コンサート/オペラ2018

2018年6月 2日 (土)

新国立「フィデリオ」(2018/06/02)

2018年6月2日(土)14:00
新国立劇場

ベートーヴェン:フィデリオ

「レオノーレ」序曲第3番が、ショスタコーヴィチの交響曲のように空虚に?響き渡るオペラパレス。

上演も回を重ねて最終日。
演出も消化された様子が、演技にも音楽にも現れ、より完成度の高い舞台に。
初期の稽古から立ち会ったと伝わる飯守監督、ピットの指揮台で舞台の全てを統括していれば、眼前で繰り広げられる惨劇を前に、自身の指揮する音楽に影響が無いわけは無いでしょう。
聴いて、観て、感じて、そう思いました。

第1幕では、ピットの東響の引き締まった響きに加えて、歌手陣も「これまでの私が鑑賞した2回の第1幕は、最終日に体力を温存していたのでは?」と思うほどハイパワーに聞こえたり。
1回目(初日)は4階、2回目(3日目)は3階右側バルコニー、3回目(5日目、最終日)は3階左側バルコニーでの鑑賞だったので、前回まで鑑賞時には見えなかった諸々が見えて楽しいです。
第2幕への伏線もあったのですね。

でも、私の座った3階左側バルコニーからは、ドン・ピツァロがフロレスタンを刺す場面は見えませんでした。

初日はあまりのことに茫然自失状態でしたが、3回目なので、割と冷静に見ることが出来ました。
それでも、終幕の高揚感の音楽が、なんと空虚に響くことか。

戸惑いがちに始まった拍手ですが、カーテンコールは盛り上がりました。
飯守監督の指揮する最高の最終公演になったと思います。

飯守監督、予算が潤沢だったら、もっとやりたいことはあったのだろうなぁ、特にリング…と思ったりもしますが、このプロダクションを実現できたことは本望ではないでしょうか。

飯守監督の時代は、ステファン・グールドの時代でもありました。
カタリーナ・ワーグナーさんの演出に目が行くのは仕方ないとして、突き抜けた圧倒的な声が聞こえると舞台の空気が一気に変わります。

シーズンはまだ「トスカ」が残っているとは言え、新国立のひとつの時代が終わろうとしています。
私は、充足感を感じています。

スタッフ
指揮:飯守泰次郎
演出:カタリーナ・ワーグナー
ドラマツルグ:ダニエル・ウェーバー
美術:ユリウス・ゼンメルマン
衣裳:トーマス・カイザー
照明:クリスティアン・ケメトミュラー

キャスト
ドン・フェルナンド:黒田博
ドン・ピツァロ:ゲルト・グロホフスキー
フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ:リカルダ・メルベート
ロッコ:妻屋秀和
マルツェリーネ:石橋栄実
ジャキーノ:鈴木准
囚人1:片寄純也
囚人2:大沼徹
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団

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2018年5月27日 (日)

新国立「フィデリオ」(2018/05/27)

2018年5月27日(日)14:00
新国立劇場

ベートーヴェン:フィデリオ

2回目の鑑賞なので、音楽に耳を傾ける余裕が出てきました。

第1幕。ピットの東響の筋肉質に引き締まった音が素晴らしい。
重低音一辺倒だけじゃない飯守監督の、ツボを突くような音がビシバシ飛び出します。
舞台が3階層(右端は4階層)で、歌う位置の高低差があるためか、歌手の声は、位置によって印象差がありました。
第2幕になって、グールドさんが声を出すと、その圧倒的な声のスケールは、位置など関係なく突き抜けましたが…。

第3幕のレオーノーレ序曲以降、ピットの飯守監督、煽る、煽る。
その、一見“振り回しているだけ”のような指揮に、おそらく水谷コンマス経由で一糸乱れず追従した東響、本当に素晴らしい。
独唱歌手陣、合唱も、素晴らしい。
いや、もしかしたら初日の演奏もこうだったのかもしれませんが、私は初日は演出に打ちのめされて、音楽に気が行きませんでした。

