コンサート/オペラ2019

2019年9月 7日 (土)

鈴木秀美/札響(2019/09/07)

2019年9月7日(土)14:00
札幌コンサートホールKitara

指揮:鈴木秀美
札幌交響楽団
(森の響フレンドコンサート/札響名曲シリーズ「今度こそ!鈴木秀美」)

C.P.E.バッハ:シンフォニアト長調
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
ドヴォルザーク:交響曲第8番
ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」~第3楽章(アンコール)

この演奏会、前年の同じ時期に予定されていたものです。
直前に地震があり、中止になりました。
私はチケットも航空券も買ってありましたが、チケットはもちろん、航空券も手数料無しで払い戻し。
タイトルの「今度こそ!」は、1年ぶりのリベンジを表しています。

私は、当初、スケジュール的に鑑賞は無理だろうと思っていたのですが、仁川空港から千歳空港へのアシアナ航空直行便に乗れば、開演に間に合うことに気がつきました。
選択肢がある以上、選択しない選択はない(←わけのわからない文章ですみません)。
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…というわけで、ロッテ・コンサートホール、Kitaraと、永田音響設計の生み出したホールの連続鑑賞となりました(国内では珍しいことではないですけどね)。

まずは前半。ハイドン(以降の古典派作曲家)の出発点のようなC.P.E.バッハとハイドンを並べて聴くと、さすがにハイドン最後の交響曲ですから曲の刺激度は全然違いますが、C.P.E.バッハも、過去の陳列物にしてしまうにはもったいないですね。
曲がいっぱいあって、CDを集めても全部聴くのは大変そうですが。

で、ハイドンですが、秀美さんなので、当然、ピリオド系の演奏で、意表を突く表現満載の曲を、その通りに指揮するだけで楽しくワクワクなのですが、第3楽章から第4楽章をアタッカで演奏するとは思わず、やられた!、と。
(秀美さんの指揮するこの曲は私はこれまで未聴でした。)

後半のドヴォルザークは、この曲が秀美さんのピリオド系で演奏されると、ハイドンの直系の孫のように聞こえる…という単純なものでもなくて、当然そこからはみ出るものもあるわけで(たとえば、たっぷり歌う旋律美)、その対比が面白い。
東欧という地域的な雰囲気を前面に出した演奏ではなありませんが、こういうピリオド系の音色は“素朴系”でもあり、ドヴォルザークの本質をついているかも、と思いました。
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なお、エリシュカさんの訃報、ロビーに掲示がありました。
私は結局、都響との演奏会1回しか聴けませんでしたが。
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2019年9月 6日 (金)

マンフレート・ホーネック/ソウル・フィル(2019/09/06)

2019年9月6日(金)20:00
ロッテ・コンサートホール

指揮:マンフレート・ホーネック
ソウル・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:クリスチャン・テツラフ

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番
      ~第3曲ガヴォット
(アンコール)

マーラー:交響曲第1番「巨人」

君子豹変。
マンフレート・ホーネックは、君子豹変の連続、そして豹変した後の煽りは半端ない。
交響曲だけでなく、協奏曲でも。

まず、協奏曲では、独奏ヴァイオリンの透明感極まる美音に耳を奪われます。
決して濁った音を出さない。
美弱音を駆使し、美しい、美しい。
オケは、これまた細心の注意の微弱音。
そして、その美弱音から、あっと言う間に煽りの近いスケールアップする。
久しく聴いていなかったマンフレート・ホーネックさん、10年ぶりなので、風貌はお年を召した印象でしたが、指揮の動作はしなやかで激しく、前回鑑賞時の印象おんままかもしれません。

交響曲では、最初に書いた「君子豹変」の連続、連射。
豹変する前は、美しい美弱音だったり、たっぷりと、そして切々と歌う旋律だったり。
そして、豹変した後は激しい、激しい。
その興奮させられ方が半端ない。
会場大興奮、スタンディングオベーション多数の熱狂。
ホーネックさんも、終演後のカーテンコール時は、聴衆の反応に本当に嬉しそう。

ホーネックさんが読響に客演しなくなって久しく、聴いてみたくてソウルまで行きましたが、行って良かったと思うと同時に、読響との共演は、もう過去の歴史になってしまっていることに一抹の寂しさを感じました。

