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2017年12月の12件の記事

2017年12月31日 (日)

2017年を振り返って(2)聴いた回数ランキング

【聴いた回数ランキング・指揮者編】(3回以上)

■ジョナサン・ノット(8回)(日付順)
 東京交響楽団2017/05/21
 東京交響楽団2017/07/15
 東京交響楽団2017/07/16
 東京交響楽団2017/07/22
 東京交響楽団2017/10/14
 東京交響楽団2017/10/21
 東京交響楽団2017/10/22
 東京交響楽団2017/12/02

■飯守泰次郎(6回)(日付順)
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団2017/02/18
 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2017/03/04
 新国立劇場「ジークフリート」2017/06/04
 
新国立劇場「ジークフリート」2017/06/10
 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2017/08/20
 新国立劇場「神々の黄昏」2017/10/07
 新国立劇場「神々の黄昏」2017/10/11

■下野竜也(6回)(日付順)
 NHK交響楽団2017/01/29
 群馬交響楽団2017/02/11
 読売日本交響楽団2017/03/20
 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2017/06/24
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/08/12
 NHK交響楽団2017/10/15

■秋山和慶(5回)(日付順)
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/07/15
 東京交響楽団2017/03/05
 東京交響楽団2017/06/24
 東京交響楽団2017/08/11
 東京交響楽団2017/12/29

■上岡敏之(4回)(日付順)
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/03/11
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/03/18
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/04/08
 新日本フィルハーモニー交響楽団2017/11/11

■川瀬賢太郎(4回)(日付順)
 神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ「魔笛」2017/03/19
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団2017/10/14
 オリンパスホール八王子「アイーダ」2017/11/23
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団2017/12/02

■エリアフ・インバル(3回)(日付順)
 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団2017/03/13
 東京都交響楽団2017/07/17
 大阪フィルハーモニー交響楽団2017/07/28

■シャルル・デュトワ(3回)(日付順)
 NHK交響楽団2017/12/03
 NHK交響楽団2017/12/09
 NHK交響楽団2017/12/16

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2017年を振り返って(1)総まとめ

【国内オーケストラ編】(50音順)

■岩城宏之メモリアル・オーケストラ
 指揮:小林研一郎2017/12/31

■NHK交響楽団(日付順))(10回、オペラを含めて11回)
 指揮:下野竜也2017/1/29
 指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ2017/02/04
 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ2017/02/12
 指揮:ファビオ・ルイージ2017/04/16
 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ2017/06/25
 指揮:下野竜也2017/10/15
 指揮:マレク・ヤノフスキ2017/11/12
 指揮:シャルル・デュトワ2017/12/03
 指揮:シャルル・デュトワ2017/12/09
 指揮:シャルル・デュトワ2017/12/16

 ※東京・春・音楽祭「神々の黄昏」(ワーグナー)
  →【オペラ編】指揮:マレク・ヤノフスキ
2017/04/01

■大阪フィルハーモニー交響楽団

 指揮:エリアフ・インバル2017/07/28

■神奈川フィルハーモニー管弦楽団(日付順)(9回、オペラを含めて10回)
 指揮:飯守泰次郎2017/02/18
 指揮・チェンバロ:鈴木優人2017/04/29
 コンサートマスター:﨑谷直人2017/05/20
 指揮:カチュン・ウォン2017/06/17
 指揮:ユベール・スダーン2017/07/08
 指揮:鈴木秀美2017/08/06
 指揮:川瀬賢太郎2017/10/14
 指揮:マックス・ポンマー2017/11/18
 指揮:川瀬賢太郎2017/12/02

 ※神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ「魔笛」(モーツァルト)
  →【オペラ編】指揮:川瀬賢太郎
2017/03/19

■群馬交響楽団(2回)

 指揮:下野竜也2017/02/11
 指揮:高関健2017/06/17

■新日本フィルハーモニー交響楽団(日付順)(13回)

 指揮:アントニ・ヴィット2017/02/25
 指揮:上岡敏之2017/03/11
 指揮:上岡敏之2017/03/18
 指揮:上岡敏之2017/04/08
 指揮:井上道義2017/05/04
 指揮:井上道義2017/05/04
 指揮:鈴木秀美2017/06/03
 指揮:秋山和慶2017/07/15
 指揮:下野竜也2017/08/12
 指揮:マルティン・ジークハルト2017/09/23
 指揮:尾高忠明2017/09/30
 指揮:クリスチャン・ヤルヴィ2017/11/03
 指揮:上岡敏之2017/11/11

■テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ

 ※藤原歌劇団「セビリャの理髪師」(ロッシーニ)
  →【オペラ編】指揮:佐藤正浩
2017/04/30

■東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(3回)
 指揮:飯守泰次郎2017/03/04
 指揮:下野竜也2017/06/24
 指揮:飯守泰次郎2017/08/20

■東京交響楽団(日付順)(17回、オペラを含めて22回)