演出は2回目になると多少観る余裕が出てきました。
まあ、結末を知っている推理小説みたいなものですが、前回、気がつかなかった細かいことに気がついたりもしました。
レオノーレ序曲の間、ブロックを積むだけでなく、もっとパントマイムを入れればいいのに…とか、欲張りなことを思ったりしますが、1回目の鑑賞のときは、目の前の光景を受け入れるだけでした。
おそらくもう1回観ると、さらに慣れるでしょう(?)
こうしてみると、刺激的な演出の賞味期限は、結構短いのかもしれません。
そうは言っても、賛否両論の演出は観ていて面白いです。
私は2回目には肯定派に転じつつありますが、初日は「斬新」と思いつつも「勘弁してよ」という気持ちもありました。

トーキョーリングはもう帰ってきませんが、新国立にカタリーナ・ワーグナーさんを呼んだ飯守監督の功績は、大きい。
飯守監督は、もしかして、予算が潤沢であれば、指輪4作を全てカタリーナ・ワーグナーさんの演出でやりたかったのでは?と思ったりもしました。
任期最後に指揮する作品を「神々の黄昏」にしなかったですし。
「パルジファル」で始まり「フィデリオ」で終わりつつある、新国立の一つの時代…。

スタッフ
指揮:飯守泰次郎
演出:カタリーナ・ワーグナー
ドラマツルグ:ダニエル・ウェーバー
美術:ユリウス・ゼンメルマン
衣裳:トーマス・カイザー
照明:クリスティアン・ケメトミュラー

キャスト
ドン・フェルナンド:黒田博
ドン・ピツァロ:ゲルト・グロホフスキー
フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ:リカルダ・メルベート
ロッコ:妻屋秀和
マルツェリーネ:石橋栄実
ジャキーノ:鈴木准
囚人1:片寄純也
囚人2:大沼徹
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団

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2018年5月20日 (日)

新国立「フィデリオ」(2018/05/20)

2018年5月20日(日)14:00
新国立劇場



ベートーヴェン:フィデリオ



演出に対するブーイングの嵐は、やった方から見れば大成功、してやったり、でしょう。
音楽が白熱すればするほど、やり切れなさが漂う終結部の舞台。
最後の音が鳴り終わった後、一瞬の間合いを置いて、戸惑ったように始まる拍手。
挿入された序曲「レオノーレ」第3番が、こういう風に聴こえてしまうとは…。



まだ初日なので、ネタバレを回避しようとすると、感想が述べにくくなりますが、まず、どこに注意して観るべきかというと、大臣の到着を知らせるラッパが鳴った直後。
その後は、おいおい、ベートーヴェンの崇高な音楽に、どうしてこういうストーリーをつけるかい!
しかしながら、そのステージ上の光景を目の当たりにしながらベートーヴェンの音楽を聴くと、確かにそういう側面を内包した音楽(ベートーヴェン自身が意図したかどうかは別として)。



最後の方は、ラダメスとアイーダへのオマージュ?と思ったりしましたが、そこだけで終わらず、さらに最後に急展開があり、本当に暗澹たる気分で打ちのめされました。



この日の私は疲労蓄積でめちゃくちゃ体調が悪く、正直、鑑賞を自粛しようかと思ったくらい。
でも、きっとカタリーナ・ワーグナーさんに対するブーイングが出るだろうから、それを生で観たい!と思って、疲れた身体を引きずって、初台に足を運びました。
目的は果たしました。
疲れを音楽で癒されるどころか、余計、疲れが増幅したような気もしますけど。



第1幕の印象が薄くなってしまいましたが、なんと本来お休みのはずのフロレスタン役のステファン・グールドさんが、ずっと地下牢でパントマイムの出ずっぱり。
意外とめまぐるしい動きはない印象でしたが、観客は一点だけ凝視していれば良いわけでもありません。
序曲からパントマイムは、今どきは珍しくもありませんか…。



今の私はヨーロッパ遠征などできない身分なので、負け惜しみではなく、日本に居て、初台で、こういう尖った演出を観れたことを感謝すします。
この演出家を呼べたのは、飯守監督の最大の功績の一つかもしれません。



音楽のこと、歌手のことを全く書きませんでした。
グールドさんの突き抜けた声はやはり別格。
新国立の飯守監督指揮の公演で、終演後、飯守監督のことをほとんど感想を述べない私も珍しいと思われます。



