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2019年7月の4件の記事

2019年7月27日 (土)

ノット/東響(2019/07/27)

2019年7月29日(土)15:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2019
東京交響楽団オープニングコンサート
指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
ピアノ:タマラ・ステファノヴィッチ

バリー・グレイ:「ザ・ベスト・オブ・サンダーバード」
        ~ジョナサン・ノット スペシャル・セレクション
        (オリジナル・サウンドトラックより)
リゲティ:ピアノ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第1番

何も、貴重なノット監督と東響の時間を、サンダーバードに費やさなくても…という感はなくもないですが、ノット監督クラスの指揮者が本気になって指揮すれば、ここまで立派な音になるという冒頭。

続くリゲティのピアノ協奏曲は、本来、複雑極まりない曲と拝察いたしますが、複雑さを内包しながらも音楽になっている曲…に鳴る演奏。
もう少し、分析的に、高分解能で聴いてみたい気もしますが、まあ、背後で超複雑なことをやっているのに音は明瞭に分離しない、あえて均質感を狙ったかのような演奏。
これはこれで、初演後、何十年も経って、本来、現代音楽ではなく、近代音楽に位置づけられてもおかしくないので、こういうアプローチもありでしょう。

ノット監督にいつもワクワクドキドキの私ですが、前半は割と冷静に聴いていました。
しかし!!

ベートーヴェンの交響曲第1番が、これまた凄かった。

2017年12月の定期演奏会で、「え?エロイカでソロカーテンコールって珍しいのでは?」と思いましたが。こんどは第1番でソロカーテンコールですよ。
この年の5月に聴いた7番に負けず劣らずの、大技、小技の畳み掛ける連射。
どこがどうたったなんて覚えていないですが、最初から最後まで、刺激感満載。
それが、きちんとした基本構成が立派に出来上がっている腕に載せた即興風(楽団員さんのツィートを拝見すると、練習中には隠していたアドリブがあったとか)のスパイスを効かせているのだからたまりません。
会場は大興奮。
ベートーヴェンは最初から革新的だったということをリゲティと並べて提示したかのような快演。
監督の手足となった東響の瞬発力も特筆モノです。
当然、必然のソロカーテンコールですが、でも、1番で、ですよ。

監督がサマーミューザのオープニングを振れるスケジュールで来日していることを心から感謝しまし。
もっとも、監督からすれば、オープニングを他の指揮者に譲るわけにはいかない、かもしれません??
東響がこれだけ俊敏に反応し、定期塩素会も含めて、これだけ聴衆から好意的に迎えられ、毎回のようにソロカーテンコールが続けば、さぞかし嬉しいことでしょう。


2019年7月27日(土)13:55
ミューザ川崎シンフォニーホール歓喜の広場

指揮:ジョナサン・ノット
演奏:東京交響楽団のメンバー

三澤慶:「音楽のまちのファンファーレ」
    ~フェスタ サマーミューザ KAWASAKIによせて~

なお、サマーミューザのオープニングの日には、オープニング・ファンファーレが演奏されています。
私はなぜか、これまで1回も聴いたことがありませんでした。
今回、初めて聴きましたが、なんとなんと、こんなに堂々たる音響で鳴り渡るとは…。
今まで聴かないで、大損をしていたかもしれません。

もちろん、れっきとした高水準オケの東響メンバーで、さらには監督が指揮するだけでさらに音は変わるでしょうから、この音響は想像できたはずですの私ですが、なめていました。
すいません。

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2019年7月20日 (土)

ノット/東響(2019/07/20)

2019年7月20日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
(第672回 定期演奏会)
ソプラノ:サラ・ウェゲナー
メゾソプラノ:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
合唱:東響コーラス

J.シュトラウスⅡ:芸術家の生涯
リゲティ:レクイエム
タリス:スペム・イン・アリウム(40声のモテット)
R.シュトラウス:死と変容

リゲティとタリスで東響コーラスが歌いましたが、日頃は暗譜での歌唱が多い東響コーラスが、楽譜を手に持って歌った曲でした…ということが曲の複雑性を物語る??

リゲティのレクイエムは、断じて理解できたなどとは申しませんが、感じることはできました。
何と言いますか…。
サントリーホールの空間を異空間に変え、その空間を支配する曲。
1965年初演とのことなので、もう“現代音楽”ではないような気もしますが、私にとっては十分に斬新。
例えそうであっても、演奏の力というのは大きいもので、指揮者が本気で指揮し、オケや歌手が本気で演奏、歌唱すれば、聴衆の心を揺さぶるという…。

続くタリス(合唱のみ)は、一転して耳に快いメロディーですが、プログラム冊子によると、「ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス」×8パート=40声部とのことで、耳に心地良い均質感の中は、複雑な動きをした上での調和、という曲。