 指揮:秋山和慶2017/03/05
 指揮:沼尻竜典2017/04/22
 指揮:飯森範親2017/04/30
 指揮:ジョナサン・ノット2017/05/21
 指揮:秋山和慶2017/06/24
 指揮:ジョナサン・ノット2017/07/15
 指揮:ジョナサン・ノット2017/07/16
 指揮:ジョナサン・ノット2017/07/22
 指揮:秋山和慶2017/08/11
 ピアノ:小菅優2017/08/26
 指揮:アレクサンドル・ヴェデルニコフ2017/09/16
 指揮:ジョナサン・ノット2017/10/14
 指揮:ジョナサン・ノット2017/10/21
 指揮:ジョナサン・ノット2017/10/22
 指揮:川瀬賢太郎2017/11/23
 指揮:ジョナサン・ノット2017/12/02
 指揮&チェンバロ:秋山和慶2017/12/29

 ※新国立劇場「カルメン」(ビゼー)
  →【オペラ編】指揮:イヴ・アベル
2017/1/28

 ※オリンパスホール八王子「アイーダ」(ヴェルディ)
  →【オペラ編】指揮:川瀬賢太郎
2017/05/06

 ※新国立劇場「ジークフリート」(ワーグナー)
  →【オペラ編】指揮:飯守泰次郎
2017/06/04
         指揮:飯守泰次郎2017/06/10

 ※東京二期会「蝶々夫人」(プッチーニ)
  →【オペラ編】指揮:ガエタノ・デスピノーサ
2017/10/08

■東京都交響楽団(日付順)(3回、オペラを含めて4回)
 指揮:大野和士2017/03/21
 指揮:エリアフ・インバル2017/07/17
 指揮:ヤクブ・フルシャ2017/12/16

 ※東京二期会「トスカ」(プッチーニ)
  →【オペラ編】指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
2017/02/19

■東京フィルハーモニー交響楽団(日付順)(1回、オペラとバレエを含めて4回)

 指揮:チョン・ミョンフン2017/07/21

 ※新国立劇場「ルチア」(ドニゼッティ)
  →【オペラ編】指揮:ジャンパオロ・ビザンティ
2017/03/26

 ※新国立劇場 「眠れる森の美女」(チャイコフスキー)
  →【バレエ編】指揮:アレクセイ・バクラン
2017/05/05

 ※藤原歌劇団「ノルマ」(ベッリーニ)
  →【オペラ編指揮:フランチェスコ・ランツィッロッタ
2017/07/01

■日本フィルハーモニー交響楽団(日付順)(2回、オペラを含めて3回)

 指揮:ピエタリ・インキネン2017/05/26
   (「ラインの黄金」(ワーグナー)演奏会形式)
 指揮:アレクサンドル・ラザレフ2017/10/28

 ※藤原歌劇団「カルメン」(ビゼー)
  →【オペラ編】指揮:山田和樹
2017/02/05

■読売日本交響楽団(日付順)(7回、オペラを含めて10回)
 指揮:小林研一郎2017/02/11
 指揮:下野竜也2017/03/20
 指揮:シルヴァン・カンブルラン2017/04/09
 指揮:サッシャ・ゲッツェル2017/04/23
 指揮:尾高忠明2017/05/27
 指揮:シルヴァン・カンブルラン2017/11/19
   (「アッシジの聖フランチェスコ」(メシアン)演奏会形式)
 指揮:サッシャ・ゲッツェル2017/12/24

 ※東京二期会「ばらの騎士」(R.シュトラウス)
  →【オペラ編】指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
2017/07/29

 ※新国立劇場「神々の黄昏」(ワーグナー)
  →【オペラ編】指揮:飯守泰次郎
2017/10/07
         指揮:飯守泰次郎2017/10/11

【外来オーケストラ編】(日付順)

■ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
 指揮:エリアフ・インバル2017/03/13

■フランス国立ロワール管弦楽団
 指揮:パスカル・ロフェ
2017/05/04

■バイエルン国立管弦楽団
 指揮:キリル・ペトレンコ
2017/10/01

【オペラ編】(五十音順)(演奏会形式を含む)

■オリンパスホール八王子

 「アイーダ」(ヴェルディ)
  指揮:川瀬賢太郎
2017/05/06
  →【国内オーケストラ編】東京交響楽団

■神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ

 「魔笛」(モーツァルト)
  指揮:川瀬賢太郎
2017/03/19
  →【国内オーケストラ編】神奈川フィルハーモニー管弦楽団

■新国立劇場(日付順)(6回)

 「カルメン」(ビゼー)
  指揮:イヴ・アベル
2017/1/28
  →【国内オーケストラ編】東京交響楽団

 「ルチア」(ドニゼッティ)
  指揮:ジャンパオロ・ビザンティ
2017/03/26
  →【国内オーケストラ編】東京フィルハーモニー交響楽団

 「ジークフリート」(ワーグナー)
  指揮:飯守泰次郎
2017/06/04
  指揮:飯守泰次郎2017/06/10
  →【国内オーケストラ編】東京交響楽団

 「神々の黄昏」(ワーグナー)
  指揮:飯守泰次郎
2017/10/07
  指揮:飯守泰次郎2017/10/11
  →【国内オーケストラ編】読売日本交響楽団

■東京二期会(日付順)(3回)

