テレビ・FM放送・CD・DVD

2009年1月11日 (日)

朝比奈/都響(1995/1/22)

1995年1月22日(日)14:00
東京芸術劇場大ホール

指揮:朝比奈隆
東京都交響楽団

シューベルト:交響曲第8番「未完成」
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」

※交響曲の番号は、当日のプログラム冊子の表記に従いました。

「最近聴いたCD」というタイトルにすべきかもしれませんが、10年以上前の演奏会の話しで恐縮です。

本来演奏会は、聴衆にとっても一期一会の真剣勝負。
一回しか体験できない時間と空間を共有するために会場に足を運びます。

…と表向きは言っていても、本心は、行けなかった演奏会がテレビやFMで放送されれば嬉しいし、素晴らしかった演奏会のライヴ録音のCDが発売されれば、つい買って再び聴いてしまいます。

この演奏会のライヴCD(2枚に分かれています)は、たまたま聴く機会が無くて、最近になってようやく聴きました。
会場で生演奏を聴いて以来、ほぼ14年ぶりです。
10年以上前ともなると記憶はだいぶ風化していますが、それでも印象の強かった演奏会なので、当日、自分の席から見下ろした舞台の光景などは今でも目に浮かびます。
チケットは3階席後方の席しか手に入らなかったのですが、確か全席完売で、入場できただけでも良かったと思いました。
3階席からでは朝比奈さんの姿は小さくしか見えませんでしたが、時には大きく手を振って指揮をする姿は、ホールの大空間を“気”で支配していたように思います。

久しぶりにCDで追体験した演奏は、素晴らしい迫力でした。
「未完成」の悠々とした音楽の味わい深さ。
「グレイト」のはつらつとした心地よさ。
そして、そのいずれもがどっしりとした重量感のある土台を持って迫って来ます。

会場で聴いたときと、CDの“音”の印象はだいぶ違います。
3階席後方で聴いた“溶け合った、少し遠目の音”ではなく、マイクが拾った“分解能の良い、生々しい音”です。
でも、この演奏を、こうしてもう一度、…いや、何度も聴けるのは、本当に嬉しいことです。

当日の会場では私はさほど深刻に考えていませんでしたが、CDの解説を読むと、阪神淡路大震災が17日、朝比奈さんが9時間かけて大阪に移動したのが18日、東京に移動したのが19日、リハーサルの開始が20日とのことです。
この演奏がCD化されていることを喜ぶ以前に、朝比奈さんがこの日、指揮台に立ったことを感謝しなければなりません。

CD:fontec FOCD9360(未完成)、FOCD9359(グレイト)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月31日 (日)

フルネ/都響(1995/12/24)

1995年12月24日(日)14:00
東京芸術劇場大ホール

指揮:ジャン・フルネ
東京都交響楽団
(都響スペシャル)
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:寺谷千枝子
テノール:小林一男
バリトン:木村俊光
合唱:二期会合唱団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
ベートーヴェン:交響曲第9番

今年になってまた、引退されたジャン・フルネさんが都響を指揮されたCDが発売になっています。
この演奏会のCDも発売されました。(収録曲目は「第九」のみ。)
数ある「第九」のCD中でこのCDがベスト1だと主張するつもりは毛頭ありませんが、この日会場で聴いて感動した私にとっては、このCDの発売は本当に嬉しい贈り物でした。

この年(地下鉄サリン事件の年ですがそれはさておき)の手帳を見返してみると、目に付くものだけでも朝比奈隆さん(都響、東響、N響)、先日亡くなられたホルスト・シュタインさん(N響)、紀尾井ホールのオープニング、ピエール・ブーレーズ・フェスティバル(私が聴いたのはロンドン響)、インバルさん(都響)、マリナーさん(都響)、ブロムシュテットさん(N響)、若きパーヴォ・ヤルヴィさん(東響)、プレヴィンさん(N響)、サヴァリッシュさん(N響)、デュトワさん(N響)と、「今になってみれば、恵まれた年だった」と感じられるような演奏会が記録されています。
この“演奏会に恵まれた1995年”の最後に聴いたのが、このフルネさんの「第九」だったのでした。

