点に配置されて3人が歌う時の重唱の威力抜群。
演出の指示なのか、識者の指示なのかはわかりませんが、3人の重唱は、この3角形だったり、舞台上に5メートルくらいの間隔を開けて立ったりで、それぞれが、それぞれに、勝手なことを(違)歌っているのが視覚的にも音響的にもよくわかりました。

ただ、この主役3人以外は多少のツッコミどころもあり
合唱は、女声合唱はまずまず良かったと思いますが、男声合唱は少し荒削りで迫力不足の印象もあり。
(主催公演でないから仕方ありませんが、どうしても、合唱が東響コーラスだったら…と思ってしまいます(すみません)。)
あと、国王は、奥まった位置での歌唱とはいえ、少し声が不安定に感じられたりもしました。
それでも、主役3人が素晴らしいので、全て許します(上から目線ですみません)。

第2幕が終わったところでは、東響メンバーも結構感極まった表情をされていた方が多かったようにも見えました。

第3幕では、「川瀬スイッチ」がONになった第2幕のノリは継続…どころかさらにヒートアップ、凄い。
アモナズロは王というよりは野蛮人の風貌と声ですが、これはこれで壮絶。
声の表情付けが役者的。
そしてここでは、アイーダ、ラダメス、アモナズロの3人が、相乗効果で張り合って(?)ヒートアップ。
なんだかんだ言っても、この高揚感を導いたのは川瀬さんですが、それに反応した声、オケが、これまた相乗効果で張り合ったように白熱するのは、まさにライヴ。
オペラは生き物ですねぇ~。

第4幕で、裁判の場を経て、2人の最後と祈るアムネリス。
アムネリスは、意地悪な女などではなく、苦悩する高貴な女性として演じられたと思います。
アイーダとラダメスは墓の中で、ある意味幸せな死を迎え、残されたアムネリスは祈る。
ラダメスに冷たく拒絶され、一番の被害者のよう。
このアムネリス像には深く感じるものがありました。

セミ・ステージ形式と銘打っていますが、歌手は衣装を着け、オケの前と、オケ後方の少し広いスペースで所作もこなして、完全にオペラの舞台として成り立っています。
バックのコーラスにも、歌っていないところでも演技がつけられ、「演出」と呼んで良い演出。
背景のスクリーンへの静止画(部分的には、川の流れなどは動画)の映写もあり、バレエもあり、演奏会形式ではないれっきとしたオペラ上演。
瞬時に変わる背景画面は効果的。
その前(オケの後ろ)には、光の加減で半透明な幕になったり、遮光スクリーンになったりする幕が、照明技術を駆使して効果的に使用されていました。
セミ・ステージ形式の制約の中でここまで見せる舞台を作った演出も素晴らしい。
読み替えなどないオーソドックスな舞台ですが、神官が実はラダメスを救いたかったという裁判での設定は面白い。

このように、すべtが万全ではなかったのに、指揮、オケ、主役、演出が素晴らしくて、満足度の非常に高い上演。
東響としては、あくまでも「依頼公演」のはずですが、川瀬さんに見事にのせられて、
全力投球。
東響さん、初台でもこれくらいお願いしますよ、と言うのはお門違いで、これは川瀬さんの初台ピットを切望せざるを得ません(まだ早いのはわかっていますが)。

指揮:川瀬 賢太郎
演出:岩田 達宗

アイーダ:小林厚子 
ラダメス:村上敏明
アムネリス:福原寿美枝 
アモナズロ:森口賢二 
ランフィス:大塚博章
エジプト王:泉良平
使者:澤崎一了
巫女の長:山口佳子

管弦楽:東京交響楽団
バレエ:バレエシャンブルウエスト
合唱:八王子祝祭合唱団、児童合唱団「こんぺいとうの空」

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2017年5月 5日 (金)

新国立バレエ「眠れる森の美女」(2017/05/05)

2017年5月5日(金)14:00
新国立劇場オペラパレス

新国立劇場バレエ団
チャイコフスキー:バレエ「眠れる森の美女」

バレエの鑑賞は2011年の「パゴダの王子」以来です。

初心者なので「どこがどう」と語ることは出来ませんが、舞台上にはダンサーのオーラが満ちあふれていて、単なるメルヘンチックな世界を超越した「場」「空間」が創出されるのを目のあたりにしました。
(これでバレエまで病みつきになったらお金と時間がもたないので、早く忘れた方がいいかもしれません??)