なお、ロッテ・コンサートホール、ホールの写真は撮ってはいけなかったようですが、撮ってしまいました。
韓国語はわからないのですが、撮っていたら、注意されたっぽい。
(ちなみに、レセプショニストさん、開演前は、あれこれ、うるさいくらい、聴衆を注意しまくり。背もたれに背を付けて鑑賞するようにいわれているっぽい人も居ました。座席移動のチェックも結構厳しく注意していたようでした。)
後で教えていただいた話しだと、開演前の撮影はNG、カーテンコール時の撮影はOKとのこと。
日本と逆ですかね。
音響は、ミューザとかとは微妙に違います。
分解能はあるのにぬくもりと弾力性を感じる音響で好感でした。
ミューザとサントリーを足して2で割ったと言ったら乱暴でしょうか。

この演奏会、チケットはソウル・フィルの公式サイトで予約、購入し、当日、カウンターで受け取りました。
カウンターの方には英語で話しかけましたが、私が日本人だとわかると、日本語で対応してくださいました。

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2019年8月15日 (木)

コティス/シンガポール響(2019/08/15)

2019年8月15日(木)19:30
エスプラネード・コンサートホール

指揮:ジェシカ・コティス
Jessica Cottis, conductor
シンガポール交響楽団
Singapore Symphony Orchestra
チェロ:ジャン・ワン
Wang Jian, cello

ジョイス・コー:one point six one eight zero(シンガポール響委嘱)
JOYCE KOH : one point six one eight zero (SSO Commission)
ティエン・チュウ:チェロ協奏曲「Flowing Sleeves」
ZHOU TIAN : Cello Concerto "Flowing Sleeves"
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~サラバンド(アンコール)
J.S.BACH : Cello Suites No.1 - Sarabande (Encore)
ドヴォルザーク:交響曲第8番
DVOŘÁK : Symphony No.8

今回のシンガポール行きは“遠征”ではなく旅行ですが、たまたまシンガポール交響楽団の定期演奏会がありました。
会場のエスプラネード・コンサートホールは、地下鉄の駅からは少し離れたところにありますが、地下通路でつながっていて、エアコンの効いた涼しい場所をあるいて行けて嬉しいです。
香港の香港文化中心もそうでしたが、利便性は良いですね。
東京では、地下通路でつながっているのは、駅至近の東京芸術劇場の他に、どこかありましたっけ?
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そのエスプラネード・コンサートホールのロビーからはマーライオンが見えました。
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今回は、旅行の「ついでに」聴こうか、という程度の軽い気持ちで足を運びましたが(すみません)、さすがは定期演奏会、気合いの入った素晴らしい演奏でした。

1曲目の委嘱作品は、5分くらいの短い曲。
演奏は献身的に曲に向き合ったとは思いますが、1曲めで会場の空気もまだ十分にほぐれないうちの演奏で、ちょっと不利でしたかね。
演奏終了後は作曲者も舞台に呼ばれましたが、カーテンコール無しで拍手はおさまってしまい、ちょっと儀礼的なものにとどまた感はありました。
(そんな中、客席の一部だけ熱狂的に歓声が飛んで、“お取り巻き”がいたのかな?と邪推したり。)
…というわけで、曲を味わう間もなく終わってしまって、私には感想を語る資格はございません。

2曲目のチェロ協奏曲は、(2018)とあるので、めちゃくちゃ最近の曲ですね。
耳あたりの良い曲で、前衛的要素があったのか、なかったのか、私にはわかりませんが、後期ロマン派の音楽だよと言われても、ああそうですか、と言ってしまいそう。
でも、そんなことはどうでもいいのでした。
ソロのワンさんはかなりの熱演で、オケもそれに追従。
特に終楽章の畳み掛けるような快速の音楽に会場は大いに湧きました。
こちらも作曲家が演奏終了後に舞台に呼ばれ、カーテンコール複数回に、ソリストアンコールまでありました。

どちらも作曲家隣席の演奏で、1曲目はカーテンコール全くなしという、聴衆の反応は素直と言うか、残酷と言うか。
演奏も、1曲目は「とりあえず鳴らしてみました」と言ったら失礼かな。
2曲目は入魂の熱演だから、やはり音楽において、演奏家の存在がいかに大きいかを物語りますね。

そして、休憩後のドヴォルザークが、なんとなんと、目から鱗が落ちると言ったら言い過ぎかもしれませんが、この曲を分化能高く鳴らすとこうなるんだ!ろいう演奏。
土俗的ではなく、モダンでスタイリッシュに、音の輪郭をくっきりと演奏。
さらにアクセルを踏むように煽ると、ここまで興奮させられるという素晴らしい演奏。