まだ80歳台前半だったフルネさんの指揮は、例によって格調高いもので、なんとも上品なサウンドでした。
しかし、上品だからと言って、情熱に欠けていたり、重量感に欠けていたりということは一切ありません。
曲の最後の重厚な響きもかなりの迫力です。
引退される頃の演奏に比べてテンポも引き締まっており、かといって先を急ぐような音楽ではなく、もしかしたらフルネさんの最良の時だったかもしれません。
今、冷静に「記録」としてのCDを聴き返して、この日の会場での感動が100%戻るわけではありませんが、13年前の記憶を追体験できるのは幸せなことです。

このCDは、雑誌「レコード芸術」の2008年7月号の評では小石忠夫さんが「準推薦」とされています。
文章からすると、指揮とオケには不満はなく、第4楽章の独唱者と合唱に対して、さらに上のレベルを望みたいという意図で「推薦」ではなく「準推薦」にされたものと思われます。
しかし、当日の私は声楽にも大満足でした。

実はフルネさんはこの前の年(1994年)にも「第九」を指揮されていて、私のそのうち2回を聴きました。
(フルネさんは都響で25回「第九」を指揮されたそうですが、私が聴いたのは1994年~1995年の3回だけです。)
その前年の「第九」のうち、新宿文化センターで開催された演奏会(1994年12月11日)の方が、合唱が「新宿文化センター第九合唱団」という団体で、残念ながらアマチュアの域を出ておらず、がっかりしたことがあったからです。
「みんなで第九を歌おう!」という思いを否定するつもりはありませんが、フルネさんの指揮じゃなくてもいいんじゃない?…と思いました。
プログラムの冊子を見ると「団員324名」と書いてあります。
その全員が出演したかどうかはわかりませんが、事実、舞台上の合唱団員はかなりの大人数でした。
そして、この年、もう1回聴いた東京芸術劇場でのフルネさんの第九(1994年12月24日)の合唱はプロの二期会合唱団で、人数ははるかに少ないのに迫力は数段上。
もちろん表現力も数段上…と言うより、比べものにならないくらい上。
こうして“口直し”をして大満足した演奏会の1年後の再会が、このCDになった演奏会だったのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月23日 (土)

秋山和慶/東響(2004/12/4)

2004年12月4日(土)18:00
サントリーホール

指揮:秋山和慶
東京交響楽団
(第521回定期演奏会)
ヴァイオリン:竹澤恭子

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲

~ジョン・ウィリアムズの世界~
 コール・オブ・ザ・チャンピオンズ
 7月4日に生まれて
 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」組曲
 シンドラーのリスト
 スター・ウォーズ「帝国の逆襲」交響組曲
 レイダース・マーチ
(アンコール)

4年前の演奏会のことを突然思い出しました。
この年は、スダーンさんが東京交響楽団の音楽監督に就任した年です。

なぜこの演奏会のことを思い出したかと言うと、本日(2008/08/23)、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」という映画を見に行ったからです。

6月の上岡敏之さんの「椿姫」の後、体調を崩して6月下旬から11日間入院しました。
幸い(?)、6月は元々あまりコンサートやオペラの予定を入れていませんでしたが、7月上旬の退院以降、行く予定だった7月と8月のコンサートとオペラを全てキャンセルしました。
(医師の言葉を借りれば、退院は完治ではなく、通院治療が出来るレベルになったに過ぎないとのこと。そして、その通りでした。)
7月下旬にはそこそこ体調も回復していましたが、気分的にまだ音楽を心から楽しめる状態になっていなかったのと、あくまでも“本業”を優先すべきでしたので、全席完売のチケットも何公演か持っていたのですが、全て手放しました。
当然のことですが、夜間・休日は、平日の“本業”のための体力温存と疲労回復が最優先だったわけです。

最近、ようやく自宅でCDを聴いて「楽しい」と感じる精神状態になってきました。
そして、ようやく「休日にちょっと遊びに行ってみようか」という気分になってきたのです。
本日(2008/08/23)聴きたいコンサートというと、京都市交響楽団(指揮:沼尻竜典さん)のショスタコーヴィチの交響曲第8番ですが、さすがに関東から京都まで聴きに行く元気はないので、ふだんほとんど観に行かない映画を観に行くことにしました。
約20年ぶりの「インディ・ジョーンズ」だけは、観てみたかったのです。
(ちなみに私の手帳には6月の封切り日が書いてありましたが、その日にはすでに体調が悪化していました。)

