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2017年9月の3件の記事

2017年9月30日 (土)

尾高忠明/新日フィル(2017/09/30)

2017年9月30日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:尾高忠明
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第9回 RUBY <アフタヌーンコンサート・シリーズ>)
チェロ:山崎伸子

グレイス ・ウィリアムズ:シースケッチ
カタロニア民謡(カザルス編):鳥の歌
(アンコール)
エルガー:チェロ協奏曲
ウォルトン:交響曲第1番
エルガー:エニグマ変更曲~ニムロッド
(アンコール)

尾高さんでこの英国音楽というだけで成功は約束されていたようなものですが、それにしても素晴らしい。
山崎伸子さんのファンでもある私は、嬉々としてチケットを購入し、心待ちにしていましたが、いわゆる名曲シリーズっぽい「ルビー」で、よくぞこのようなプログラムを組んで下さいました。

エルガーの協奏曲は、この独奏者と、この指揮者と、この作曲家で、良い演奏にならないはずがないという事前の想定をもはるかに凌駕するスケール感でした。
山崎さんの決して粗雑にならない美音はいつものことですが、オケの音も同様。
うわっ、尾高さん、本気!
まるで本編の交響曲のように気合いの入ったオケの音。
それも、パワー全開ながら粗雑さは皆無。
突き抜けるような大音量も完全調和。
NJPの音が、協奏曲でここまで鳴るのを聴いたのは、いつ以来でしょう?

ウォルトンの交響曲だって、「尾高×ウォルトン」の掛け算だけで成功は約束されていたようなものとは言え(←こればっか)、見事に応えたNJPも素晴らしい。
下手をするとティンパニ協奏曲になりかねないこの曲を、総合的に融合された音響として、ティンパニを突出させずに(そうは言っても、これだけ活躍すれば、陶然、目立ちましたが)ホールに鳴り響かせた演奏。

尾高さんが英国音楽で客演すれば、たいていのオケはこうなることは体験済みですが、その尾高マジックに応えたNJPも本当に素晴らしい(同じことばっか)。

この曲は、かなり前に、東響定期で大友直人さんの指揮で聴いた記憶がいまだに残っています。
あのとくの演奏も目の覚めるような快演で、大友直人さんの英国音楽もかなりのものだと思いまうが、わが国には尾高忠明さんという方がいらっしゃるので、大友さん、不利だよねーといつも思います。(←両方ほめてるつもりですが…。)

アンコールも含めて全てとびっきりのご馳走。
ルビー・シリーズ、最高のシーズンスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。

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2017年9月23日 (土)

ジークハルト/新日フィル(2017/09/23)

2017年9月23日(土)
すみだトリフォニーホール

指揮:マルティン・ジークハルト
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第578回定期演奏会 トパーズ <トリフォニーシリーズ>)

シューマン: 序曲「メッシーナの花嫁」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番~ガヴォット
(アンコール)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
スクリャービン:交響曲第4番 「法悦の詩」

ブルックナー指揮者によるスクリャービン?
寄せては返し、寄せては返し、次第に高まって…の反復が、まるでブルックナーのように…。
神秘性は後退し、いや、大聖堂に響く神秘性の方に変質?
妖艶でなく、楷書体でがっちり構築されたスクリャービン。
この曲に、こういうアプローチがあったとは…私が知らなかっただけ?
この1曲、この演奏が聴けただけでも、足を運んだ甲斐がありました。

この演奏会、当初指揮者として予定されていたルイ・ラングレ氏が振ったら、全く異なる雰囲気の演奏会になったかもしれません。
病気降板は残念でしたが、それによって、ジークハルトさんと新日本フィルとスクリャービンという組み合わせで聴けることになったのは、誠に得難い、偶然の遭遇だったかもしれません。