指揮のコティスさんは、演奏中はこわそうな顔で指揮するのに(ちっとも楽しそうじゃなくて、怖い先生のような感じ)、楽団員は楽しそうに演奏し、かつ棒への反応もすこぶる良く、終演後は笑顔で指揮者に拍手を贈っていました。

演奏中はこわもての女性教師のようだったのが、演奏終了後はニコニコしてチャーイングな女性に早変わり。
オケの献身的な演奏にも満足していたようで、拍手の代わりに指揮棒で譜面を叩いて、ねぎらっていました。
私は今までノーマークでしたが、ちょっと気になる指揮者になったかもしれません。

というわけで、非常に満足度の高い演奏会でした。

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2019年8月11日 (日)

エッティンガー/東フィル(2019/08/11)

2019年8月11日(日)15:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2019
指揮:ダン・エッティンガー
東京フィルハーモニー交響楽団
フルート:高木綾子

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕前奏曲
モーツァルト:フルート協奏曲第1番
ドビュッシー:シランクス(アンコール)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

私が東フィルを生で聴くのは超久しぶり。
そうそう、東フィルってこういう音だったよね、という…。
音が強め(物理的にではなく?)でぐいぐいと…?

マイスタージンガーは、どっしり堂々とではなく、骨格を際立たせたような演奏と言えば良いのでしょうか。
ただ、私は、ヴァイグレさん指揮の読響のような演奏の方が好みでございまして…。
(演奏会が終わった今にして思えば、このときから「悲愴」での違和感は始まっていたのかも。)

モーツァルトは、ソロもオケも、ピリオド系の要素含有率極少?
これはこれでありですし、聴いているうちに徐々に幸福感に包まれてくる演奏でした。

で、後半の「悲愴」は、スケールの大きな演奏で会場大喝采…でしたが、どうも私はピンときませんでした。
たしかに、第2楽章とか、第4楽章とか、旋律を強調するところはぐっとくるものがありましたが(←語彙不足ですみません)、もう少し何か際立たせるものがあっても良いような…。
単に大きな音を出して、身体を揺らして弾くだけではなくて…。
(そういう意味では、クラリネットの方のソロは、素晴らしかったです。)
変なところでタメを作るし(私のツボにハマれば絶賛したかもしれませんが、残念ながらハマりませんでした)…。
しかも、ミューザの音響なのに、オケの音の分解能も低く感じたり…。
ネガティブですみません。
繰り返しますが、会場は大喝采。
きっと私の体調と精神状態がよろしくなかったのでしょう。

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2019年8月 4日 (日)

下野竜也/新日フィル(2019/08/04)

2019年8月4日(日)16:00
すみだトリフォニーホール

下野竜也プレゼンツ!音楽の魅力発見プロジェクト第6回
オーケストラ付レクチャー
指揮・お話・企画監修:下野竜也
新日本フィルハーモニー交響楽団

チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
ベートーヴェン(野本洋介編):ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
               ~第2楽章(アンコール)

この日はお寺での合同お盆法要からのハシゴで、慣れている(?)演奏会2つのハシゴと違って少し疲れ気味。
よって、私は感想を書く資格はないかもしれませんが…。

冒頭、いきなり、トリスタンとイゾルデの音楽が鳴り、上述の通り、頭が切り替わっていない私は「あれ?1曲目があったんだっけ??」と、まんまとひっかかりました。
その後のトーク(レクチャー)で、悲愴交響曲の中に出てくるトリスタン和音の説明の伏線でした。
下野さんのお話しは、例によって、おもしろい。
いろいろ面白い仕掛けもありました。
「ネットに書かないように」という下野さんの言葉はジョークだと思いますが、…。

休憩後の本編の演奏は、曲の特異性を語った前半レクチャーに対して、その特異性をあまり感じさせない、スケール感を感じさせる、構築された演奏。
感情的と言うよりは、楽譜を音にして鳴らせば「曲そのものが語る」といった感じでしょうか。
下野さん、久しぶりに聴いた気がしますが、音楽がさらにスケールアップしたでしょうか?