映画自体は「娯楽としては最高の贅沢」と思ってみていましたが、実感…というか再認識したのは、今さら言うまでもないことですが、映画は映像だけでは成り立たず、音響、特に音楽の力は偉大だということです。
映画館に入って、あのインディー・ジョーンズのテーマ音楽(正確には、第1作「レイダース/失われたアーク」~ジョン・ウィリアムズ作曲「レイダース・マーチ」)が流れてくると、気分はもうインディ・ジョーンズのアドベンチャーの世界です。
パンフレットも買ったので帰りの電車の中でめくってみましたが、写真を見ても「音」が無いと全然雰囲気が違う。
画像の大きさや、静止画か動画か、という次元の話しではなさそうです。
その証拠に(?)、サウンドトラックのCDも買ってきたので、自宅でそれを再生しながらパンフレットめくってみると、「音」があるのと無いのとでは、印象が全く違います。
しばらくは、このサウンドトラックが愛聴盤になるかもしれません。

なお、このサウンドトラック以外にも、私が持っているエリック・カンゼルさん指揮、シンシナティ・ポップス・オーケストラのCDと、作曲者自身のジョン・ウィリアムズさん指揮、ボストン・ポップス・オーケストラのCDにも「レイダース・マーチ」は入っています。
カンゼルさん指揮の方は、ずっと私の愛聴盤でした。

さて、最近の映画館は音響が良いので、自宅とは比較にならない良い音を堪能して、(そのときは)満足して帰ってきました。
しかし、欲には限りがないもので、クラシック音楽のファンとしては、どうしても、この「レイダース・マーチ」を、生のオーケストラの演奏で聴きたくなってしまいます。

…ということで思い出したのが、冒頭に上げた、東京交響楽団の定期演奏会です。
4年前のことなのですが既に記憶は風化しつつあり、演奏会全体のことはあまり覚えていません。
しかし、アンコールで演奏された「レイダース・マーチ」だけは、光景とともに鮮明に覚えているのです。
(アンコールがこの曲一曲だけだったかどうかは、自信がありません。)
この日の「ジョン・ウィリアムズの世界」と題した曲目を見て、私は「インディ・ジョーンズ(レイダース・マーチ)かジュラシック・パークをアンコールにやってくれないかなぁ」と思っていました。
そして、本当にアンコールで「レイダース・マーチ」の演奏が始まったときは、宝くじでも当たったような気分でした。
オーケストラの生演奏で、それもサントリーホールにおける秋山和慶さん指揮の東京交響楽団の定期演奏会でこの曲を聴いた喜び!
秋山さんの、比較的カチッと引き締まっていながら色彩感のある音。
至福の約5分間でした。

再演を期待したいところですが、元々、オーケストラの演奏会としては異色の選曲。
おそらく、私が「レイダース・マーチ」の生演奏を秋山和慶さん指揮で聴く機会は、もう二度と来ないでしょう。
一生の思い出になってしまうかもしれません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月19日 (月)

NHK-FM:藤岡幸夫/西オーストラリア響

2008年5月19日 NHK-FMで放送
ソプラノ:スミ・ジョー
指揮:藤岡幸夫
西オーストラリア交響楽団

2006年11月18日

オーストラリア パース・コンサートホールで収録
(オーストラリア放送協会)

今夜、NHK-FMで、藤岡幸夫さん指揮の演奏会を放送していましたが、素晴らしい演奏でした。
歌うところの情感と、盛り上げるところの炸裂が、電波を通しても伝わってきました。
スミ・ジョー(ソプラノ)の伴奏のような演奏会ですが、オケだけで演奏する序曲や間奏曲の演奏でも、客席は盛大に沸いていたようです。
(もちろん、主役のスミ・ジョーの歌も凄かったですが。)

前回私が藤岡さんの演奏会を聴いたのは5年以上前ですが、いつの間にこんなにうまくなったの?
以前、日フィルをよく振っていた頃に聴いたときは、肩に力が入って、その力みが音に結びつかないようなもどかしさを感じたこともありましたが、きっと今の藤岡さんは、あの頃の藤岡さんではないのでしょうね。
関東で藤岡さんがプロのオケを振る機会がしばらくなさそうなのが残念です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月19日 (土)

ベリオのレンダリング

2008年4月19日の東京交響楽団定期演奏会で演奏された、ベリオのレンダリングですが、「Rendering」を英和辞典で見ると、表現、演出、解釈、翻訳、訳文、完成予想図、画像の三次元化…などという言葉が並んでいます。
私は建築やデザインの世界にはあまり馴染みがないのですが、なんとなく言葉の雰囲気は「わかったような気分」にはなりました。