そして、当たり前のことですが、視覚的情報量が、オペラの比ではありませんね。
終演後はかなりお腹いっぱいの体感でした。

幕が上がるともうメルヘンの世界にトリップ。
(あの舞台装置、チャイコフスキーのオペラで使えないか?と余計にことを考えたり…。)
プロローグでは、悪の精カラボスの迫力が印象的。

休憩後の第1幕で主役2人が登場すると舞台にパッと花が咲いたような明るさ。
もちろん、脇を固める方々(“脇役”と言うのははばかられる面々の模様)が隙なく花を添えているからこその総合力ですが…。
主役が素晴らしい…と言っておきながら、主役だけが突出していないのが素晴らしい。
それもそのはず、別の日で主役を踊る方が脇役やちょい役で出てこられる。

これは危ない、足を踏み入れない方が良い。
オペラなら、1演目1公演を観に行けばとりあえずOKですが、バレエに狂ったら、複数公演を観に行きたくなるではないですか。

しかも、ただきれいに踊っているだけじゃなくて、ピットのオケの音楽も含めて、幕切れに向けて、起承転結のメリハリが組み立てられ、ドラマの流れがちゃんと出来ているのですね。
バレエの指揮者って、本当にバレエの指揮者なんだ(良い意味で)とも思いました(←意味不明な文字列の羅列ですみません)。

あとは蛇足ですが…。

新国立オペラとの違いで戸惑ったのは、販売しているプログラム冊子はバレエのシーズンプログラムで、演目単独のプログラム冊子は入り口で無料でもらえたこと。

それから、客席にお子さんが多く、私の近くの席では、上演中、親子でひそひそ話しをしていたりして(しゃべってないときは鼻をすすったりする大きな音が頻繁に響く)、それを周りのお客様がほとんど気にする様子がなかったのもちょっとびっくり。
バレエにおいては生オケの音はBGMなのでしょうか?
BGMにはもったいない。
東フィルも(初日であることを考慮しても)好演でした。

オーロラ姫:米沢唯
デジレ王子:ワディム・ムンタギロフ
ほか

スタッフ
芸術監督:大原永子プロフィール
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
編曲:ギャヴィン・サザーランド
振付:ウエイン・イーグリング (マリウス・プティパ原振付による)
美術:川口直次
衣裳:トゥール・ヴァン・シャイク
照明:沢田祐二
指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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2017年5月 4日 (木)

竹澤恭子(Vn)、児玉桃(P)(2017/05/04)

2017年5月4日(木・祝)19:30
東京国際フォーラム ホールB5

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2017
『LA DANSE(ラ・ダンス)』舞曲の祭典
公演番号137

ヴァイオリン:竹澤恭子
ピアノ:児玉桃

ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番
クライスラー:ウィーン奇想曲
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
(アンコール)

恐ろしい女の戦い、けんか腰…と言ってもよいくらい(すみません)。
丁々発止のデュオは火花が飛び散るような、音と音のぶつかり合いでした。

竹澤さんの音は、基本的に太筆だと思っていたが、実は太筆でも、鋭利な先端を持っている。切れ味の良い斧、ナタ。
そして、高音は意外と細筆、これまた鋭利なナイフ。
どこをとってもさわれば怪我しそうなヴァイオリンの音。
対する桃さんはポーカーフェースですが、内面は熱い、熱い。

竹澤さん、登場した時はニコニコしていても、演奏を始めるためにヴァイオリンを構えたとたん、表情は一変、不動明王のように(すみません)。
演奏会の舞台だからいいですけど、道を歩いていたり、電車の中とかであんな人に出会ったら、怖くてよけて通ることは必至(失礼)。

バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ以外の、ちょっとした小品も豪腕勝負なので、ちょっと聴き疲れがしたのも事実ですが(すみません)、まあ、得がたい体験をさせていただきました。

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ロフェ/フランス国立ロワール管弦楽団(2017/05/04)

2017年5月4日(木・祝)19:30
東京国際フォーラム ホールC

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2017
『LA DANSE(ラ・ダンス)』舞曲の祭典
公演番号146
指揮:パスカル・ロフェ
フランス国立ロワール管弦楽団

ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲

ちょっと有楽町を離脱してまた戻ってきました。

基本的にオケ好きなので、「火の鳥」と「ダフニスとクロエ」と聞いただけで、聴きたくなります。
ミーハーですみません。

開演15分前くらいに客席に座ると、すでに大半の奏者はステージ上に居て、思い思いに音を出しています。
本番にかける気合い十分と思いましたが、その通りでした。

このフランス国立ロワール管弦楽団、素晴らしいオケです。
超一流ではないかもしれませんが、十分です。
(いや、オケ自体が素晴らしいのか、準備が行き届いていたためのかは、門外漢の私には不明。)
基本、音が強めのカラフルサウンドで、アンサンブルも決まっています。
南欧の明るい日差しを想起させるような音。
強めの音圧の奏者が多人数揃っても、全体としても音が整う均質感。
クライマックスで若干騒々しくなりがちですが「にぎやか」という言葉で言いかえれば、それも個性なのでしょう。

LFJで聴く外来オケの中には、わざわざ連れてこなくても…と感じる団体もなかったわけではありません。
(元々○○なのか、練習不足なのかは、門外漢の私には不明。)
このオケはれっきとした個性、音色(それも名前の「フランス国立」から想起するような音)を持ったオケであり、満足度は高い演奏でした。

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井上道義/新日本フィル(2017/05/04)

2017年5月4日(木・祝)15:45
東京国際フォーラム ホールC

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2017
『LA DANSE(ラ・ダンス)』舞曲の祭典
公演番号144
指揮:井上道義
新日本フィルハーモニー交響楽団

バンドネオン:三浦一馬
バリトン:ガスパール・コロン
メゾ・ソプラノ:池田香織
合唱:東響コーラス

ピアソラ(マルコーニ編):ピアソラ・セレクション(独奏:三浦一馬)
バカロフ:ミサ・タンゴ

東響コーラスが新日本フィルに浮気するという、滅多に見られない光景を目撃するために再びホールCへ。

あれ?1曲目はバンドネオンだけのはずなのに、コーラスは勢揃い、オケも勢揃い、チューニングも。
そこへ三浦一馬さんが出てきて、舞台は三浦さんだけスポットライトがあたり、あとは真っ暗に。
起立したままのコーラスの皆さん、お疲れ様です。

バンドネオンの音は変幻自在。
私はあまり聴かない楽器ですが、へぇー、こんな音も出るんだ!と目から鱗。
特に、音の揺らし方(ビブラートをかける、と言って良いのかどうか…??)が印象的でした。

三浦さんの独奏が終わると、ステージは明るくなり、三浦さんは引っ込まずに独唱者と指揮者が登場して、すぐさま次の曲へ。

バンドネオンがまるでソロ歌手の声ように雄弁多弁。
対する本物の声、コロンさんと池田さんは、その雄弁さに張り合わずに、格調と節度で美しい。
このお二人の声の相性も良かったのではないでしょうか。
東響コーラスはいつものように暗譜でこれまた格調高い。
ちょっとバンドネオンが突出の感はありましたが、ソロ歌手、オケ、合唱が融合し、祈りのひと時。
いかにも、東響コーラスにぴったりの曲で、「浮気の現場」などという思いはどこかに飛んでしまいました。

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井上道義/新日本フィル(2017/05/04)

2017年5月4日(木・祝)13:45
東京国際フォーラム ホールC

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2017
『LA DANSE(ラ・ダンス)』舞曲の祭典
公演番号143

指揮:井上道義
新日本フィルハーモニー交響楽団

マリンバ:安倍圭子

伊福部昭:日本組曲~盆踊り、演伶(ながし)、佞武多(ねぶた)
伊福部昭:オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ

大音響と、鮮烈なリズムと、マエストロが「農耕民族の泥の音楽」と語った粘りが炸裂した好演、熱演でした。

最近、錦糸町でも上り調子と思われるNJPが有楽町でも好演したのは慶賀の至り。
豊嶋コンマスの下、首席クラスの大半もいつも通り。
LFJとは言え、伊福部プロで完売になるのなら、錦糸町でもやってみたらいかがでしょう?
客席も大いに湧きました。

安倍圭子さんは随分昔からお名前は知っておりましたが、マエストロのお話しによると、なんと80歳とのこと。
貫禄で、やや太筆の粘りの音色…と思っていたら、最後はシャープな音像も飛び出し、あ、使い分けていらしたのね、失礼しました、という大御所の独奏でした。

伊福部さんの音楽は、日本人として、なんだかホッとするような音楽ですね。

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