スタッフ
指揮:飯守泰次郎
演出:カタリーナ・ワーグナー
ドラマツルグ:ダニエル・ウェーバー
美術:ユリウス・ゼンメルマン
衣裳:トーマス・カイザー
照明:クリスティアン・ケメトミュラー



キャスト
ドン・フェルナンド:黒田博
ドン・ピツァロ:ゲルト・グロホフスキー
フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ:リカルダ・メルベート
ロッコ:妻屋秀和
マルツェリーネ:石橋栄実
ジャキーノ:鈴木准
囚人1:片寄純也
囚人2:大沼徹
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団

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2018年5月19日 (土)

ファレッタ/新日フィル(2018/05/19)

2018年5月19日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:ジョアン・ファレッタ
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第15回RUBY<アフタヌーンコンサート・シリーズ>)
ピアノ:山下洋輔

バーバー:交響曲第1番
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲へ調*
カーニス:ムジカ・セレスティス
コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」

1曲目のバーバーで、「音の溶け合いがいまひとつかも」と思いましたが、その他の曲は無問題。
良い演奏会でした。

個人的体調(疲労)により、集中力が今ひとつだったので、バーバーの感想は省略。

続くガーシュウィンは、鮮烈なリズムがオケから鳴り、「あ、この指揮者は、ハーモニーよりも、こういう方向が得意なのかな?」と思いました(違っていたことは、後半にわかりました)。
山下洋輔さんのソロは、即興を交えてのものと思われ、ピアノソロの部分に入ると、長大で、一瞬、音楽の流れを阻害するようにも感じます。
しかし、聴いているうちに、その長大なピアノソロに引き込まれ、またオケが入ってくると、我に返った、目が覚めたような錯覚。
そして、しばらく進むと、再び長大なソロ…という具合。
最初のうちは「いつ、終わるんだい?」と思ったのが、最後は「いつまでも続いて欲しい」に変わったくらいで、聴き終わったときは、「ようやく終わった」ではな、少し興奮モードで聴いておりました。

会場も同じ気分だったようで、盛大な拍手、山下さんがアンコールを弾くまで続きました。
(アンコール曲、メモ(撮影)してくるのを忘れました。他の方のブログを拝見すると、ガーシュインのサマータイムの自由な即興とのこと、え、あれ、ガーシュインのサマータイムだったんですか?)
なんだか、変幻自在と思っていた協奏曲ですら、枠をはめていたのかな?と思える、スリリングなアンコール演奏でした。

後半の弦楽合奏だけで演奏されたカーニス、そしてフル編成で演奏されたコープランドと、1曲目で感じた「音の調和感がもう少しあれば」は、完全に解消されました。
「格調の高さ」をも感じる音色。

NJPも最近、本当に好調ですねぇ。
指揮者が導いたにせよ、見事に応えています。
錦糸町の客席がこういう風に沸くのも嬉しい限りです。

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2018年5月13日 (日)

パーヴォ・ヤルヴィ/N響(2018/05/13)

2018年5月13日(日)15:00
NHKホール

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
NHK交響楽団

(第1885回定期公演Aプログラム)
ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番~アンダンテ
(アンコール)
シベリウス:交響詩「4つの伝説」

とうとう、NHKホールにこういう音が鳴ってしまったか…と言ったら大げさですが、かなりピリオド寄りの演奏。
ノリントンさんが客演していた頃もピリオド寄りの演奏はありましたが、パーヴォさんの鳴らす音は、あれとは結構違います。
何と言うか、素朴系とでも言うか…。

テツラフさんの独奏とオケの音は、どちらかと言うと同質系で、見事なまでに寄り添います。
ガラス細工のような繊細さの印象が強い演奏でしたが、ここぞという所で太筆でアグレッシブに弾きます。
第1楽章のティンパニが寄り添って演奏されたカデンツァや、第3楽章の最後などは、手に汗握る演奏。
これを体験できただけでも、雨の中、足を運んだ甲斐がありました…ともう終わったような気分の休憩時間。
しかし、後半も凄かった。

「繊細な音の織りなす」「ここぞという所でアグレッシブな」と、文字にすると、なんと前半のベートーヴェンと似たような文字の羅列になってしまします。
しかし、鳴っている音は相当に違います。
音楽の前で言葉の無力さを悟るしかありません。
時代を経てスケールアップされた音楽様式と管弦楽法によって、パーヴォさんが引き出す音は、基本的に同じ方向のアプローチでも、鳴る音はこのようになるということでしょう。