ウィキペディアには、
「交響曲ニ長調D-936の補筆完成の一つであるが、ベリオはシューベルトの様式を完全に守って完成させるのは不可能だとして自分の個人の様式で自由に後を続けた。」
と書かれています。

2007年7月1日にNHK-FMで、この曲のブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラによる演奏が放送されました。
(2007年2月18日、ベルギー・ブリュージュ・コンセルトヘボーでの演奏)
アスコ・アンサンブルとシェーンベルク・アンサンブルが共演しており、放送時の解説によると、シューベルトが作曲した部分は18世紀オーケストラ、ベリオが補作した部分はアスコ・アンサンブルとシェーンベルク・アンサンブルが演奏していたとのことです。
このときの印象は、ロマン派の時代の音楽と20世紀の音楽が交互に演奏されたような、ちょっとつぎはぎのような印象でした。
「ベリオのような大家が独自色を出して取り組まなくても、音楽学者が補作すれば良いではないか?」とさえ思いました。

そう言えば、プッチーニの「トゥーランドット」のベリオ補作版(演奏会形式)を東京交響楽団の定期演奏会(2005年6月12日、スダーン指揮)で聴いたときも、「変わっていて面白い」とは思いましたが、やはり違和感は感じました。
慣れの問題だったのかどうかは、その後聴いていないのでわかりません。
でも、ずっと暗譜で自信満々に確信を持って歌っていたような歌手陣が、ベリオ補作の箇所からは楽譜を見ながら歌っていたのも象徴的だったような気もします。

話しをレンダリングに戻すと、この曲のCDは、私は(あまり聴き込んではいませんでしたが)シャイー指揮のものを持っていました。
「ベリオ・トランスクリプションズ」というCDで、ベリオが編曲(補筆?補作?)した様々な曲が収められています。
こちらの演奏は、前述のブリュッヘン指揮の演奏に比べると、全体的に厚い響きをもって演奏され、統一感を感じます。
極端にシューベルト的でもないし、極端に20世紀音楽的でもなく、ベリオ作曲、シューベルトの交響曲風の3楽章の管弦楽曲…とでも言いたくなるような、独自の世界が展開します。
こういう演奏だったら、オーケストラの日常的なレパートリーのひとつに加わっても良いのではないかと思いました。

もっとも、2008年4月19日の東京交響楽団の演奏会のプログラムの冊子(広瀬大介さんの解説)によれば、「完成」を目指す発想を放棄し、シューベルトの遺志を汲んだ「補筆」ではなく、ベリオ自身の音響で「修復」した…とあります。
また、聴き手は、現実と夢の間を行き来しながら、次第に両者の世界はさほど隔たった場所にあるわけではないことが明らかになる…とも書いてあります。

そういう意図であれば、ブリュッヘンの演奏に感じた「つぎはぎ」という印象は、むしろ意図されたもののようにも思えてきます。
なかなか一筋縄ではいかない、興味深い曲だと思いました。

なお、シャイー指揮のCD(国内盤)には、英語で「Rendering for Orchestra」と小さく書いてあるところの上に、日本語で「交響曲スケッチに基づく《レンダリング》」と、親切な(?)タイトルが付いています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月15日 (土)

CD「ラフマニノフの交響曲第2番によるピアノ協奏曲」

CDショップの目立つ場所に置いてあるので御存知の方も多いと思いますが、「ラフマニノフのピアノ協奏曲第5番」なるCDがBRILLIANTレーベルから発売されています。
輸入盤ですが、日本語の帯がついていました。
交響曲第2番をピアノ協奏曲の形に編曲したものですが、こういう“ゲテモノ”(?)を見ると、ついつい興味をそそられて買ってしまいます。
商売にうまくのせられている感じです。

ラフマニノフ(ヴァレンベルク編)ピアノ協奏曲第5番
(交響曲第2番のピアノ協奏曲編曲版)
ピアノ:W.シュミット=レオナルディ
指揮:テオドール・クチャル
ヤナーチェク交響楽団
(BRILLIANT CLASSICS BRL8900)