そして、R.シュトラウスは、静かな部分と激しい部分の対比が素晴らしい。

一見、無造作に4曲並べたようでいて、聴けば、起承転結ならぬ、起「転」「承」結になっているというノット・ワールド、with 東響コーラス!
飲み込まれてしまいました。

こうして聴いてみると、1曲目から4曲目まで、なんとなくつながってる感…だけでなく、もしも翌日の川崎定期も続けて聴けば(私は聴けませんけど)、4曲目のR.シュトラウスから1曲目のJ.シュトラウスⅡへもつながっているのでは?と思えた1曲めの演奏。
先入観のせいかもしれませんけど、なんとなく、楽しいだけじゃなく、もの悲しさを内包した演奏だったかもしれません。

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上岡敏之/新日本フィル(2019/07/20)

2019年7月20日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:上岡敏之
新日本フィルハーモニー交響楽団
(第608回定期演奏会・トパーズ<トリフォニー・シリーズ>)
ピアノ:マリアム・バタシヴィリ

ビゼー:交響曲ハ長調
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番
パデレフスキ:メヌエット(アンコール)
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」組曲
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
ドビュッシー:管弦楽のための「映像」
       ~「イベリア」第3曲「祭りの日の朝」
(アンコール)

1曲目から、弾けるような楽しさで始まった演奏会。
「弾ける」と言っても、弾力的な響きではなく、シャープでやや硬質な音。
2曲目のソリストも、のめり込むように弾き、ピアノも指揮者もオケも、はじけちゃって、もう大変、楽しい。
それでも、ノリノリ一辺倒ではなくて、力を抜くときの絶妙の弱音のニュアンスも織り交ぜています。

後半は「マ・メール・ロワ」の柔と「ダフニスとクロエ」の剛を描き分けた感もありますが、やや硬質感のある音が「ダフニスとクロエ」の終曲の炸裂に極めて効果的。
前週の指揮者、ヴェネツィさんのファリャの色彩感とは少し違う響きのNJP、今さら…ですが、指揮者によってオケの音がガラリと変わることを目の当たりにするとともに、NJPが好調を維持していて嬉しい限りです。

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2019年7月13日 (土)

ヴェネツィ/新日本フィル(2019/07/13)

2019年7月13日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:ベアトリーチェ・ヴェネツィ
新日本フィルハーモニー交響楽団
(第24回ルビー アフタヌーン・コンサート・シリーズ)
ハープ:吉野直子
メゾ・ソプラノ:池田香織

ニーノ・ロータ:組曲「道」より抜粋
ヒナステラ:ハープ協奏曲
アッセルマン:泉(アンコール)
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲
プッチーニ:歌劇「妖精ヴィッリ」間奏曲(アンコール)

連続券で買っていたから行きましたが(すみません)、日頃の私ならノーマークの演奏会だったことでしょう。
よって、斜に構えて「お手並み拝見」という感じで席につきましたが(すみません)、とんでもない、驚異的と言って良い演奏に度肝を抜かれました。

ただ、「会場も大半がそんな感じ(お手並み拝見)だったのでは?」とも思いました。
終演後の熱狂的な拍手とブラボー。

そう、特に後半の「三角帽子」です。
オケを南欧の陽光を想起させるカラフルサウンドに染め、瞬発力のある炸裂するリズムを刻みながら粗雑にならない音の処理をしてみせた指揮者の力量に脱帽です。
それを音にした新日本フィルもさすが。
これは凄い、驚きました。

池田香織さんは、1回目は舞台上手(右側)後方での歌唱。
2回目は舞台裏、下手(左側)の扉を開けての歌唱。
ただ、私の席は上手側バルコニーで、舞台上手(右側)後方での歌唱では、直接音はあまり来ない位置での鑑賞となったため、音像が定まらない印象。
逆に、音像をぼかす効果のはずの舞台裏、下手(左側)の扉を開けての歌唱は、上手側バルコニーには音が比較的直線的に届くという…。
池田さんの歌唱のことではなく、ホール音響的なことに感心が行ってしまいましたが、どこで歌うかの決定権は指揮者にあるはず。
まあ、1階席中央の聴衆を想定しての音響設計だったのでしょう。
これだけは、「久しぶりに池田さんの歌唱を聴ける」と思っていたので、ちょっと残念でした。

前半は、ニーノ・ロータの曲で始まりました。
スカッと爽快系の音ですが、やっぱり軽めの曲なのかな。
ヒナステラと比べると、そして後半のファリャと比べると、音の深みが違う感じがしました。

ヒナステラでの吉野さんの音は、もう人間国宝ものの老大家の至芸の域に達してしまったかのような絶妙さです。
ハープの音が、単に美しいだけでなく、こんなに深みがあるとは…。

池田さんをちょい役で起用するという贅沢、吉野さんを呼ぶ贅沢、結構な贅沢な人選と思いますが、指揮者も代役なのにわざわざ海外から招聘だけのことはあったのかもしれません。
ヴェネツィさん、斜に構えて足を運んですみませんでした。

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