 「トスカ」(プッチーニ)
  指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
2017/02/19
  →【国内オーケストラ編】東京都交響楽団

 「ばらの騎士」(R.シュトラウス)
  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
2017/07/29
  →【国内オーケストラ編】読売日本交響楽団

 「蝶々夫人」(プッチーニ)
  指揮:ガエタノ・デスピノーサ
2017/10/08
  →【国内オーケストラ編】東京交響楽団

■東京・春・音楽祭

 「神々の黄昏」(ワーグナー)
  指揮:マレク・ヤノフスキ
2017/04/01
  →【国内オーケストラ編】NHK交響楽団

■日本フィルハーモニー交響楽団→【国内オーケストラ編】

 「ラインの黄金」(ワーグナー)演奏会形式
  指揮:ピエタリ・インキネン
2017/05/26

■藤原歌劇団(日付順)(3回)

 「カルメン」(ビゼー)
  指揮:山田和樹
2017/02/05
  →【国内オーケストラ編】日本フィルハーモニー交響楽団

 「セビリャの理髪師」(ロッシーニ)
  指揮:佐藤正浩
2017/04/30
  →【国内オーケストラ編】テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ

 「ノルマ」(ベッリーニ)
  指揮:フランチェスコ・ランツィッロッタ
2017/07/01
  →【国内オーケストラ編】東京フィルハーモニー交響楽団

■読売日本交響楽団→【国内オーケストラ編】

 「アッシジの聖フランチェスコ」(メシアン)演奏会形式
  指揮:シルヴァン・カンブルラン
2017/11/19

【バレエ編】

■新国立劇場

 「眠れる森の美女」(チャイコフスキー)
  指揮:アレクセイ・バクラン
2017/05/05
  →【国内オーケストラ編】東京フィルハーモニー交響楽団

【室内楽編】(日付順)

■竹澤恭子(Vn)、児玉桃(P)2017/05/04

■ハーゲン・クァルテット2017/07/02

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小林研一郎/岩城宏之メモリアル・オーケストラ(2017/12/31)

2017年12月31日(日)13:00
東京文化会館

ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2017
指揮:小林研一郎
岩城宏之メモリアル・オーケストラ

ソプラノ:市原愛
アルト:山下牧子
テノール:笛田博昭
バリトン:青戸知
合唱:武蔵野合唱団

ベートーヴェン:交響曲第1番
ベートーヴェン:交響曲第2番
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン:交響曲第4番
ベートーヴェン:交響曲第5番
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン:交響曲第7番
ベートーヴェン:交響曲第8番
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」

初めて聴きましたが、“お祭り”かと思ったら“真剣勝負”でびっくり。
在京オケの“定期演奏会並み”か、気合いの入り方はそれ以上だったかもしれません。
聴衆も、かなり静かで、拍手がフライング気味、ブラボーもフライング気味だったことを除けば、こちらも在京オケの夜の“定期演奏会並み”だったかもしれません。
しかも、1曲も、流したような演奏はなく、9曲全てが素晴らしい演奏でした。
もっとも、(たぶん)繰り返しは(第5番の第1楽章や第6番の第3楽章も含めて)全て省略。
これはさすがに仕方ないでしょう。

まずは第1番と第2番。
始まったとたん、昨今の演奏に慣れた耳からすると「遅いねぇ」の一言ですが、そのようなテンポで、ズシンズシンと響く重い音を伴って入魂で演奏されると、中期の大傑作に並び立つ大交響曲として響きます。
テンポに耳が慣れた後は、この壮大さ、安定感、重量感が快感になりました。

休憩をはさんで第3番。
やはり基本的に遅めの上に、所々さらにブレーキをかけてじっくりと鳴らす。
その“ため”を作るのが、直後の跳躍へのエネルギーとなる。
その“ため”において、演奏の緊張感は持続して見事に決まります。
臨時編成ならではのハプニング(微妙な音の飛び出しなど)はゼロではありませんが、総じて気の入った演奏で素晴らしい。
この時点で「最初から飛ばして大丈夫か?」と思いましたが、最終的に9番まで聴いてみた結果としては杞憂で、素人の聴衆の余計な心配でした。

短い休憩をはさんで第4番。
またもや気合い入りまくりの同じような演奏。
どの曲を振っても“コバケンのベートーヴェン”になるのが良いのか悪いのか…という意地悪な見方も出来ますが、私の個人的嗜好としては“コバケンのベートーヴェン”は、以前も日フィルで聴いたりして肯定的なので無問題(だからチケットを買ったとも言えますが)。
基本やややや遅めのテンポは一貫。
この曲は第3番ほどは“ため”を作る場面はあまりありませんでした。

