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2019年5月の3件の記事

2019年5月26日 (日)

ヴァイグレ/読響(2019/05/26)

2019年5月26日(日)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
読売日本交響楽団
(第111回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
チェロ:ユリア・ハーゲン

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
シューマン:チェロ協奏曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~サラバンド(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

在京オケにもう一つ、名コンビ誕生かもしれません。
私はヴァイグレさんは、東京春祭で1回聴いたくらいで、先入観はあまりなかったのですが、「ドイツ正統派とはこういうものだよ」と言わんばかりの音に驚き、

まずはマイスタージンガーの前奏曲。
何というオケの安定感!
どっしりと寸分の狂いもなく構築された演奏。
それが豪腕一辺倒などではなく、安定感を土台にして随所で微細なざわめきが上品なスパイスとして加わる。
(歌劇場のシェフという先入観にとらわれているかもしれませんが)歌劇場の舞台を想起させるような演奏、至福の約10分でした。

続くシューマンの協奏曲は、チェロ独奏のユリア・ハーゲンさんの美音に酔いました。
指揮とオケはソロを立てる側に回った感はありますが(音量も、チェロをかき消さないように抑え目?)、無表情の伴奏ではなく、音がしっかり作り込まれていてソロとオケが遊離しません。
これもまた、至福のひとときでした。

休憩後の英雄交響曲は軽快テンポですが、根底にがっしりとした土台のある聴いていて本当に心地良い演奏です。
もう、ピリオドか、モダンかの二択という時代は終わったのでしょう。

あまり仕掛けはしなくても、音楽自体が物語る…という正攻法でしたが、第3楽章のホルンが急にタメを作って、こってり歌い回して歌劇の角笛みたいになったり、第4楽章で弦のトップ4人だけになったりの仕掛けも土台あってこそです。

昔、歌舞伎役者の方のインタビューで、「型破り」というのは「型」が出来ているから出来ること、「型」が出来ていなくて破るのは「形無し」…という話しを聞いたことがあります。
ヴァイグレさんの演奏を聴いて、極一部の素晴らしい小細工(←ほめているつもり)の「型破り」は、「型」が出来ていいるからだよね~と思いました。

1回聴いただけで断言はできませんが、読響とは相性が良いかもしれません。
そして、こういう演奏が聴けるなら、ヴァイグレさんが振るプログラムがドイツ系偏重であっても構わないとすら思いました。

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2019年5月25日 (土)

ノット/東響(2019/05/25)

2019年5月25日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
(第670回定期演奏会)
ヴァイオリン:ダニエル・ホープ

ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
エルヴィン・シュルホフ:ヴァイオリンのためのソナタ~第2楽章
      アンダンテ・カンタービレ(アンコール)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

ノット監督の指揮する定期だから、何かが起こるはず(想定外を期待)→その通り、何かが起こる(想定外を想定したことは想定内)という贅沢極まりない時間と空間。

…と言うわけで、期待が高いだけに、意外と驚かないのですが、ハイレベルでの話しなので、期待は満たされて終わってみれば演奏中の興奮と演奏終了後の幸福感。
ソロカーテンコールやらなきゃ、皆さん帰れません。

こういう「ハイレベルが日常となっている」という状態がいかに贅沢だったか、後年、きっと思い知ると思います。

…と、演奏のことは筆舌に尽くしがたく、すみません。
ショスタコーヴィチに関しては細部とか、金管楽器の音色とか、突けば何かしらありますが、そんなことで価値がなくなる演奏ではございません。

前半のブリテンは、均整で洗練された響きで始まり、途中でたがが外れたかのように、…いや、リミッターを解除したかのように、音の濁りを恐れずに畳み掛け、後はハイテンションを維持して静かな終結へ、オケも独奏Vnも。
こちらも、言葉で形容しがたい演奏でした。

2曲を並べたプログラミングの妙に加えて、ソリスト・アンコールも絶妙で、ホープさんのナイス・チョイスで、2曲を並べたプログラミングの妙となり、めでたし、めでたし。

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2019年5月18日 (土)

ノット/東響(2019/05/18)

  2019年5月18日(土)14:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
(東京オペラシティシリーズ第109回)
フルート:相澤政宏(東京交響楽団首席奏者)
チェロ:エリック・マリア・クテュリエ

ブーレーズ:メモリアーレ
ヤン・ロビン:クォーク~チェロと大編成オーケストラのための
ベートーヴェン:交響曲第7番

御無沙汰いたしました。
鑑賞自粛を解除した最初の演奏会で、とんでもないものを聴いてしまいまいsた。

まずは前半。
すみません、ブーレーズの曲、演奏の印象が、どこかへ行ってしまいました。
2曲目のクォークという曲、独奏チェロが特殊奏法で…というのはプログラム冊子に書いてあって、事前に読んではいましたが、オーケストラだって特殊奏法あり。
いや、独奏チェロは「特殊奏法だけ」だったのかもしれませんが…。

その、聴き慣れないチェロの音に絡むオケの音が、大音量だったり、鋭い一撃だったり、ふわっとチェロ独奏を包んだり…。
この炸裂する音響が、「とりあえず珍しい曲を音にしてみました」という演奏ではなく、独奏チェロは暗譜での演奏、気迫、入魂の演奏で弾かれる。
何が起きたのか思い出せないくらいの壮絶な曲、壮絶な熱演。
こんな前衛的な曲なのに(2016年初演の曲とのこと)、演奏終了後の客席は、ブラボーの嵐の熱狂。

プログラム冊子にもありましたが、革新的なベートーヴェンの前に、こういう曲を持ってきて、こういう演奏を導いたノット監督、さすがのプログラミングの妙です。

で、後半のベートーヴェンの7番は、かつて3番でとんでもない名演を聴いた者としては、期待が高まるのは当然。
まあ、想定通りに良かったです、なのですが、その想定が元々ハイレベルに置かれているので、やはり、とてつもない体験でございました。
出だしは一見(一聴?)、正攻法ですが、その正攻法にスパイスを加えながら、そのスパイスの量を徐々に増やし、ぐいぐい引っ張り、予定調和の演奏なのに爆演一歩手前、アンサンブルは、ちょっと間違えれば崩壊する手前、の緊張感、推進力という興奮もの。

第1楽章と第2楽章、第3楽章と第4楽章は間合いを置かず、続けての演奏。
最後は意外とあっさり…という体感ですが、元々、ず~~っとハイテンションの演奏がここまで持続しているので、(さらに煽るという選択肢もあったでしょうが)さらに煽る必要はなかったということで、気が抜けた尻切れトンボの演奏では決してありません。

当然、終演後はノット監督のソロカーテンコール。
私の自粛解除初日は大当たりとなりました。

なお、その個人的な鑑賞自粛の件ですが、3月下旬に風邪をひいた後、いつまでたっても咳が止まらず、結局、咳ぜんそくと診断されました。
激しく咳き込むので、演奏会の鑑賞は絶対に無理。
咳で体力を消耗するのに加えて気管支も狭まっているのか、血中酸素飽和度も低めで、疲労感が強く、体調不良。
一時は、ゴールデンウィークの連休中の旅行もキャンセルしようかと思ったくらいでした。
幸い、ゴールデンウイークが始まった頃には、咳は残っているものの、体調は上向きになり、旅行(遠征ではなく、演奏会鑑賞は含まれていませんでした)は行きました。
連休があけて数日して、咳もかなりおさまり、ようやくこの日、鑑賞自粛を解除したのでした。

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