聴いてみるとラフマニノフの協奏曲っぽい雰囲気でピアノとオケが交錯し、演奏も熱がこもっていて結構おもしろい。
でも、交響曲の第2楽章は省かれていて全3楽章になっているのは、原曲の交響曲を知っているだけに、第1楽章から第2楽章(交響曲では第3楽章)へ移るときに、「え?」と思ってしまいます。
確かに交響曲の第2楽章はピアノ協奏曲っぽくない曲調かもしれませんが…。

聴く前は、「ピアノ協奏曲第5番」ではなく、「交響曲第2番(ピアノ協奏曲版)」と表記すべきでは?…と思いました。
シェーンベルク編曲の、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番だって、「ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)」であって、「交響曲第5番」とは表記していません。
でも、2楽章がないのであれば、「交響曲第2番(ピアノ協奏曲版)」とは表記できませんね。

ちなみに、CDジャケットの表面には
   PIANO CONCERTO “No 5”
   ARRANGEMENT OF SYMPHONY No 2
とあり、裏面には
   PIANO CONCERTO “No.5”
の下に、
   Symphony No.2 in E minor Op.27
   arranged as Piano Concerto, by …
とあります。
表と裏で、微妙に表記が違います。
No.5に“ ”がついているのが、微妙なニュアンスなのか、強調なのか、その両方なのか…。

音楽的に価値があるのかどうかは私にはわかりませんが、いろいろな意味で面白い経験をさせていただきました。
個人的好奇心としては、編曲から始まって、録音、販売に至る行為がビジネスとして成功したのかどうか、後日、収支を知りたいところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月 5日 (火)

ノリントンの「わが祖国」のCD

もともと好きな曲でしたが、最近再びスメタナ作曲の連作交響詩「わが祖国」に興味を持って聴いています。

きっかけは昨年11月のチェコ・フィルの演奏会が、私の座った席の音響のせいか、満場大喝采の中、取り残されてしまったことです。

でも、1月のプラハ交響楽団の演奏会はとっても好印象で、私にとってはリベンジが出来て大満足でした。

CDでは、コシュラー/都響の演奏で、27年前に聴いた演奏会の追体験をしました。
タイムマシンに乗って若返って当時の東京文化会館に座っている気分でした。

続いて、アーノンクール/ウィーン・フィルという比較的変わった部類に入るCDを買ってきてみましたが、何回聴いても良さがわかりません。(^^ゞ
雑誌などでの評論家の先生のウケは、結構良い演奏なのですけれどね。
どうもアーノンクールは、この演奏に限らず私とはあまり相性が良くないようです。

もうひとつの変わり種のノリントン/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズのCDも買ってみました。
音楽之友社の「21世紀の名曲名盤」というムックでは、金子建志さんだけが一票を投じています。
全く期待せずに、冷やかし半分で聴き始めたのですが、これが、なんと、素晴らしい!
ピリオド楽器がどうのこうのという前に、“音”が生き生きと迫ってくるのです。
良く聴けばノリントンさん特有の“小細工”もあるのかもしれませんが、私は細部は気にせずに聴き通しました。
(もっとも、1月30日に聴いた「英雄」の生演奏では、その“小細工”のひとつひとつが、自然で説得力を持つ音として心に迫ってきましたので、「変わった演奏」を期待し過ぎてはいけないのでしょう。)
万人向きの演奏ではないかもしれないし、「わが祖国」の最初の1枚として購入するには難があるかもしれませんが、なかなか魅力的な1枚であることは事実です。
私は、最近は、コシュラー/都響のCDと交互に聴いて楽しんでいます。

…となると必然的に、秋にコバケンが都響の定期を振って演奏する「わが祖国」は非常に楽しみだったわけですが、会場のダブルブッキングによる演奏会中止のニュースが飛び込んできて仰天しました。

過去には、1998年の東京シティ・フィル、1999年のチェコ・フィル来日公演で、コバケンの「わが祖国」を聴いたことがありますが、いずれも素晴らしかったです。
チェコ・フィルとのCDも良いですね。

コバケンは3月の札響定期でも「わが祖国」を振ります。
札幌の皆さんが羨ましいです。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2008年2月 4日 (月)

山崎伸子チェロリサイタルの映像

聴きたいのに行けなかったコンサートがテレビやFMで放送されると嬉しいものです。
しかし、雑誌の付録のDVDで映像が見れるとは、予想もしていませんでした。

2007年12月17日(月)津田ホールで開催された『山崎伸子チェロリサイタル With 長岡純子』は、気がついたときにはチケットは完売していて、聴きに行くことが出来ませんでした。
Yahoo!オークションもこまめにチェックしていましたが、チケットの出品はなかったように思います。