ここでプロデュースの三枝成彰さんのトーク。
「西洋は他と違うことが評価されるので、音楽もそのように進化してきた。」
「バッハやモーツァルトは職人。だから曲を量産できた。ベートーヴェンは職人ではなく芸術家。だから量産など出来ず、1曲1曲に時間をかけた。」
など、面白い話しがありましたが、
「今回で15回。コバケンさんは20回まではやりたいとおっしゃっている。お元気ならやってくださるのでは。2020年にはマエストロは80歳。」
とも。
コバケンさんって、いつも元気なので、ついつい若く錯覚しますけど、そういうお歳なんですよね。

休憩の後は第5番と第6番。
ここで私は確信しました。
指揮者とオーケストラの楽団員さんというものは、演奏会の途中であろうと、ベートーヴェンの交響曲を弾くと、条件反射で「演奏会最後」の心身となってしまい、その結果、熱演をしてしまうのではないでしょうか。
…と思うような折り返し点の演奏です。
「田園」も脱力で始まり、第4楽章を除けば他の交響曲のイケイケドンドン(ほめてます)とは一線を画する崇高な雰囲気すら感じましたが、感興の高揚は著しい。

ここで19時を少し回って90分の長い休憩。
ホールの外に食事に行く方も多かったと拝察しますが、持参した弁当などを会場で食べる方も多く、ロビーの椅子は満杯。
床や階段に座る方も結構いらっしゃいました。

レセプショニストのおねえさんたちが私(たち)を見る目線がちょっとこわいように感じたのは気のせいでしょうか?
「あんたらは遊んでるからいいけど、私らはそのおかげで大晦日の夜まで仕事…」と思ってるかどうかは不明…。

長い休憩後の第7番と第8番。
やはりプロの音楽家の習性からして、第7番を“通過点の流した演奏”など、できるわけがないという「素晴らしかった、興奮した、さあ帰ろうか」というような演奏。
めちゃくちゃゴリゴリ弾いているところで“ため”を作るかい!という…。
もうこれで終わってもいいくらいの7番の後の第8番も、続きのように凄かった。
“可愛らしい曲”などではない“大交響曲”ですね。
第8番は楽章間の間合いをほとんどとらずに(1秒程度?)、ほぼ続けて演奏。
第7番と第8番が連続したひとつの交響曲みたい…という不思議な体感。
(実際は、第7番の後、拍手と奏者の入れ替えなどで間合いありですが。)

全曲の最後の第9番。
オケはこれまでの8曲の疲れどころか、8曲での演奏の蓄積から来る高揚も相まって、気合い入りまくり。
ステージ上で奏者の揺れる姿が満載の熱演。
在京オケ主催公演の年末第九でもめったに聴けない演奏だったかもしれません。
個人的にはバリトン独唱の、非常に表情付けをした歌唱は違和感を感じましたが、あれは指揮者の指示だったのでしょうか?
あと、合唱は、新国立劇場合唱団、二期会合唱団、東京オペラシンガーズ、などで耳が慣れている身としては“普通”(すみません)…ということは、おそらくハイレベルと拝察しますが、オケの熱演がもの凄く、そちらに意識が行ってしまいました。

オーケストラはN響メンバーが中心とのことですが、ヴァイオリンもシティ・フィルの戸澤さんや神奈川フィルの崎谷さんなども参加。
オーボエに新日フィルの古部さん、日フィルの杉原さん、フルートにN響の甲斐さんだけでなく、都響の柳原さんなど。
他の楽器も在京オケから参加。
さすがに管楽器奏者は全曲通しは無理で、交代しながらでないともたないので、ということのようです。
古部さんと甲斐さんとか、杉原さんと柳原さんとか、ふだん見れない組み合わせが見れたのも楽し買ったです。
この選抜メンバーから成るオケは、おそらく「他のオケの首席クラスの前で下手な演奏は出来ない」と、いや、むしろ張り合うくらいに演奏してヒートアップしていった側面もあるのではないでしょうか。
冒頭に書いたとおり、“お祭り”かと思ったら“真剣勝負”で驚いた演奏は、全曲一貫していました。

演奏終了が23時55分くらい。
拍手の後、コバケンさんが「あけましておめでとうございます」などとトークをして終演。
ロビーではマロさんを筆頭に小編成で「美しく青きドナウ」を演奏してお開きになりました。

本当に良い“年越し”が出来ました。

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秋山和慶/東響(2017/12/29)

2017年12月29日(金)14:00
サントリーホール

指揮&チェンバロ:秋山和慶
東京交響楽団

(「第九と四季」2017)
ヴァイオリン:服部百音
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:清水華澄
テノール:望月哲也
バス:妻屋秀和
合唱:東響コーラス(合唱指揮:三澤洋史)

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」~春・冬
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」
蛍の光
(アンコール)

ヴァイオリン独奏の服部百音さんは、ガラス細工のような繊細な音から、倍音をたっぷり含んだ音までダイナミックレンジの大きな音。
毎年の若手ソリストの起用は、最近は皆さん十分に作り込んだ演奏が続いていますが(10年1に回くらい、そうでないときがあったり??)、今年も気合の演奏。
水谷コンマスとの掛け合いの場面では、至近距離まで近づいて弾いたり。
欲を言えば、さらに芯のある音になれば尚良いかも…と思いました。

