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2018年5月20日 (日)

新国立「フィデリオ」(2018/05/20)

2018年5月20日(日)14:00
新国立劇場



ベートーヴェン:フィデリオ



演出に対するブーイングの嵐は、やった方から見れば大成功、してやったり、でしょう。
音楽が白熱すればするほど、やり切れなさが漂う終結部の舞台。
最後の音が鳴り終わった後、一瞬の間合いを置いて、戸惑ったように始まる拍手。
挿入された序曲「レオノーレ」第3番が、こういう風に聴こえてしまうとは…。



まだ初日なので、ネタバレを回避しようとすると、感想が述べにくくなりますが、まず、どこに注意して観るべきかというと、大臣の到着を知らせるラッパが鳴った直後。
その後は、おいおい、ベートーヴェンの崇高な音楽に、どうしてこういうストーリーをつけるかい!
しかしながら、そのステージ上の光景を目の当たりにしながらベートーヴェンの音楽を聴くと、確かにそういう側面を内包した音楽(ベートーヴェン自身が意図したかどうかは別として)。



最後の方は、ラダメスとアイーダへのオマージュ?と思ったりしましたが、そこだけで終わらず、さらに最後に急展開があり、本当に暗澹たる気分で打ちのめされました。



この日の私は疲労蓄積でめちゃくちゃ体調が悪く、正直、鑑賞を自粛しようかと思ったくらい。
でも、きっとカタリーナ・ワーグナーさんに対するブーイングが出るだろうから、それを生で観たい!と思って、疲れた身体を引きずって、初台に足を運びました。
目的は果たしました。
疲れを音楽で癒されるどころか、余計、疲れが増幅したような気もしますけど。



第1幕の印象が薄くなってしまいましたが、なんと本来お休みのはずのフロレスタン役のステファン・グールドさんが、ずっと地下牢でパントマイムの出ずっぱり。
意外とめまぐるしい動きはない印象でしたが、観客は一点だけ凝視していれば良いわけでもありません。
序曲からパントマイムは、今どきは珍しくもありませんか…。



今の私はヨーロッパ遠征などできない身分なので、負け惜しみではなく、日本に居て、初台で、こういう尖った演出を観れたことを感謝すします。
この演出家を呼べたのは、飯守監督の最大の功績の一つかもしれません。



音楽のこと、歌手のことを全く書きませんでした。
グールドさんの突き抜けた声はやはり別格。
新国立の飯守監督指揮の公演で、終演後、飯守監督のことをほとんど感想を述べない私も珍しいと思われます。



スタッフ
指揮:飯守泰次郎
演出:カタリーナ・ワーグナー
ドラマツルグ:ダニエル・ウェーバー
美術:ユリウス・ゼンメルマン
衣裳:トーマス・カイザー
照明:クリスティアン・ケメトミュラー



キャスト
ドン・フェルナンド:黒田博
ドン・ピツァロ:ゲルト・グロホフスキー
フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ:リカルダ・メルベート
ロッコ:妻屋秀和
マルツェリーネ:石橋栄実
ジャキーノ:鈴木准
囚人1:片寄純也
囚人2:大沼徹
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団

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