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2017年11月12日 (日)

ヤノフスキ/N響(2017/11/12)

2017年11月12日(日)15:00
NHKホール

指揮:マレク・ヤノフスキ
NHK交響楽団

(第1870回定期公演 Aプログラム)
フルート:甲斐雅之
オーボエ:青山聖樹
クラリネット:松本健司
ファゴット:宇賀神広宣
ハープ:早川りさこ

ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
ヒンデミット:木管楽器とハープと管弦楽のための協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

想定外の至芸でした。
想定外とは、豪腕ではなかったことです。

まず、ヒンデミットが、切れ味抜群の演奏ではなく、絶妙な芳香と、大河の流れすら想起するスケール感で鳴ったことに驚愕。
2曲とも、おそらく、複雑かつ多層に組み上げられた曲。
それを、「ほら、複雑で面白いでしょ」と示す演奏も切れ味抜群であれば面白いのですが、この演奏は、複雑系を完全に調和させて、伝統を継承する音楽に仕上げました。

協奏曲のソロを吹いた面々の出す音を聴けば、N響メンバーがいかにすばらしい音色を持っているか、一“聴”瞭然ですが、その方々がソロではなく、オケの中で調和したときの全体としての音の素晴らしさ、格別です。

休憩後の英雄交響曲も、なんと味わい深い演奏でしょう。
粗雑な表現の音は皆無。
芳しい音で進む演奏は人間国宝級の良い意味の脱力。
もっとも、指揮者は楽章間で汗をぬぐい、奏者は結構前傾姿勢。
でも、出てくる音はひたすら味わい深い。
これぞ、指揮の至芸なり。
この方向(芳香)の指揮を、音にしてみせたN響も、うまい、うまい。
外面的には超絶技巧ではありませんが、このエッジを立てないふわっとしていながら軽過ぎない音を出すには、見えない超絶技巧を織り重ねたはず。
さすがに第4楽章は、ちょっとだけたたみかけるように迫力を増した箇所はありましたが、第3楽章までは、淡々と進んでいるようでいて、聴いていてちっとも飽きない…どころか、音楽の素晴らしさに浸るような演奏。
圧倒されたのではなく、存分に「味わった」という体感です。

なお、プログラム冊子にも記載がありましたが、ヤノフスキさんの初来日、N響定期への初登場のときにも、ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容を指揮されたそうです。
…いや、「指揮されたそうです」ではなくて、私は会場で聴いていました。
(プログラム冊子の写真をアップして良いのか、著作権の問題が微妙かな…と思いましたが、ツィッターのN響公式アカウントが私のツィートをリツィートして下さったので、許容範囲内でしょうか。)
ただ、さすがに32年前なので、その演奏の記憶は全くありません。
でも、藤川真弓さんが弾いていた姿や、レーガーの作品が、曲が進むにつれて奇っ怪に変貌し、わけがわからなくなって、約40分の演奏時間がとても長く感じたことは覚えています。
その時は、2017年にこういう演奏会に出会うとは、夢にも思いませんでした(当たり前)。

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