アンコールの編曲ものは、う~ん、私は原曲の方が好きかな。

…というわけで、ちょっと気疲れした身体を引きずって、猛暑の中、足を運んだ甲斐がありました。

ただ、ホールの運営にはちょっと疑問が…。
15:30開場予定で。ホール前は結構な人が集まっていて、かつ酷暑で汗を拭き拭き待っている状態ですが、中の方々は涼しい空間で談笑しており、少し早めに開場しようなんていう気はさらさらない。
それでも、15:30ピッタリに開場するならまだしも、15:30になっても開場せず、「まだかい?」と思いながら見ていたら、「何を見ているんだ?」という目で私を見返す女性(入口でプログラム冊子を渡す係の方)まで居る。
1~2分過ぎてようやく開場。
たかが1~2分ですが、酷暑の中はつらい。
単に時間にルーズなだけですかね?
まあ、入場を待たせなければならない主催者側の事情とかがあったのでしょう??
酷暑で、こんなことが気になってしまい、申しわけございません。

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2019年7月27日 (土)

ノット/東響(2019/07/27)

2019年7月29日(土)15:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2019
東京交響楽団オープニングコンサート
指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
ピアノ:タマラ・ステファノヴィッチ

バリー・グレイ:「ザ・ベスト・オブ・サンダーバード」
        ~ジョナサン・ノット スペシャル・セレクション
        (オリジナル・サウンドトラックより)
リゲティ:ピアノ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第1番

何も、貴重なノット監督と東響の時間を、サンダーバードに費やさなくても…という感はなくもないですが、ノット監督クラスの指揮者が本気になって指揮すれば、ここまで立派な音になるという冒頭。

続くリゲティのピアノ協奏曲は、本来、複雑極まりない曲と拝察いたしますが、複雑さを内包しながらも音楽になっている曲…に鳴る演奏。
もう少し、分析的に、高分解能で聴いてみたい気もしますが、まあ、背後で超複雑なことをやっているのに音は明瞭に分離しない、あえて均質感を狙ったかのような演奏。
これはこれで、初演後、何十年も経って、本来、現代音楽ではなく、近代音楽に位置づけられてもおかしくないので、こういうアプローチもありでしょう。

ノット監督にいつもワクワクドキドキの私ですが、前半は割と冷静に聴いていました。
しかし!!

ベートーヴェンの交響曲第1番が、これまた凄かった。

2017年12月の定期演奏会で、「え?エロイカでソロカーテンコールって珍しいのでは?」と思いましたが。こんどは第1番でソロカーテンコールですよ。
この年の5月に聴いた7番に負けず劣らずの、大技、小技の畳み掛ける連射。
どこがどうたったなんて覚えていないですが、最初から最後まで、刺激感満載。
それが、きちんとした基本構成が立派に出来上がっている腕に載せた即興風(楽団員さんのツィートを拝見すると、練習中には隠していたアドリブがあったとか)のスパイスを効かせているのだからたまりません。
会場は大興奮。
ベートーヴェンは最初から革新的だったということをリゲティと並べて提示したかのような快演。
監督の手足となった東響の瞬発力も特筆モノです。
当然、必然のソロカーテンコールですが、でも、1番で、ですよ。

監督がサマーミューザのオープニングを振れるスケジュールで来日していることを心から感謝しまし。
もっとも、監督からすれば、オープニングを他の指揮者に譲るわけにはいかない、かもしれません??
東響がこれだけ俊敏に反応し、定期塩素会も含めて、これだけ聴衆から好意的に迎えられ、毎回のようにソロカーテンコールが続けば、さぞかし嬉しいことでしょう。


2019年7月27日(土)13:55
ミューザ川崎シンフォニーホール歓喜の広場

指揮:ジョナサン・ノット
演奏:東京交響楽団のメンバー

三澤慶:「音楽のまちのファンファーレ」
    ~フェスタ サマーミューザ KAWASAKIによせて~

なお、サマーミューザのオープニングの日には、オープニング・ファンファーレが演奏されています。
私はなぜか、これまで1回も聴いたことがありませんでした。
今回、初めて聴きましたが、なんとなんと、こんなに堂々たる音響で鳴り渡るとは…。
今まで聴かないで、大損をしていたかもしれません。

もちろん、れっきとした高水準オケの東響メンバーで、さらには監督が指揮するだけでさらに音は変わるでしょうから、この音響は想像できたはずですの私ですが、なめていました。
すいません。

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2019年7月20日 (土)

ノット/東響(2019/07/20)

2019年7月20日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
(第672回 定期演奏会)
ソプラノ:サラ・ウェゲナー
メゾソプラノ:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
合唱:東響コーラス

J.シュトラウスⅡ:芸術家の生涯
リゲティ:レクイエム
タリス:スペム・イン・アリウム(40声のモテット)
R.シュトラウス:死と変容

リゲティとタリスで東響コーラスが歌いましたが、日頃は暗譜での歌唱が多い東響コーラスが、楽譜を手に持って歌った曲でした…ということが曲の複雑性を物語る??