第九については…。
秋山さんの大ファンの私としては、「秋山さんを聴くなら定期演奏会」という近年の個人的な“思い”が払拭されたわけではありませんでした。
ちょっと枯淡の境地のようになった部分もあり、それはそれで味わい深いのですが、尻上がりに気合もみなぎり、特に終楽章の終結部は5~6年前の秋山さんを想起させるように白熱になったことを思うと…。
今どきは珍しくなった感もある、ピリオドスタイルが登場する前の20世紀の主流のスタイル。

ソプラノは当初、ディミトラ・テオドッシュウさんが予告されていましたが、会場に着いたら、澤畑さんに交代を告知する紙がプログラム冊子にはさまれていました。
終演後、他の歌手3人が澤畑さんに拍手を贈っていたのを見ると、急な交代だったのでしょうか。

恒例のアンコールの「蛍の光」清水華澄さんが始めた“独唱者が、順番にP席、LAブロック、RAブロックの方を向いて歌ってくれる”のが当然今年も。
今年はチケット買い遅れて、P席前方では聴けなかったが残念。
来年は清水華澄さんの名前がありません。
清水さんのツィートによると8年間の一区切りとのことでした。

照明を落としたホールにコーラスが持つペンライトの光が幻想的に彩る光景は、毎年のことではありますが、やはりこれを聴かないと、そして見ないと年を越せないと思いました。

長年継続して聴いている身としては、第九は今年が最上ではなかった感もありますが、もしかしたら、私が年末年始の休みに入って1年の疲れがドッと出ている体調で聴いたせいかもしれません。

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2017年12月24日 (日)

ゲッツェル/読響(2017/12/24)

2017年12月24日(日)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:サッシャ・ゲッツェル
読売日本交響楽団

(第99回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
ソプラノ:インガー・ダム=イェンセン 
メゾ・ソプラノ:清水 華澄
テノール:ドミニク・ヴォルティヒ 
バス:妻屋秀和
合唱:新国立劇場合唱団
(合唱指揮:三澤洋史)

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

クリヴィヌさんが振るはずだった演奏会。
それはそれで残念ですが、代役がゲッツェルさんと聞いて「おっ、それはそれで楽しみ!」となった方が多かったようです。
私もその一人です。

開演前の場内アナウンスで「…代わりまして、ウィーン生まれのサッシャ・ゲッツェルが…」と繰り返しているのを聞いて、「わざわざ、ウィーンなんて枕詞を付けなくてもいいのに…」と思った私ですが、演奏を聴いて、音を聴いて、「これは読響さん、ウィーンってつけたかったんだなぁ…」と思いました。

激しく振っても、ティンパニぶっ叩きでも、音が濁らず、しっとり感すら感じさせる音を鳴らすオケ。
ああ、ゲッツェルさんが求めていたのはこういう音だったのか…と。
ノンビブラートではありませんが、ピリオド的な要素を加味しながらもこういう「ウィーン」という言葉を想起する音が鳴るとは…。
結構やりたいことをやっているのに音が突出したり、粗雑になったりしないで、音の均質感がしっかりとしているのは読響の懐の深さかもしれません。

ゲッツェルさんの指揮はそんなに数多く聴いているわけではありませんが、神奈川フィルだけでなくフォルクスオーパーの来日公演のピットでも、こういう調和された極上の音は出ていなかったような??
読響がうまいことは事実ですが、ゲッツェルさんが指揮者としてスケールアップされたということなのかもしれません。

(…と思ったら、二期会「フィガロの結婚」で似たようなことを書いてました。さらには、この年の4月の読響客演のといも似たようなことを書いてました。私の記憶がいかにいい加減なものか…。)

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2017年12月23日 (土)

エッシェンバッハ/N響(2017/12/23)

2017年12月23日(土・祝)15:00
NHKホール

指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
NHK交響楽団

(ベートーヴェン「第9」演奏会)
ソプラノ:市原愛
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:福井 敬
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:東京オペラシンガーズ

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」

ピリオドの“ピ”の字もない演奏だろうと想像して会場に向かいましたが、“ピ”の字くらいはあったかもしれません。

確かに“20世紀の正統派”のスタイル。
しかし、聴感上は、重厚一辺倒ではなく、テカテカに磨き上げられた艶やかさでもなく、“ピュアトーン2と言って良いのか、“素朴系”と言った方が良いのか、若干“腰が高い”印象(悪い意味ではなく)。
もしかしたら、ビブラート控えめ(ゼロではありませんでした)の演奏だったのでしょうか?