「トゥオネラの白鳥」が本来の位置におさまると…を通り越して、やはりこの曲は4曲からなる連続ドラマだ…というのを音にしてみせた演奏です。
第2曲以降はほとんど間合いをおかずの一気呵成。
さほど有名ではない曲ですが、NHKホールは沸きに沸きました。

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2018年4月29日 (日)

ブロムシュテット/N響(2018/04/29)

2018年4月29日(日)15:30
Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
NHK交響楽団

(N響オーチャード定期第99回)

ベートーヴェン:交響曲第8番
ベートーヴェン:交響曲第7番

今さら…の話しですが、やっぱり私は、オーチャードホールの音響は肌に合わないです…。

ホールの音響で音が丸まってしまった感もありますが、ステージ上で鳴っている音は、おそらく歯切れ良く、かつ弾力性も兼ね備えた音なのでしょう…という脳内補正が必要な私の席。
ともあれ、ブロムシュテットさん、お年を召しても全く枯れない音楽、元気、元気。

第7番も前半同様、ホール音響で音が丸められた感はあるが、快速テンポで突っ走った演奏。
それでいて、旋律の歌い回しに無味乾燥さは皆無。
昔に比べて指揮の動作は減ったとは言え、全く枯れないマエストロのパッションが音に乗り移る。

それだけに、ホール音響がもどかしく感じられたり…。

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2018年4月28日 (土)

パヴェル・コーガン/新日フィル(2018/04/28)

2018年4月28日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

 

指揮:パヴェル・コーガン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第588回定期演奏会トパーズ<トリフォニー・シリーズ>)

 

ボロディン:歌劇「イーゴリ公」~「だったん人の踊り」
グラズノフ:演奏会用ワルツ第1番
チャイコフスキー:スラヴ行進曲
ムソルグスキー(ラヴェル編曲 ):組曲「展覧会の絵 」

音の溶け合い、派手に鳴らす所で音が飽和せずに炸裂するなど、粗雑にならないスケール感が素晴らしい。
NJPの棒への反応も素晴らしい

「ラヴェル編」と言うよりは「ムソルグスキー作曲」の「展覧会の絵」。

前半も含めて、「おっ、何かが起こるぞ!」というざわめきから、意外と正攻法に炸裂してしまう感もありますが(一本調子と言えなくもない)、期待はずれではなく、「想定内」の方向で「想定を超えて」鳴らすのは快感です。

前半に感じた芳香感は、後半の「展覧会の絵」では少々後退しましたが、これは曲の性格ゆえでしょう。

それにしても、指揮者も素晴らしいのでしょうが、NJPの復調は著しいものがあります。
そもそも、狭き門の在京オケの奏者が、下手なはずはありません。
アンサンブルさえ戻れば、こうなることは想定内でしたが、長年待っただけあって、嬉しい限りです。

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高関健/東響(2018/04/28)

2018年4月28日(土)11:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:高関健
東京交響楽団

(モーツァルト・マチネ第33回)

モーツァルト:行進曲ニ長調K.335第1番
モーツァルト:セレナーデ第9番ニ長調K.320 「ポストホルン」
モーツァルト:行進曲ニ長調K.335第2番

「長い曲なので、だらだらやりますので、あまり集中せずお気軽にお聴き下さい」という指揮者のトークとは裏腹に、緊密で歯切れ良く、かつ堂々たる演奏。

ポストホルン・セレナーデの両端に、楽隊の入退場の行進曲を配した選曲。
実際に楽団員さんは順次入場、順次退場。
数人が弾いている室内楽的アンサンブルが、徐々に弾く奏者が増えてフル・オーケストラのシンフォニックなサウンドに、シームレスに変貌する様も、ちょっと得難い体験でした。

ポストホルン・セレナーデは久しぶりに生演奏で聴きましたが(スウィトナーさんの指揮するN響定期以来かもしれません)、貴族の宴のBGMのために作曲された曲とは思えない立派な曲。

「木管の妙技もありますので、良いと思ったら拍手して下さい」という指揮者のトーク通り、楽章間拍手もある暖かい空気の会場でした。

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2018年4月15日 (日)

準・メルクル/マレーシア・フィル(2018/04/15)

