« 東京二期会「ばらの騎士」(2017/07/29) | トップページ | 秋山和慶/東響(2017/08/11) »

2017年8月 6日 (日)

鈴木秀美/神奈川フィル(2017/08/06)

2017年8月6日(日)15:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2017
指揮:鈴木秀美
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
J.S.バッハ:カンタータ「汝、何を悲しまんとするや」BWV107~
      第7曲コラール「主よ、あなたの栄光を与えて下さい」
      (アンコール)

メンデルスゾーンからバッハまで、時代を、音の大河を、遡るような体験。
全てに発見がある、素晴らしい演奏会でした。

まずはメンデルスゾーン。
「フィンガルの洞窟」も「イタリア」も、第一印象は「素朴な音だな~」でした。
あまり光らない、コテコテに盛られていないその音は、素材の良さを存分に活かした料理のよう。
「あまり迫ってこないな~」と思いながら、こちらから注意を向けると、何もしていないわけではありませんが、まるで何もしなくても音楽が勝手に生き生きと踊り出すような、ハッとするようなチャーミングな瞬間の連続。
これは素晴らしい。

“もっと後の時代の風にしない”と言うことの意味が、秀美さんの棒で初めてわかったようなちょっとした驚き。
こういう天然素材の音で聴くと、メンデルスゾーンが「偉大なる過渡期」であったことがよくわかります。
古典派の枠内から、いままさに離陸しよう!としている瞬間のようです。

さて、この、メンデルスゾーンの、意外に古い側面を見た後に待っていたのは、ハイドンの意外と新しい側面でした。
斬新さと言った方が良いかもしれません。
そのハイドンの先進性を誇示するような快演。
叩きつけても巻き上げても揺るがない音楽。
秀美さん、ベートーヴェンに対峙するのと同じくらいの気迫で臨まれたのではないでしょうか。
こういう音楽が、既にあの時代にあったという…。

いやいや、ベートーヴェンの交響曲第1番が書かれたのは、このハイドンの交響曲第104番の5年後のようです。
モーツァルトの交響曲第41番の7年後でもあります。

ハイドン→モーツァルト→ベートーヴェン(直列)ではなく、ハイドン→モーツァルト→ハイドン→ベートーヴェン(同時並行含む)だったということを音で示したような、ベートーヴェンの交響曲に比肩しうることを示したような。
比肩しうるベートーヴェンの交響曲は、第1番どころではないかもしれません。

先進性のハイドンの後のアンコールは深遠なるJ.S.バッハ。
こういう世界が、さらに時代を遡って確立されていたことを体感。

このコンサート、「シンフォニーで、ヨーロッパ旅行」などという副題(キャッチフレーズ?)がついていました。
表題から言えば、確かにその通りでしょう。
しかし、これは、単なる都市間の旅行ではなく、タイムトラベルの世界だ、と思いました。

20170806_142206

201708061

201708062

201708063

201708064

201708065

201708066

|

« 東京二期会「ばらの騎士」(2017/07/29) | トップページ | 秋山和慶/東響(2017/08/11) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/65629685

この記事へのトラックバック一覧です: 鈴木秀美/神奈川フィル(2017/08/06):

« 東京二期会「ばらの騎士」(2017/07/29) | トップページ | 秋山和慶/東響(2017/08/11) »