こういう前世紀の正統派スタイルで押し通しながらも、ピリオドからのフィードバックは必要に応じて反映するのが現代の指揮者かもしれません。
古くて新しい。
新しいけど伝統の…。

安心して聴いていられて、安心して気分が高揚し、最後には充足感と興奮が待つ、奇をてらわない“熱演”でした。
もしかしたら、計算され、準備された“熱演”だったのかもしれません。
それでも、この指揮者だから、そのオケだから、出来た演奏でしょう。

ただ、私としては、“興奮した”と言うよりは、“味わった”という体感でした。
斜に構えて聴いてすみません。
でも、文字通り“味わい深い”演奏でした。

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2017年12月16日 (土)

フルシャ/都響(2017/12/16)

2017年12月16日(土)19:00
サントリーホール

指揮:ヤクブ・フルシャ
東京都交響楽団
(第845回定期演奏会Bシリーズ)

マルティヌー:交響曲第1番
ブラームス:交響曲第1番

この日は、フルシャさんを迎える客席のテンションが異常なほどでした。
首席客演指揮者としての最後のステージであることは誰もがわかっていました。
私は近年は都響定期は欠席が多く(空席を作ってすみません)、フルシャさんの演奏会もあまり行けませんでした。
よって、会場の“フルシャ愛”の大喝采に取り残され感が満載。
ともあれ、最後だけでも間に合って良かったと言うべきでしょう。

艶やかではない素朴系の音色を折り重ねて壮大な音響を構築したフルシャさんの非凡さは明らか。
興奮と言うよりは、味わい深いと言った方が良い演奏でしたが、燃えるところは燃える。
ブラームスの最後の畳かけはDVDで視たベーム/ウィーン・フィルの1975年の演奏に通じるものがあったと言ったら言い過ぎでしょうか。

演奏終了後の答礼から楽団員さんが起立せずに指揮者に拍手を送る…というのは、私は見たことがありません。
奇をてらわずに王道を行く若手指揮者が、日増しにスケールアップするのを目の当たりに出来た都響会員は、すっかり世界の中堅となって旅立つフルシャ様を一般参賀で送り出す。
…と言うのを、途中を欠席して最後だけキセルのように体験してすみません。

都響B定期は久しぶりですが、相変わらずお客さんは鑑賞マナー抜群ですね。
水を打ったように静か。
当然、フライング拍手やフライングブラボーなし。
第4楽章で何かを床に落としてカランカランと音をさせちゃった方はお気の毒としか言いようがありません。

ただ、フルシャさんの風格は素晴らしいし、都響も見事にそれを音にしたとは思いますが、アンサンブルの完成度が100%完璧だったかというと、ごく一部、かつての都響だったら無かっただろうなぁ…という部分が散見されたような気がするのは、私が過去の記憶を頭の中で美化しているのでしょうか?

もっとも、そうは言っても、特に木管陣、特にオーボエとクラリネットのソロの音色は悶絶しそうなくらいに美しい。
在京オケはどこも木管陣が秀逸ですが(狭き門でしょうし)。

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デュトワ/N響(2017/12/16)

2017年12月16日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:シャルル・デュトワ
NHK交響楽団

(2017横浜定期演奏会)
ソプラノ:アンナ・プロハスカ

ハイドン:交響曲第85番「女王」
細川俊夫:嘆き(2013)
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」

ハイドンのようなメンデルスゾーンと、メンデルスゾーンのようなハイドン??

ハイドンもデュトワさんが振ると、艶やか、カラフルになるのですが、そこは流石にビッグ・ネームのデュトワさん、ちょっと違った角度から曲の本質に迫る。
非ピリオド(でもヴィブラート控えめ?)の演奏ですが、キビキビとしたスピード。
しかも、曲の随所で、まるで場面転換のように音色をガラリと変えて繰り出す“音の風景”。
特に第3楽章で、ブレーキをかけたり、間合いを取ったりする次の瞬間の音色の変化は、まさに指揮棒の魔術師です。

続く細川作品は、ノット監督指揮の東響定期でも聴いた曲。
あのときも打ちのめされた作品ですが、演奏の印象はそれなりに違います。
藤村さんとは違う方向で狂気に通じるくらいのソプラノ独唱。
“手の内に入った”と言うのは月並みな表現ですが、完全に“成りきった”歌唱。
デュトワさんも、ストラヴィンスキーを超越する凶暴性を(矛盾するようですが)スタイリッシュに咆哮させる。
会場大喝采。
2013年に書かれた作品で、字幕もなく、これだけ大喝采になるのは凄い。
そう、凄い曲、凄い演奏でした。

休憩後のメンデルスゾーンは、結構強い音を出すね~、結構激しいね~、ピリオドではないけど加速すると速いね~、というある意味スリリングな演奏。
「ピリオドではないけど」と書きましたが、なんだか、ピリオド・アプローチの古典派の曲を聴いているような気分になりました。
「音が強」と感じるのは、「もしかしてNHK交響楽団ホールがN響のデフォルトだから?」とも思いましたが、私はBプロを聴いたことはないので定かではありません。
こういう演目で聴くと、デュトワさんが単に表面的に綺麗な音鳴らすだけの指揮者ではないことがよくわかります。
(わかってはいますけど、演目によっては、まず、外見上の美しさの方に陶然となってしまうので。)
かつてのサヴァリッシュさんの18番の曲を、今の時代にデュトワさんが指揮するという、N響の伝統と進化を感じる演奏でした。