(私が山崎伸子さんのファンになった経緯は、2007年11月30日の神奈川フィルのところに書きました。)

雑誌とは、モーストリー・クラシック』の2008年3月号です。
付録のDVDに、下記の演奏が収録されています。

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番第2楽章
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番第1楽章
ブラームス:メロディーのように

30分程度という収録時間ですが、行けなかった垂涎のコンサートの様子をうかがい知ることが出来、本当に嬉しくなりました。

山崎伸子さんのチェロは、当夜の主役ですからもちろん魅力的ですが、ピアノの長岡純子さんがまた素晴らしい。
ベートーヴェンのソナタなど、ピアノ・パートが(三重協奏曲とは対照的に)非常に雄弁で、チェロが休んでいてもピアノは弾き続けている部分もありますので、ピアノの音の存在感が大きい。
でも、ピアノの音にチェロが“割り込む”ときの山崎さんの音の魅力的なこと!
ブラームスだとチェロとピアノが対等に渡り合う雰囲気ですが、この“二人の個性”の協奏は、きっと当夜の会場を、圧倒的な迫力で支配したことでしょう。

聴きに行けなかったことを残念に思う気持ちなど吹き飛んで、堪能しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月16日 (水)

コシュラー/都響「わが祖国」のCD

1月13日に聴いたプラハ交響楽団の「わが祖国」で、この曲を再び好きになったので、いくつかCDを聴き直してみました。
そのうちのひとつがコシュラー/都響「わが祖国」のCDです。

1981年7月20日、21日の2日間の演奏会の録音から編集されたもののようです。
私は2日目の21日の演奏会を会場で聴きました。
座った席は、確か3階R*列だったと思います。

そのときの印象は、熱気に満ちた演奏ではあったものの、東京文化会館の残響感のない音響のせいか、少し荒い演奏に感じたのを覚えています。
「ブラニーク」の最後など、ガチャガチャという感じで終わった印象がありました。
コシュラーさんの「わが祖国」は、その少し前に海外でのスロバキア・フィルとの演奏がFMで放送され、カセットテープに録音して愛聴していたのですが、ずいぶん印象が違いました。

しかし、このCDの音は、マイクの位置が良かったのか、CD化にあたって音の処理がされたのかはわかりませんが、会場で聴いたのとはずいぶん印象が違います。
こんなに素晴らしい演奏だったんだ!
会場でガチャガチャという荒い音に感じた「ブラニーク」の最後も、CDで改めて聴くと、白熱した迫力のある演奏です。
25年以上前の、記憶から消えかけていた演奏をCDで追体験しているのは不思議な気分です。
「オーディオ装置はタイムマシンだ」と語ったオーディオ評論家の方がいましたが、まさにその感覚です。

ただ、当日(私の聴いた21日の方)では、「モルダウ」の後で拍手が起きていました。
CDにはその拍手は収録されていません。
また、「シャルカ」の後には休憩があり、当然拍手がありましたが、その拍手も収録さとれていません。
まあCDとして繰り返し聴く人のことを考えれば、拍手のカットは問題ないと思います。
曲と曲の間の“咳ばらい”も収録されていません。

なお、私はこの演奏会の終演後に楽屋口でコシュラーさんのサインをいただきました。
コシュラーさんは日本語を勉強していたようで、ファンの一人一人に名前を聞きながら、色紙にひらがなで「○○さんに。よろしく。」と書いて「Zdenek Kosler」とサインしてくれました。
今は亡きコシュラーさんの思い出です。
20080115cd

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月14日 (月)

ラヴェル「ボレロ」のCD

マゼール/ウィーン・フィルの「ボレロ」のCD(1996年録音)が、雑誌(「レコード芸術」2008年1月号)に「クセ者の面目躍如」「抱腹絶倒」と書いてあったので、買ってきて聴いてみました。
確かに、妙なヒネリというか、テンポの揺らし方、見得の切り方をしていて、面白いといえば面白いです。
「抱腹絶倒」と言うほど笑いはしませんでしたが、ニヤリとさせられる演奏でした。