前半のシューマンとメンデルスゾーンは、芯のある硬質で強目のオケの音。
竹澤さんもどちらかというとその方向のエネルギー放射型なので、協奏曲は噛み合うこと、噛み合うこと、噛み合い過ぎて聴き疲れするくらい??
竹澤さんのアンコールも、強めの音圧のバッハ。
ドビュッシーはさすがに曲が曲だけに、柔らかめの音でしたが…。

ドビュッシーとスクリャービンの間は、拍手と答礼はありましたが、指揮者は舞台袖に引っ込まずに演奏。
いっそのこと、拍手無しで連続して演奏でも良かったのでは?とすら思いました。

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2017年9月16日 (土)

ヴェデルニコフ/東響(2017/09/16)

2017年09月16日(土)18:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ヴェデルニコフ
東京交響楽団

(第653回定期演奏会)
合唱:東響コーラス
合唱指揮:冨平恭平

ヒンデミット:バレエ組曲「気高い幻想」
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
シベリウス:交響曲第1番

なにせ久しぶりなもので、どうも音に耳が慣れません。
9月第2週に米国出張が入ったため、生演奏鑑賞も久しぶり。
改装したサントリーホールもこの日が初めてで、休館前から数えれば数ヶ月ぶり。
…なので、うかつに断定的なことは言えませんが、なんとなく、ホールの響き、少し変わったような…????
(前回の改装直後も、そう思いましたが、そのうち耳が慣れてしまったので、あれは私の思い込みだったのかな?と思っていましたが…。)

そんなわけで、1曲目のヒンデミットが始まったとき、サントリーで聴く東響の艶やかな音が感じられなくて、ちょっと驚きました。
言わば、ミューザの分化能だけ切り取ってきて貼り付けたような…。
曲が進むにつれて、そういう違和感は後退し、音の融合感が増していったのですが…。

2曲目のストラヴィンスキーは、ヴァイオリンとヴィオラが無くて、ピアノが2台などという特殊な編成。
合唱も加わるので、配置転換に時間を要します。
…というようなことは素人の私にもわかるのですが、この日、まだ1曲目の拍手が続いているのに、レセプショニストさんが「前を失礼しまーす」と、遅れてきたお客様を御案内してきて、不意を突かれてちょっと驚きました。
慌てて入場誘導しなくても、十分すぎるほど時間はあったのに…。
こういうことは、サントリーのレセプショニストさんは、以前はもっと手際よかったような??

閑話休題。

東響コーラスですから、暗譜でかつ上手いのはいつものことなので全く驚きませんが、やっぱりこの曲でも、コーラスの響き具合も含めて「あれ?サントリーの音響、少し変わった?」という違和感は多少ありました。
そして、これまた1曲目と同様に、曲が進むにつれて融合感増大。
ヴェデルニコフさん、劇場型指揮者(?)の面目躍如かもしれません。

休憩後のシベリウスは、豪腕でこねくり回したようでいて、後期の交響曲を想起させるような側面も浮かび上がらせていて、この曲にこんなやり方もあるのか…とちょっと驚嘆すらした演奏。
シベリウスの交響曲って、2番までと、3番以降で、全く印象が異なります、この日は「2番まで」を聴いたという気が全くしませんでした。

哀愁を歌うようなメロディが出てくる前に、こんな複雑な、未来を先取りしたような音色が隠れていたのか!
後期の交響曲を想起させるということは、前半のヒンデミットやストラヴィンスキーにもつながるような…。

ヴェデルニコフさんは「立っているだけでオーラ」のような姿。
さすがに久しぶりの客演なので、息もピッタリというわけにはいきませんが、指揮とオケの間にはほどよい緊張感が維持されて快演、少し怪演?

ヴェデルニコフさん、終演後は本当に嬉しそうでした。
ヴェデルニコフさんの理想とする演奏には達していなかったかもしれませんが(客演だから仕方ない)、東響メンバーも、東響コーラスも、よくぞここまで応えた、と言うべきでしょう。
翌日の川崎定期は、さらに進化した演奏になりそうで、時間が許せばもう一度聴いてみたいところですが、私は所用があって無理です。
残念。

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