リゲティのレクイエムは、断じて理解できたなどとは申しませんが、感じることはできました。
何と言いますか…。
サントリーホールの空間を異空間に変え、その空間を支配する曲。
1965年初演とのことなので、もう“現代音楽”ではないような気もしますが、私にとっては十分に斬新。
例えそうであっても、演奏の力というのは大きいもので、指揮者が本気で指揮し、オケや歌手が本気で演奏、歌唱すれば、聴衆の心を揺さぶるという…。

続くタリス(合唱のみ)は、一転して耳に快いメロディーですが、プログラム冊子によると、「ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス」×8パート=40声部とのことで、耳に心地良い均質感の中は、複雑な動きをした上での調和、という曲。

そして、R.シュトラウスは、静かな部分と激しい部分の対比が素晴らしい。

一見、無造作に4曲並べたようでいて、聴けば、起承転結ならぬ、起「転」「承」結になっているというノット・ワールド、with 東響コーラス!
飲み込まれてしまいました。

こうして聴いてみると、1曲目から4曲目まで、なんとなくつながってる感…だけでなく、もしも翌日の川崎定期も続けて聴けば(私は聴けませんけど)、4曲目のR.シュトラウスから1曲目のJ.シュトラウスⅡへもつながっているのでは?と思えた1曲めの演奏。
先入観のせいかもしれませんけど、なんとなく、楽しいだけじゃなく、もの悲しさを内包した演奏だったかもしれません。

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上岡敏之/新日本フィル(2019/07/20)

2019年7月20日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:上岡敏之
新日本フィルハーモニー交響楽団
(第608回定期演奏会・トパーズ<トリフォニー・シリーズ>)
ピアノ:マリアム・バタシヴィリ

ビゼー:交響曲ハ長調
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番
パデレフスキ:メヌエット(アンコール)
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」組曲
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
ドビュッシー:管弦楽のための「映像」
       ~「イベリア」第3曲「祭りの日の朝」
(アンコール)

1曲目から、弾けるような楽しさで始まった演奏会。
「弾ける」と言っても、弾力的な響きではなく、シャープでやや硬質な音。
2曲目のソリストも、のめり込むように弾き、ピアノも指揮者もオケも、はじけちゃって、もう大変、楽しい。
それでも、ノリノリ一辺倒ではなくて、力を抜くときの絶妙の弱音のニュアンスも織り交ぜています。

後半は「マ・メール・ロワ」の柔と「ダフニスとクロエ」の剛を描き分けた感もありますが、やや硬質感のある音が「ダフニスとクロエ」の終曲の炸裂に極めて効果的。
前週の指揮者、ヴェネツィさんのファリャの色彩感とは少し違う響きのNJP、今さら…ですが、指揮者によってオケの音がガラリと変わることを目の当たりにするとともに、NJPが好調を維持していて嬉しい限りです。

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2019年7月13日 (土)

ヴェネツィ/新日本フィル(2019/07/13)

2019年7月13日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:ベアトリーチェ・ヴェネツィ
新日本フィルハーモニー交響楽団
(第24回ルビー アフタヌーン・コンサート・シリーズ)
ハープ:吉野直子
メゾ・ソプラノ:池田香織

ニーノ・ロータ:組曲「道」より抜粋
ヒナステラ:ハープ協奏曲
アッセルマン:泉(アンコール)
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲
プッチーニ:歌劇「妖精ヴィッリ」間奏曲(アンコール)

連続券で買っていたから行きましたが(すみません)、日頃の私ならノーマークの演奏会だったことでしょう。
よって、斜に構えて「お手並み拝見」という感じで席につきましたが(すみません)、とんでもない、驚異的と言って良い演奏に度肝を抜かれました。

ただ、「会場も大半がそんな感じ(お手並み拝見)だったのでは?」とも思いました。
終演後の熱狂的な拍手とブラボー。

そう、特に後半の「三角帽子」です。
オケを南欧の陽光を想起させるカラフルサウンドに染め、瞬発力のある炸裂するリズムを刻みながら粗雑にならない音の処理をしてみせた指揮者の力量に脱帽です。
それを音にした新日本フィルもさすが。
これは凄い、驚きました。