そう言えば、別に意識して買い集めてはいませんが「ボレロ」のCDはいつの間にか何枚か持っていますので、久しぶりに聴き比べてみました。
「ボレロ」という曲は、もともと繰り返しの曲なので、8枚続けて聴いても飽きません。
他の曲なら、そうはいかないでしょう。

■アバド/ロンドン交響楽団(1985年録音)

変わり種としては、こちらをマゼールよりも上位にすべきだと思います。
クライマックスで興奮したオケのメンバーから叫び声が上がっていることで有名(?)な演奏です。
発売された頃、知人に聴かせてもらったときは「何じゃ、こりゃ」と思いました。
たぶん、まだLPだったと思いますが、かなり叫び声が強調された録音だったような印象が残っています。
それ以来、ず~っと「ゲテモノ」扱いで触れずに来ましたが、近年になってCDを買って聴いてみると、それほど叫び声が強調された印象はありません。
そして、演奏自体は、確かに叫び声を上げたくなるような高揚感です。
最近は、このCDを手に取ることが結構多いです。

■デュトワ/モントリオール交響楽団(1981年録音)

以前は「ボレロ」と言えば、このCDばっかり聴いていました。
やや速めのテンポがスマートで、響きの透明感もピカイチだと思います。
私がこのコンビでこの曲を生演奏で聴いたのは20年以上前の1985年ですが、今でも、そのときの鮮烈な印象が残っています。

■小澤/ボストン交響楽団(1974~5年録音

雑誌などで“名盤”として取り上げられることはほとんど無いと思いますが、終盤の迫力はスゴイと思います。
サイトウキネンもいいですが、個人的には、ボストン響時代の小澤さんの録音にも、凄い演奏がたくさん残っているような気がします。
ブラームスの交響曲第1番(1977年録音)も、同じような高揚感を感じたCDです。

■ミュンシュ/パリ管弦楽団(1968年録音)

悠然と始まり、良い香りがしてきそうな雰囲気を漂わせながら徐々に高揚し、最後は圧倒的な迫力。
横綱相撲の演奏だと思います。

■ブーレーズ/ベルリン・フィル(1993年録音)

ブーレーズは私の大好きな指揮者の一人ですが、このCDはどうも掴み所がよくわかりません。
もちろん不満の残る演奏ではありませんが、上記の数枚に比べると、手に取る回数は少なくなっています。
「ブーレーズを聴きたい」と思ったときは「春の祭典」やマーラーの交響曲のCDの方を手に取ってしまいます。
雑誌などでの評価は、かなり高い方の盤です。

■フルネ/東京都交響楽団(2004年録音)

フルネさんの「ボレロ」は、生で数回聴いていると思います。
いずれも上品な香りの漂う優雅な演奏でした。
このCDは、フルネさんの生演奏の印象を十分に捕らえているとは言えないかもしれませんが、フルネさんが引退した今となっては、貴重な記録のひとつであることは事実だと思います。

■マルティノン/パリ管弦楽団(1974年録音)

たまたま輸入盤の超廉価盤で買ってきたドビュッシーのCD(フランス国立放送管弦楽団、1973~4年録音)が素晴らしかったので、きっとラヴェルも素晴らしいだろうと思って買ってきたCDです。
「フランス風の香り」と言っても「デュトワ風」もあれば「フルネ風」もあり、ひとつではありません。
「マルティノン風」もまたこれらとは違いますが、まぎれもなく素晴らしい!
悠然と始まり、悠然と歩を進めますが、最後はたたみかけるように高揚して終わります。


…というわけで、スマートでスタイリッシュな演奏を聴きたいときはデュトワ、ゆったりと香りを味わいたいときはマルティノン、迫力と高揚感を味わいたいときはアバドか小澤、香りと迫力の両方を求めるならミュンシュ、ニヤリと笑いたいならマゼール…という選択になるでしょうか。
でも、こうして並べて聴いてみると、一番印象の薄かったブーレーズが、実は一番バランスが取れているのかな…と感じたりして面白いです。
いずれも素晴らしい演奏だと思います。

なお、クリュイタンスの「ボレロ」のCDは所有していませんでした。
雑誌の評ではこれをダントツのベスト盤に上げているものもあるので、「これを聴かずにボレロ」を語るべからず!」と叱られれば反論の余地は無いでしょう。
機会を見つけて聴いてみたいと思います。

そう言えばカラヤンの「ボレロ」のCDも持っていない…などと考え始めると、きりがありませんが…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)