この日は、開演前と休憩後の楽団員さん入場の際に客席から拍手が起こり、全員揃うまで継続する、「神奈川フィル定期スタイル」の客席でした。
こうしてみると、神奈川フィルがこのホールで定期演奏会を継続していることの重みも感じたりもします。

あと、この日は残念なことに、空席が目立ちました。
6割も入っていなかったと思います。
もともと売れ残っていたのかどうかは存じ上げませんが、この日は東海道線、横須賀線、京浜東北線が運転見合わせでしたので、その影響もあったのかもしれません。
私も京急で横浜へ向かいましたが、家を出る前には、「横浜へたどり着けるのか?」と思いました。

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2017年12月 9日 (土)

デュトワ/N響(2017/12/09)

2017年12月9日(土)15:00
NHKホール

指揮:シャルル・デュトワ
NHK交響楽団

(第1874回定期公演Cプログラム)
ピアノ:ジャン・イヴ・ティボーデ


ストラヴィンスキー:幻想的スケルツォ
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
シューベルト:クーペルヴィーザー・ワルツ変ト長調
(アンコール)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年全曲版)

(ちょっと疲れ気味で、まったり聴いていたので、そのレベルでの感想です。)

冒頭、ストラヴィンスキーながらも優美さ、上品さを感じる演奏で始まり、サン=サーンスも同様。
…と思ったら、終楽章になって、ピアノは急にバリバリ弾き始め、オケも急にゴリゴリ鳴らし始めた(ように感じた)ので、ちょっと襟を正しました。
まさに「君子豹変」。
叩きつけるように弾くピアノに、畳み掛けるように鳴らすオケで、爽快、爽快。

後半の「火の鳥」も、デュトワさんのカラフルサウンド、ここぞという時のパワフルサウンドは、いわば「想定内」なのですが、その「想定」がデッカのCDになった(刷り込まれるくらい聴きました)くらいのものなので、当然、恐れ入りましたと言うしかありません。
その指揮に応えて、音にして見せてくれたN響も含めて。

(…と言いつつ、後半も個人的体調(疲労)で寝落ちしそうなくらいで、「カッチェイ王…」のあたりでようやくシャキッとして聴いたようなものだったので、せっかくの「火の鳥」全曲なのに、実質、気合いを入れて聴けたのは組曲くらいの長さの時間でした。もったいない。…というレベルの感想で、すみません。)

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2017年12月 3日 (日)

デュトワ/N響(2017/12/3)

2017年12月3日(日)14:00
NHKホール

指揮:シャルル・デュトワ
NHK交響楽団

(第1873回定期公演Aプログラム)
ピアノ:ピエール・ロラン・エマール

~ラヴェル没後80年~
ラヴェル:古風なメヌエット
ラヴェル:組曲「クープランの墓」
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ラヴェル:道化師の朝の歌
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ラヴェル:ボレロ

(この日の席は大ハズレ。
鼻すすり夫婦が近くに来て、2-3分に1回は鼻をすする音を聞く羽目になり、音楽に全く集中できず…。
休憩時間に帰ろうかとすら思いました。
しかし、前半、あれだけ鼻をすする音がうるさかった2人が後半は静かになりましたた。

寝ていたわけではありません。
休憩時間に何があったのかわかりませんが、休憩時間に帰らなくて本当に良かったです。
…というわけで、前半の演奏にはノーコメント。)

道化師の朝の歌、スペイン狂詩曲、ボレロは、モントリール響とのCDを繰り返し聴いた曲です。
透明感のある音色の印象はCDの印象そのままですが、部分的に極彩色が添加され、リズムが鮮烈に切れ味抜群の快演。
さらには、そういう“とんがった”部分だけでなく、曲の途中で“だらりと力を抜く”場面の文字通り脱力感の音色やひねりも見事。

ボレロは、最初、かつてに名盤CDよりもゆっくり目のテンポに感じましたが、FM放送の解説で、「デュトワさんは実演だと一定のテンポではなく、少しずつ速度を上げて演奏効果を高める」と伺ったような記憶があります。
この日も、その微妙な速度アップを味わえたかもしれません。
終盤の畳み掛けも涼しい顔で振るデュトワさん(もっとも、随所でうなり声)、涼しい顔で弾いて?壮大な音にしてしまうN響に、脱帽するのみです。

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2017年12月 2日 (土)

ノット/東響(2017/12/02)

2017年12月02日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第656回定期演奏会)
ジャーマン・ホルンサウンド
 ホルン:クリストフ・エス
 ホルン:シュテファン・ショットシュテット
 ホルン:ゼバスティアン・ショル
 ホルン:ティモ・シュタイニンガー

リゲティ:ハンブルク協奏曲~ホルンと室内アンサンブルのための(ソロ:クリストフ・エス)
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック(ソロ:ジャーマン・ホルンサウンド)
ブルックナー(M.ヒルツェ編):4本のホルンのための3つのコラールよりアンダンテ(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