池田香織さんは、1回目は舞台上手(右側)後方での歌唱。
2回目は舞台裏、下手(左側)の扉を開けての歌唱。
ただ、私の席は上手側バルコニーで、舞台上手(右側)後方での歌唱では、直接音はあまり来ない位置での鑑賞となったため、音像が定まらない印象。
逆に、音像をぼかす効果のはずの舞台裏、下手(左側)の扉を開けての歌唱は、上手側バルコニーには音が比較的直線的に届くという…。
池田さんの歌唱のことではなく、ホール音響的なことに感心が行ってしまいましたが、どこで歌うかの決定権は指揮者にあるはず。
まあ、1階席中央の聴衆を想定しての音響設計だったのでしょう。
これだけは、「久しぶりに池田さんの歌唱を聴ける」と思っていたので、ちょっと残念でした。

前半は、ニーノ・ロータの曲で始まりました。
スカッと爽快系の音ですが、やっぱり軽めの曲なのかな。
ヒナステラと比べると、そして後半のファリャと比べると、音の深みが違う感じがしました。

ヒナステラでの吉野さんの音は、もう人間国宝ものの老大家の至芸の域に達してしまったかのような絶妙さです。
ハープの音が、単に美しいだけでなく、こんなに深みがあるとは…。

池田さんをちょい役で起用するという贅沢、吉野さんを呼ぶ贅沢、結構な贅沢な人選と思いますが、指揮者も代役なのにわざわざ海外から招聘だけのことはあったのかもしれません。
ヴェネツィさん、斜に構えて足を運んですみませんでした。

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2019年6月29日 (土)

ヴァンスカ/香港フィル(2019/06/29)

2019年6月29日(土)20:00
香港文化中心

指揮:オスモ・ヴァンスカ
香港フィルハーモニー管弦楽団
クラリネット:カリ・クリーック

シベリウス:フィンランディア
リンドバーグ:クラリネット協奏曲
シベリウス:交響曲第2番

范斯克、香港管弦樂團、2日目。

シベリウスの交響曲第2は、前日の演奏で十分に満足していたのですが、この2日目の演奏は、「昨日は公開ゲネプロだったのかな?」というくらいの素晴らしさ!!
ヴァンスカ様、たっぷり歌わせるところまで気合い入れまくりで、オケを半狂乱にさせる。
弦楽器1列目の奏者、特に私の席から良く見えたチェロの女性奏者の方の表情や身体の揺れ具合は、もう完全に、ヴァンスカ様にマインドコントロールされている状態。
私は、客席で、もう、演奏中に目がうるうるしてしまい、感激、興奮、感謝。
やっぱり生演奏のヴァンスカ様は凄い。
しかも、2日連続にもかかわらず、結構印象が違います。

冒頭のフィンランディアも、前日の演奏(あれ?香港フィルって、こんなもん?と思いました)とは雲泥の差のパワーアップ。
爆演一歩手前の煽りで興奮ものでした。
ヴァンスカさんなら、さらにもう少し磨き抜かれた音色にできると思いますが、オケからすれば、難曲の協奏曲と大曲の交響曲を控えていたから仕方ないのかな。
それでもパワーアップが確認できて良かったです。

リンドバーグの複雑極まりない協奏曲も、2日目でオケもこなれてきて素晴らしい。
クラリネットの音色がこれだけ多様、多彩、多色とは…。
これだけ音のパレットがあるから、シンセサイザーなど要りませんね。
クラリネット1本でこれですから、オーケストラ位の楽器があれば、音のパレットは組み合わせも含めて無限になるようなものです。
前日と同様に、充足感すら感じる終結で、この日も会場も大喝采。
ソリスト・アンコールは、たぶん同じ曲で、演奏終了後は前日は控えめだったのが、ステージ上で拍手に応えてポーズをとり、パントマイムと言って良いくらいの動きで、会場とスケージ上のオケの皆さん微笑、爆笑をさそいました。

香港文化中心のコンサートホールは、200人規模にもかかわらず、こじんまりとした印象。日生劇場よりも狭いのでは?と錯覚しそう。
ステージを客席が取り囲んでいるのに加えて、おそらく、1階席に“雨宿り”席が多いのかもしれません。

私は2階席の舞台サイドの席を事前にネットで購入。
国際郵便で出発前に受け取りました。
昨日は右側(いわゆるRA)に座りましたが、この日の2日目は左側(いわゆるLA)に座りました。
ヴァンスカ様を間近に見られて感激でした。

この2日目の演奏が本当に素晴らしかったので、お酒に酔ったかのような気分で会場を後にしました。
以前は、読響の演奏会で経験できた体感を、本当に久しぶりに味わいました。
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