2018年4月15日(日)15:00
ペトロナス・フィルハーモニック・ホール
(Dewan Filharmonik PETRONAS)



指揮:準・メルクル
マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団

ピアノ:Melody Quah



ドビュッシー(カプレ編曲):子供の領分(管弦楽版)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」



マレーシアへの出張が土日をはさむスケジュールになりました。
オフとは言え、出張中なので、あまり遊び歩くわけにも行かず、クアラルンプールの街中で過ごしました。
幸い、マレーシア・フィルの演奏会があったので行ってみました。



ホールはツインタワーの下にあり、ツインタワー同様、石油会社が建てたもの。
客席数は900席程度とのことです。
東南アジアの酷暑の街中からホールに入ると、そこは別世界でした。
ただ、入場者数はあまり多くなかったですね。
半分くらいだったかもしれません。



マレーシア・フィルは、各国から奏者を集めて1997年に設立されたオケとのこと。
現在に至っても、個々の奏者の技量は高いけれど、日本のオケを聴き慣れていると、アンサンブルが少しゆるいような気もしました。
ただ、それが弱点かと言うと、そうでもなく、これがオケの個性なのかな、と好意的に聴きました。



ピアニストのMelody Quahさんは、カタカナではメロディー・クァーとか表記すれば良いのでしょうか?
こちらも緻密型ではなく、勢いで弾く印象。
ただしそれも、弱点ではなく個性かなぁと思いました。
指揮者のメルクルさんが、指揮の無い部分でニコニコしながら見守ると、嬉しそうな表情で弾いて、ピアノの音がチャーミングに変貌するという場面もあり、指揮者の力って大きいのねと思ったり…。



会場の拍手はメルクルさんへよりも、Melody Quahさんへの方が熱狂的。
地元で人気なのか、サクラなのか(失礼!)わかりません。
アンコールにメンデルスゾーンの「結婚行進曲」をアレンジ?した曲を演奏しましたが、日本と違って終演後のロビーに「本日のアンコール」の掲示などはなく、詳細不明。



ともあれ、なかなかこのために遠征することはないと思われるし、出張が土日を挟むこともそんなに多くはないので、得がたい経験をしました。



コンサートの前には、ツインタワーに登ってみました。
前々から「登ってみたい」と思っていたので念願がかなったのですが、「1回登ればもういいかな」という思いも…。

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2018年3月31日 (土)

上岡敏之/新日フィル(2018/3/31)

2018年3月31日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:上岡敏之
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第586回定期演奏会トパーズ<トリフォニー・シリーズ>)
ヴァイオリン:豊嶋泰嗣

シューベルト:交響曲第5番
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
シューマン:交響曲第1番「春」
ベートーヴェン:交響曲第4番~第4楽章
(アンコール)

ピリオド・アプローチがメンデルスゾーンやシューマンにまで及んでいる昨今の不調へのアンチテーゼでしょうか。
シューマンは、流麗極まりない演奏です。
エッジを立てず、シームレスにつなげる、流す。
それでいて弾力性や迫力が全く犠牲にならない不思議。
最初は、この調子で最後までやられたた、なよなよした演奏になるのでは?という第一印象は完全に覆りました。
指揮台上の上岡さんの踊るような動きにNJPがほぼ完璧に反応する様を「見る」のも快感でした。

そしてアンコールのベートーヴェンの4番は、シューマンの後に演奏するのに、なんとふさわしいことか!
例によってプログラミングの妙味を感じる演奏会。
一瞬、驚いたものの、聴いてみれば、そういうつなげ方があったか…と。

前半は個人的体調で眠かったので、多くを語る資格はありませんが…。

シューベルトは、シューマン同様に流麗型だったかな?

バルトークは、豊嶋さんの独奏は「きれいに鳴らす」を最優先しているように感じられ、私としては、もう少し“汚い”音も欲しいように感じましたが、これは、豊嶋さんの“狙い”には相容れないのでしょう。
上岡さんの指揮するオーケストラパートの方が変幻自在にスケールアップする中で、コンサートマスターによる独奏付きの交響曲のような…と言ったら言い過ぎでしょうか?
聴き応えありましたけど。

あ、前半、眠かったのに、ちゃんと聴いていたかのように感想を述べてすみません。

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