誰が見てもわかるホルン三昧のプログラム。
前半が終わった時点でも結構ロビーの雰囲気は「良い演奏会だねぇ」という明るいものでしたが、その前半の盛り上がりを“過去のもの”にしてしまった英雄交響曲の凄演でした。
この交響曲で、終演後、オケが引き上げた後も拍手はやまず、ノット監督のソロカーテンコールになりました。

何が起こるかわからないノット監督の定期。
何かが起こっていることは確かですが、断続的ならぬ連続的に最初から最後まで何かが起きているので、聴き手は口を半開きにして目の前で起きていることを追いかけるのが精一杯。
ノット監督は暗譜の指揮で、次から次へとキューの出しまくり。
対する水谷コンマスの視線は、もしかしたら楽譜を見ているより指揮を見ている瞬間の方が多かったのでは?というくらい、必死に食らいつく。
演奏終了後は汗を拭かれていたが、さもありなん。

ピリオド、モダンというくくりで言えば、ピリオドの要素を取り入れたモダン…となるのでしょう。
基本、早めののテンポで突っ走る方向の演奏ですが、旋律をおろそかにせず、きちんと歌わせた上での快速テンポ。
ティンパニもバロックティンパニではなかったと見えましたが、堅めの音で時々強打するスタイルは、ピリオドの要素でしょう。
ただ、21世紀の指揮者にとっては、ピリオド、モダンの分類は過去の物になりつつあるのかもしれません。

この、ノット監督、指揮台上で大暴れ…の演奏って、一歩間違えば、“粗雑な爆演”に成り下がるリスクもある演奏家もしれません。
この快速煽りまくりの指揮に、崩壊せずどころか、オケとしての有機的結合体としてよくぞ追従したのは、さすがは東響、さすがはシェフと手兵です。

一点だけ、第4楽章の途中で、弦のトップ奏者だけの演奏にしましたが、あれって、よくある(よくやる)ことなんですかね?
私はちょっと驚きました。
(ついでに、英雄交響曲の弦楽四重奏編曲版とか、NAXOS Music Libraryにないかな?と思ってのぞいてみましたけど、ありませんでした。)

ノット監督のベートーヴェンは、来年も第4番がオペラシティ・シリーズに組まれています。
いずれ、7番とか9番もやる日が来るのでしょうか。
心待ちにしたいと思います。

ところで、英雄交響曲による記憶の上書きで印象が薄くなってしまった前半ですが、これもかなりの好演でした。
リゲティは正直、よくわからない曲でしたが、小編成のオケの中にも4人のホルン奏者。
シューマンはもちろん、4人の独奏ホルン奏者。
高らかに鳴り響くけど、きんきらきんではなく、ちょっとくすんだ音を内包した音色はドイツの森に響く角笛のよう。
シューマンでの独奏はもちろん見事でしたが、バックのオケもかなりのテンションの快演。
手に汗握らずに安心して聴いてられるのは東響が高機能ゆえでしょう…と、その時は思いました。
いまになって思えば、後半の英雄交響曲であれだけの演奏をするのだから、これくらいは出来て当たり前。
導いたのはもちろん、ノット監督ですが、決して力を温存していたわけではなく、舌を巻くような見事な演奏でした。

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川瀬賢太郎/神奈川フィル(2017/12/02)

2017年12月2日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:川瀬賢太郎
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(定期演奏会みなとみらいシリーズ第335回)

ドヴォルザーク:序曲「オセロ」
スーク:組曲「おとぎ話」
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

今の神奈川フィル、特に川瀨さんが振ったときの神奈川フィルの表現力の向上は著しいものがあると言って良いでしょう。
かつて、レスピーギのローマ三部作で、ちょっと音が飽和したような印象もありましたが、今はそんなこともありません。

ただ、前半と後半で比べると、僅差とは言え、後半の方が仕上がりが上。
致し方ないとは言え、ここはやはり、いずれは乗り越えなければならないと思います。
そうは言っても、今の状態が続けば、神奈川フィルには明るい未来が待っているような気がします。
数年前、ラザレフさん着任で、まるで錬金術のように鉛が金に変わりつつあった日フィル(暴言すみません)を想起したりもします。

その前半…。

欲を言えば…(特に金管の弱音)という部分が散見されるのは横に置いて、前半の時点から、神奈川フィルの表現力向上は目を見張るものがあると思いました。
さざめくような弦から、芳香の木管、そして飽和しない強奏。

そして後半…。

やはり、前半での「欲を言えば」の大半が解消されました。
第3楽章までの「しっとり味わい深い」から第4楽章の「ワクワク、ハラハラ、ドキドキ」への豹変も見事な設計です。
表現力向上は、本当に著しい。

…と、なんだか、勝手に型にはめてしまったようですが…。

石田コンマスの独奏は、スリムで透明感のある音色。
違うアプローチもあるかもしれませんが、川瀨さんのどちらかと言うとスタイリッシュな音作りには合っていたと思いました。
思えば2017年10月の定期演奏会の「英雄の生涯」も、コンマスは違えども、ヴァイオリン・ソロを伴う曲でした。
川瀬さんの中では「プログラミングでの連続性」だったのかもしれません。

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